回想
今日は一日中眠たくて、ずっと寝て過ごしてしまった。
疲れてると何もする気無くなるけど、
それだと前と同じになってしまうから、
それだけは理解しなきゃ。
また何だか心に暗い影がさしてきていたので、今日は思い切って身を任せ、あの頃を思い出すように小説を書いた。
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良いやつになりたいとか思ってなくて、ただ自分の狂気の赴くままに行動して、けど時折気まぐれに人に優しくする。それが上手くできていたころは、周囲の人間から慕われていた。唯一無二。そう言われた。でもそんなやつは本当はこの世にいなくて、俺の気まぐれを、偽りの自分を、肯定されていても、何にも嬉しくなかった。俺は周囲にたくさんの人がいるのに、いつも孤独だった。偽りの俺が周囲から評価を得るたび、本当の俺はどんどん孤立していって、次第に塞ぎ込んで、そして遂に限界を迎えた時、醜い叫び声を上げるようになった。
違う。違う、違う、違う、違う。
そいつは本当の俺じゃない。
本当の俺はここだ。ここにいるんだ。
誰か、俺を認めてくれ。
そいつは何にも無い。空っぽだ。
俺こそが、本当の俺なんだ。
そんなやつを好きになって、それが俺の本当の姿だと、勘違いをしないでくれ。
そいつは優しくも何ともない。
人を騙し続けて、報復に怯えているだけだ。
本当の俺はここにいる。
ずっとここにいて、救いの糸が垂らされるのを、待ち続けている。
何で誰も救ってくれない。
何で、何で何で何で。
何でそんなやつばっかり良い思いをする。
俺が本当の俺なのに。
本当の俺を愛してくれる人なんて、
なんて、
なんて、
誰もいない。
…あーあ。
…もう全部、
…どうでもいい。
そして俺はまた歪んだ笑顔を作る。その笑顔のアンバランスさは、まるでJOKERのよう。それを周囲の人間は面白がる。しかしその歪みこそが俺の本質なのだと、誰も気付かない。そしてまた俺も気付かなかった。
社会人三年目の、あの夏までは。
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やはり俺は醜い人間だ。そう心から思う。綺麗事を言うのは嫌い。自分に嘘をついているみたいで。綺麗な人間じゃないのに、綺麗事をつらつらと述べる自分が、どうしようもなく憎たらしくなってくる。けど、綺麗事を言うのは辛いし、本当に心が壊れそうになるけどーー
やっぱり俺は、
この世に、
救いを与えられるとまではいかずとも、
なんか、最後の希望くらいにはなる、
そんな作品を書けたらなー、
いや、書きたいなー、
いや、書かなくちゃーって、
心から思う。
それは綺麗事を言ってるみたいだけど、
本当に思ってるから、
嫌だなーってなる。
自分に嘘を付きたくなかったら、
言い訳せずに頑張って、
誇れる自分になるしかないんだよな。
…あーあ、仕事、嫌だ。
面倒くさい。
けど、あの地獄よりかは遥かに良いと思う。
頑張ろうなんて、浅い綺麗事を言いたくないけど、
けどやっぱり頑張ろうって思うのが、
一番良いんだよな。
それは世界の真理。
頑張ろう。
そうすれば必ず報われるって、
無理矢理にでも信じ込もう。
それは生きる秘訣だよ。
今俺は俺に向かって、
優しい言葉をかけた。
自分で自分を救う一本の糸。
それを垂らすことができるようになったのも、
やはり人と人との、関わりのおかげだと思う。




