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第1話:侵略者がやってきた!

コテコテ90年代スーパーロボット風小説です!

 惑星カルキノス、それは銀河の辺境にある、知性を持ったカニと人間が平和に暮らす星。


 その片田舎にある巨蟹町で甲本ケイジは、今日も配送仕事をしていた。


 ばるるーん。


 小型の配達用バイクを止めて、宅配寿司屋へと入る。


「ヤッシーズデリバリーでーす。料理受け取りに来ました!」


 ケイジが元気に尋ねると奥からどっしりとしたカニの店員が、すし詰めを持ってきた。


「おう、ケイジ、今日はちゃんと時間通りに配達してくれよ!」


「いや、こないだはちょっと人助けをしてたんだって。いや蟹助けか?まあいいや、ちゃんと配送するから安心してくれよ!俺にも生活があるしな!」


「まったく、人が好過ぎるんだよ、蟹なんてのは人間と違って頑丈なんだからほっといても大丈夫なんだからよ!」


「蟹たちの頑丈信仰なんなんだよ、困ってたら関係ないだろ。っとまた遅刻しちまうな、あて先は巨蟹神社か、じゃあな!」


 ケイジはバイクを飛ばし、町の中央にある巨蟹山の麓の巨蟹神社にやってきた。


「神主さーん、ご注文のお寿司ですよー!」


 なぜかこの神社には呼び鈴などはないので大声で呼ばないといけないのである。


「おお、ケイジ君、今日も励んどるね」


 神主蟹のマネキさんがシャカシャカとやってきた。


「マネキさん今週で3回目の宅配ですけど贅沢しすぎじゃないですか?」


「寿司は自分で握れんから仕方ないではないか」


「寿司ばかり食べてると甲羅がふにゃるんじゃないですか?」


「そんなことはない、栄養たっぷりの貝を食べることで元気に神事に臨めるのだ!」


「はあ、まあとりあえず、高評価おねがいしますね」


「うむうむ、もちろん星5評価だこれからも頼むよ」


 ケイジは評価を見てうなずき、次の配達に向かおうとしたそのとき、空に紫色の亀裂が奔った。


「なんだありゃ?ワープの失敗かなんかかな?」


 カルキノスは辺境だがたまに銀河連邦中央の艦艇がやってくることもある。とはいえこんな田舎町の上空にワープアウトは珍しい。


 そんなふうに思っていたケイジだったが、その亀裂からは艦艇ではなく小型のドローンのようなものがわらわらと出現した。


「ドローン?なんでそんなものが、しかもすごい数だぞ?」


 そんな疑問を抱いたのも束の間、ドローンから一気にレーザーが照射され町が襲われ始めた!


「嘘だろ!防衛隊なんてこの町にはいねえぞ!」


 ケイジは神社にいるマネキさんを避難させるために神社に戻る。


「マネキさん!バイクで一緒に避難しよう!」


「避難?何を言っとるんだ」


「外の音が聞こえないのかよ!なんかいきなり町が襲撃されてるんだ!」


「なにぃ!」


 マネキは建物からでて外を見回すとあたりの騒然とした様子に驚愕した。


「なんだ、あれは世界の終わりか?」


「そうはならねえよ、カルキノスにだって防衛軍がいるはずだし、こんなに派手にドンパチしてたらそのうち助けが来ると思うし」


 そんなやり取りをしている最中、亀裂からドローンとは違う巨大な恐竜を模したような機械が出てきた。


『我々はヴォイドエフェクター、喜べこの星は虚無への捧げものになることが決まった。大人しく虚無に召されるといい』


 デカイ恐竜メカはよくわからないことを言いだしたが、とりあえずヴォイドエフェクターという名前だけはわかった。


「冗談じゃねえぞ……」


「ヴォイド、虚無……」


「マネキさんどうしたんだ!?」


「ケイジ!ご神体の下くるのだ!」


「え?シェルターか何かあるの?」


「違う!だがこの事態を解決できるかもしれん!」


 ケイジはマネキの勢いに押され、神社にあるカニのご神体の下に向かった。


「無駄にデカいよなこのご神体。」


「ケイジよ!手をかざせ!人とカニが手を取り合うときだ!」


「なんだよそのノリ」


「はやくやれ!!」


 ケイジはしぶしぶ手をかざすと、ご神体から青いスキャン光が放たれた。


「え?これただの像じゃないのか?」


【パイロット承認、コアキャンサー起動】


 バリバリバリ!


