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第5話:工業地帯を救え!

 バグドロスを撃退してから数日、カルキノスは平和であった。


「毎日バンバン来るものだと思ってたけど、割と来ねえんだなあ」


 ケイジは自室で少し退屈な思いをしていた。


 ガチャ!


 「ケイジよ!ダラダラしとる場合じゃないぞい!」


 オウギ博士が勢いよくやってきた。


「お、博士、ヴォイドエフェクターが出たか?」


「出とらんぞ」


「じゃあ、なんのようなんだ?」


「うむ、わしはパイロットにも気を使うタイプでな。お前のパイロットスーツを作ったぞい!はよ試着しに来るんじゃ」


「あー、あの採寸とかってそのためだったのか」


 ケイジはここ数日間で行った検査の山を思い出しながら一人納得した。


 オウギ博士に付いて格納庫にやってきた。


「博士、服の試着なのにどうして格納庫なんだ?」


「そりゃもちろん、性能チェックのためじゃ!アンナくん準備はいいかね?」


「はい博士、侵略者想定兵器の準備は万端ですよ!」


「ちょっとまてなんでスーツの機能テストに兵器が出てくるんだ!?」


「ケイジよお前は何と戦っとるんじゃ?」


「ヴォイドエフェクターだけど……」


「そうじゃな、生身で攻撃を受けたりする可能性を考えたことは?」


「全然考えてなかったけど」


「それは想定が甘いぞケイジ!というわけで、これがスーツじゃ!」


 オウギ博士がハサミで指し示した先に赤いメタリックな人型が置いてあった。


「なあ、博士これ服じゃないよね?」


「全身強化装甲じゃな。ほら早く前に立って装着せんか!」


 スーツの前に立つとアンナさんがデバイスを操作した。


 ガシュー……


 あっというまに首から下が包まれ、スーツが装着された。


「なんだろう、たいやきか何かになった気分だ……」


「ケイジくんこれがヘルメットですよ」


 アンナさんが渡してくれたヘルメットも赤いメタリックな色で、ちょっと蟹の顔ぽかった。


「ヘッドライトも付いてるから、暗いところでも大丈夫ですよ!」


「あーなるほどヘッドライトが蟹の目みたいに見えるのね」


「ほれ、ケイジそこの実験スペースに立つんじゃ」


 黒い焦げ目が付いた超合金板が指し示される。


「すいません、博士この板の焦げ目がついた原因で俺を攻撃するんじゃないですよね?」


「攻撃するぞい」


「死んじゃいますよ!」


「ケイジくん、心配はいりません、計算通りの設計ですからそのスーツなら無傷です」


「アンナさんも常識がおありでない!?」


「えーい、うるさい、アンナくん実験開始じゃ!」


「はい、博士!」


 ポチッ。


 ズドドドドーン!


 アンナが起動した侵略者想定兵器(どう見てもガトリング)がケイジを蜂の巣にした!


 モクモクモク。


 立ち上る白煙から赤いメタリックな装甲が姿を表した。


「おお、痛くも痒くもない」


「博士!計算通りでしたね!」


 アンナは笑顔だった。


「うむ!実験前に火力調整しておいて正解だったの!」


「ちょっと待て、博士何だその調整前って」


「前倒したヴォイドインセクトのミサイルがあったじゃろあれじゃ」


「研究所が壊れるわ!」


「じゃから火力調整して敵のドローンの砲撃程度にしたんじゃ。たらればで怒るんじゃないぞいケイジ」


「それじゃあケイジくん。これからは出撃前にカニテクターを装着してくださいね」


「へ~い」


 ケイジは少し疲れた返事を返した。


 ピョロロロー。


「博士!ヴォイドエフェクターがヤッシーズ工業地帯に出現しました!」


「ぬ?研究所から少し遠いのう。ケイジ!急いで慌てず丁寧に現場に向かって対処するんじゃ!被害の規模によっては研究所の予算が危ないぞい!」


「気にするとこそこなのかよ!」


 ケイジはオウギ博士に突っ込みながら素早くコアキャンサーに乗り込んだ。


「カニテクター割と動きやすいな……」


 ケイジはカニテクターの柔軟性に感心しながら、出撃した。


「いちいち敵を見てから、シザースキャリア呼んでたら時間かかりそうだから最初から一緒に行くか。シザースキャリアー!」


 ケイジの音声入力により山が割れシザースキャリアーが姿を表す。


 コアキャンサーはシザースキャリアの上にくっつき、親子ガニみたいになりながら工業地帯へ急いだ。


 ドーン、ズガーン。


「ハハハ!虚無に還るがいい!」


 現場につくと、トリケラトプスみたいなメカが暴れていた。


「おい!そこのお前そこまでだ!行くぞ!シザースキング!」


 ケイジは即合体し、静かに敵の前に着地した。


「でたなシザースキング、このディノドロスが操る最強のヴォイドサウルス、ヴォイドトリケラの前に虚無に還るがいい!」


「見たまんまのネーミングなんだな……まあいい、これ以上被害を広げさせるわけには行かない!いくぞ!キングシザースブレード!」


 ガキィィィン!


 ケイジの攻撃はトリケラの角に弾かれてしまった。


「硬え!」


「ケイジ何をやっとる!後ろにヤッシーズエナジータンクがあるんじゃからそこで敵を爆殺しようとしてはいかんぞい!カルキノスが停電してしまうぞい!」


「そんな重要施設だったのここ!?くそうじゃあとりあえずトリケラ野郎をこの工業地帯から追い出さないとか」


 ケイジはキングシザースブレードを収納し、トリケラの角を掴む。


「ほお、ヴォイドトリケラと正面から組み合うとは馬鹿な奴め!」


 どうやらディノドロスは相当トリケラの力に自信があるらしい。


「へ、すぐに押し出してやるぜ!ハイマニューバモード!全力全開!」


 ズゴォオオオ!


 一気に背中の歩脚バーニアを点火し、トリケラを押し出そうとする。


 ガリガリガリ!


「全然押せねえ!なるほど。押し合いは得意と、でもそっちは四脚歩行だよな!」


 シザースキングは前に押すのをやめて、二本だけ歩脚を元に戻して地面に突き刺しトリケラを持ち上げる。


「ぬおっ?なんという膂力だ!?」


 驚くディノドロスを尻目に、一気に上空へ投げ飛ばした!


「へへ、地面じゃなかったら派手に決めれるよな!喰らえシザースインフィニティブレイク!!」


 空中のヴォイドトリケラに必殺の一撃を叩き込む。


 ズドォーーーーーン!!


 ヴォイドトリケラは空中で爆発四散した。


「ふぃー、これでエナジータンクにも被害がないし、万事解決だな!それにしてもこのカニテクター蒸れるな……後でオウギ博士かアンナさんに改良してもらおう」


「あーケイジよ。今回はよくやったな」


 オウギ博士からの通信だ。


「どうよ、今回は注文通りだったぜ!」


「そうじゃな、だがよく見てみるんじゃケイジ、ヤッシードリンクタンクが粉々じゃ、明日から食堂の飲み物はしばらく水じゃぞ……」


「まあその程度なら別に……」


 ケイジは飲み物にあまりこだわりのない男であった。

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます!

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