第4話:被害の規模を減らせ!
ピョロロロー。
奇妙なチャイムでケイジは目を覚ました。
「こんな目覚ましかけた覚えないんだけどな」
新しく引っ越してきた研究所の部屋は割と快適だった。
隙間風は吹かないし、ベッドもおいてあるし、収納も中々の広さだった。
一番気に入ってるのはシャワールームが付いていることだ。
公衆浴場に行かなくていいというのはとても気分がいいものである。
ふと気になってケリーさんに光熱水道費のことを聞いたが、研究所持ちということだったので、正直前住んでいたアパートより遥かにいい暮らしである。
研究所には食堂もあり、好きなものが食べ放題とのことであった。本当に予算が少ないのだろうか?
所長がオウギ博士だしざる勘定で火の車なのではないかとケイジは訝しんだのであった。
「ケイジくん!なにをぼさっとしてるんですか!ヴォイドエフェクターですよ!」
さっきのチャイムは目覚ましではなくアラート音だったらしい。落ち込んでいたはずのアンナさんが呼びに来たということはもう立ち直ったのだろうか。
「アンナさんもう元気になったんですね」
「私は落ち込んでなんていません!敵のデータを分析してただけです!」
アンナさんに捲し立てられ、ケイジは格納庫に向かった。
「おお、ケイジよ、研究所に来て早速の出撃だぞい!」
オウギ博士は何故かテンションが高かった。
ケイジはコアキャンサーに乗り込もうとするが、ハサミで摘まれて止まった。
「待つんじゃ。ケイジよ研究所に正式所属になったからには、周囲の被害を抑えながら戦わねばならぬ」
「えっと、それはいったい」
「街のど真ん中で必殺技を撃ったり、敵の攻撃を高速回避して町に着弾させてはいかんということじゃ」
「いや、それでどうやって戦うんだよ!」
「大丈夫じゃ、徹夜で調査したところシザースキングには自己修復機能がある、それにある程度の攻撃にはびくともしないのは経験してるじゃろ?」
「たしかに頑丈だけどコアキャンサーはそんなに頑丈じゃないぜ」
「すぐ合体すればいいじゃろ」
「すぐ合体すると山が割れるからクレームが」
「そんなん無視じゃ無視」
「いやそれなら町の被害とかは置いといて、即、敵を撃破したほうがいいんじゃ……」
「だめじゃ!町の設備にはヤッシーズの物がたくさんあるんじゃ毎回大破させてたら研究所の予算がなくなりひいてはケイジ、お前の給料もなくなるのじゃ!」
「な、なるほど、とりあえずなんとかしてみる」
今度こそケイジはコアキャンサーに乗り込み出撃した。
「今度の敵はと」
ケイジがコックピットで目を凝らすと、防衛軍がすでにドローンと戦闘中だった。
「うん?巨大メカが見当たらないな。なんちゃらドロスの手下が毎回いるんじゃないのか」
「待っていたぞシザースキング!私の名はバグドロス!ヴォイド四天王の知略担当よ!」
「いやまだシザースキングになってないんだけど本当に知略担当なのか?」
「ヴォイドインセクトの前に虚無に還るがいい!」
「言ってること他のやつと変わってねえ!」
ケイジはこいつら似た言語喋るだけで多分通じることがないんだろうなと思いながら、身構えた。
空の亀裂からたくさんの虫型メカが飛び出してきた。
「なんかしょぼいな。シザースバルカン!」
ドルルル。
小型虫メカに……当たらない!質量が小さすぎてそれているようだ。
「ケイジよ!町に射撃してどうする!」
耳元にオウギ博士の声が響いた。
「え?なんでオウギ博士の声が?」
「チームなんじゃから通信できるようにするに決まってるじゃろ!」
「勝手に弄ってる……」
「とにかくその形態ではその虫メカに攻撃が当たらないんじゃから、なんとかせんか!」
「なんとかっていっても、なんかないの?コアキャンサー」
【シザースキングへの合体を推奨】
「なるほど、よし!こい!シザースキャリアー!」
ゴゴゴゴー。
「よし合体!シザースキング!」
「馬鹿め!行け!ヴォイドインセクト!」
「なんだ!?虫メカがコアキャンサーの周りに纏わりついて合体できねえ」
「ハハハやはりな!巨大メカの方はシールドがあるが小型メカの方はどうにもならないようだな!」
「うおお、どうすればいいんだ!?」
【シザースキャリアーで自立攻撃をします】
「よろしく頼む!」
【バブルブラスターを使用します】
シザースキャリアーから大量の泡が吐き出された!
「いやこっちも泡に包まれるんだが!?」
ジュワワワ。
虫メカたちが次々と溶解していく。
「虫溶けたけど俺は大丈夫なのこれ!?」
【コアキャンサーには無害です】
「凄いね……」
泡に包まれながらシザースキャリアーに収納され、シザースキングが大地に降臨した。
ズシーン!
「合体したのはいいけどもうほとんど倒してる気が……」
「ちっ、合体されたか。だがヴォイドインセクトの真の力はここからだ!」
ズモモモモモ。
バグドロスの合図でまだ残ってた虫メカと亀裂からさらに追加された虫メカが融合する。
「補充して巨大化ってそれありなのかよ!」
巨大なオオスズメバチのようなメカが目の前に現れた。
巨大な針状のミサイルを無数に発射してくる。
「うお!ハイマニューバで避け……」
「ダメじゃケイジ!そこで避けたら、ヤッシーズグルメビルに当たる!」
ズガーーーン!!
「ぐおおお、めちゃくちゃ揺れる……シザースキング大丈夫か?」
【損傷は軽微です】
「無傷じゃないってことはこれ以上当たり続けるとまずいよな」
「ハハハ。シザースキング恐れるに足らず!」
「えーい!うるさい!こっちは縛りプレイなんだよ!、シザースキング!あいつを郊外まで押し出せるか?」
【可能です。ハイマニューバは前進にも使えます】
「よしミサイルを撃たれる前に一気に吹っ飛ばす!ハイマニューバモード!全力全開!」
シュゴオオオオ!
シザースキングは一気に前進し、ヴォイドインセクトを浜辺に押し出した。
「ここなら邪魔は入らねえ!シザースインフィニティブレイク!!」
ズドーーーーーン。
シザースキングの必殺剣がヴォイドインセクトをバラバラに砕いた。
「ぐ、シザースキング!お前の特性はわかった次こそは仕留めてやる!」
バグドロスは他の幹部と同じような負け惜しみを残して帰っていった。
「ふう、なんとか倒すことができたな!」
「ケイジよ!」
「え?なんだよオウギ博士」
「お前がズドンと着地したせいで、ヤッシーズグルメビルの内装がめちゃくちゃになったというクレームが来たぞ!」
「なんだよそれ!いちゃもんじゃないか!」
「いちゃもんでもなんでもスポンサーは神様じゃ!次からは気を付けるんじゃ!」
「うえ~い」
ケイジはこんなすっきりしないことあるか?と思いながら研究所へ引き返していくのであった。
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