 ご神体の石造り部分が崩れ、中から、銀色のメカニカルなカニが姿を現した。


「ええええ!?」


「さあケイジよ!ご神体に乗り込み侵略者を倒すんだ!」


「いや俺宇宙船とか操縦したことねえよ!」


「これは言い伝えによるとカニ用には作られておらんのだ!さあ乗り込め!」


「えーいどうなっても知らねーぞ!」


 ケイジがコアキャンサーに近づくとハッチが開き、コックピットが見えた、確かに二本の腕と足で操縦する感じのコックピットだった。


 コアキャンサーに乗り込みハッチが閉まると、外壁が全て周囲を映すモニターになった。


「うお、凄いなこれ高級宇宙船レベルじゃん」


【パイロットネームを登録してください】


「ケイジ、甲本ケイジだ!」


【登録完了、コアキャンサー、戦闘モード】


「いきなり戦闘モードって動かし方わかんねえ……いやわかるな。なんかわかるぞ」


 操縦桿を握り、一気に空へと飛び出した!


「あの恐竜メカがボスだよな、とっとと退場願うぜ!」


 いっきに恐竜メカへと近づこうとするが、ドローンたちが道を阻む。


「ちょこまかと、シザースバルカン!」


 武装名を叫ぶと、ハサミから高熱エネルギー弾が連射される。


 ズガガーン!


 次々とドローンを撃墜し、恐竜メカへと迫る。


『やはりこの星にも虚無にあらがう愚かな知的生命体が居たか。ヴォイドサウルスの前に虚無へと還るがいい』


 恐竜メカ、ヴォイドサウルスというらしい、が口から黒い渦を纏ったエネルギー弾を放つ。


「そんなちんたらした攻撃当たんねえぜ!砕けろ!」


 シザースバルカンを斉射する。


 ドーーン。


 しかしそこには無傷のヴォイドサウルスの姿があった。


「え?全然効いてないじゃん。どうすんだよ」


【ヴォイド障壁を感知、人型への変形を推奨します】


「なんかよくわからんが変形したらいいんだな!よしチェンジヒューマノイド!」


 ガションガション!


 折りたたまれていた各部が展開し、銀色のカニメカは人型へと変形した!


【推奨武装、シザースブレード】


「よしわかった。シザースブレーーード!」


 肩部分のハサミが合体し、巨大な剣になった。


 ドシャァッ!


 ヴォイドサウルスの紫の障壁を貫き、装甲に傷を入れる。


『なにい!ヴォイド障壁を破っただと、こんなちんけな惑星になんでこんなものが!えーい、ドローンども!融合だ!』


 ヴォイドサウルスに大量のドローンがぶつかり、ヴォイドサウルスは二回り大きくなり両肩には凶悪そうな砲門が付いた。


「で、でけえ、10階建てのビルよりでかいぞ、コアキャンサーで大丈夫なのか?とりあえず殴ろう」


 ガキィーーン!


 シザースブレードが虚しくも弾かれる。


「全然効かねえ!どうすりゃいいんだ!?」


【ヴォイドの増加を確認、シザースキャリアーの出動要請】


「そいつを呼べばいいのか?来い!シザースキャリアー!」


 ケイジが叫ぶと巨蟹山が割れた。


「え、あれ大丈夫なのか?山が割れてるんだが……」


 中から巨大な赤橙の装甲が光るカニが出現する。


「おお、でかい……」


【合体シークエンス、コード、シザースキング】


「合体するの!?わかった!合体!シザースキング!」


『馬鹿め、わざわざ合体を待つと思うのか虚無に還れ!』


 強化ヴォイドサウルスのキャノンがシザースキャリアに直撃する。


 しかし、無傷!


『なにい!?』


 周囲にエネルギーフィールドを発し、展開したシザースキャリアーがコアキャンサーを包み込む。


 ギュウウウイイイイン!


「巨蟹機神シザースキング!」


 そこには美しく茹でられたカニのように赤橙に光る巨大な機神が二本の脚で雄々しく立っていた。


「いくぞヴォイド野郎!キングシザースブレード!」


 コアキャンサーの時よりもさらに大きくなったシザースブレードを構える。


「シザース・インフィニティ・ブレイク!」


 剣にエネルギーを集中し一気に強化ヴォイドサウルスにぶつけた。


 ズゴーーーーーン!!!


『馬鹿な!こうも容易くヴォイドサウルスがやられるとは、大帝に報告せねば!この星は一筋縄ではいかぬと!』


 ヴォイドサウルスを倒すと空の亀裂は閉じ、巨蟹町にはまた平穏な時間が戻ってきた。


 だがヴォイドエフェクターの侵略はまだ始まったばかり、戦え!ケイジ!戦えシザースキング!

 

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