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マンションスキルがあるので廃籍されても構いません  作者: 風と空
第三部 ゼリース国編

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上映時間は?

『突然ですが!二番機ドウーワに代わって一番機サトゥが解説します!まずはこちらの映像をご覧下さい!』


 あ、画面がまた輸送機からの空の映像に戻ったね。


『見て下さい!ダノン様です!そう、宙にダノン様が浮いています!我らも驚いたのですが、突然飛竜から飛び降りたダノン様!落ちるどころかずっと浮いているんです!!』


 サトゥさんかなり興奮してる。それもそっか、あり得ない映像だもんね。


 それにしても、良かった!上手く起動しているみたいで。


 って、ごめんごめん。皆は何の事って思うよね?今サトゥさんが説明してくれると思うんだけど……


『それは何故か!?驚くことなかれ!我らに届いた資料によると、これもマンションセキュリティシステムの魔道剣の一つ!その名も[魔導ジェットブーツ(スケート靴型)]!


 あ、因みにスケートというのは氷の上を刃のついた靴で滑る運動の事ですね!』


 サトゥさんがスケートについて解説していると、どっから画像を持ってきたのかスケートをする少年少女の映像が流れたんだけど……どうやらフェイが映像協力をしたらしい。


 フェイってば何やってんの……と呆れていると、映像では戦場で空中移動するダノン父様の姿が!


 『まるで空中を滑るように移動が出来、靴刃に触れると一時間は強制的に痙攣するという脅威的武具!しかもその後1か月は突然におきる痙攣に悩まされるという厄介なもの!


 ですが———決まったあああああああ!!!ダノン様の踵落とし!流石の飛竜もこれはたまらない!!!』


「「「「「えええええええ!!!?」」」」」


 サトゥさんの解説と共に驚愕の叫びを上げる領民の皆さん。


 見事な空中スケーティングを披露し、高速で飛竜に近づきジャンプをしたかと思うと、そのまま飛竜の頭へとクリーンヒットさせたダノン父様。


 ……えっと、飛竜の墜落によって乗っている騎士の人も踊りながら落ちて行ったよ……なんだこれ?


『流石は身体能力が化け物並みのダノン様!初めての魔導具も即座に対応し見事に使いこなしています!!!よっしゃ!これで三匹目!』


 ひゃあああ!ダノン父様ってば、第二陣の飛竜もガンガン倒して行く!凄い!


『クアアアアアアアアアアアッッ!』


『おおっとぉ!ここで飛竜も攻撃に出たああああ!鳴き声で地上の太鼓の音の効果を消した様子!騎乗の騎士も地上部隊も自由に動けるようになってしまったあああ!』


 うわっ!飛竜の声ってこんな事も出来るんだ!


『おお!すかさず動いたのは、やはりダノン様!2度目の魔導重力扇が炸裂ぅうううう!!!残りの飛竜に加え地上部隊も地面に埋まったああああ!』


「遊んでるな」

「遊んでるわね」


 ダノン父様の本気を知っているボルグド殿下とミルリック王子。冷静にボソっとコメントしてるけど……うん、確かにダノン父様めちゃくちゃ余裕っぽいんだよねぇ。


『はい、こちら第二機担当ドウーワです!上空からの攻撃と墜落してきた飛竜に巻き込まれてゼリース国軍から悲鳴と叫び声が上がる中、まだまだ人数で勝るゼリース国軍が雄叫びと共に向かってきます!どうやら洗脳状態が未だ続いている様子!』


 ドウーワさんの解説に戻ると地上での悲惨な現場とともに、それすらも乗り越えて雄叫びをあげてこちらに向かってくるゼリース国軍の様子が映し出されたんだ。


 そして、迎え打つ辺境伯軍の映像に切り替わったけど……あ!フレディさん太鼓形態から魔導剣に戻しているね。


 って、ちょっと待って……!?ポーターさんを始め、残りの自警団員が装備しているのって———


『さあ、ようやく出番の魔導スリッパ部隊!マンションではお馴染みのスリッパ!


 皆さんは馴染みがないでしょうが、自分の時間や寛ぎたい時の必需品です!また貴族と騎士の呪い(水虫)の予防にも最適なもの!詳しくはアーケード商店街にてお問い合わせ下さい!』


「必要かしら?この商品説明」

「あれも武器になるのか……!」


 ミルリック王子は冷静にツッコミ入れているし、ボルグド殿下はスリッパが出てきた事に呆れているね。


 でも気持ちわかる……!僕もこれ出てきた時にツッコミ入れたもん。とはいえ、これスリッパであってもスリッパじゃないからなぁ。


『さあ、混戦状態になった地上戦!スリッパ部隊の後に雄叫びをあげて続く辺境伯軍!我が辺境伯軍の精鋭達にも[保険]がかかっているからこそ気合いが違います!』


 ……うーん。辺境伯軍の皆さんは通常の武器だから相手の剣を受け止めるのはわかるけど、トイレの緑色スリッパが剣を弾くのは絵面がおかしいよねぇ。


 しかも、スリッパで攻撃された人達がバタバタ倒れてるって事は……うわぁ、ご愁傷様……!


 ん?なんでそう思ったのかって?それもドウーワさんが説明してくれているね。


『凄い、凄い!スリッパ部隊が人数差をものともせず道を切り開いていきます!そして後に残されるのは苦悶の表情で呻く敵兵達!


 それもそのはず!何せ魔導スリッパの正式名称は[魔導スリッパ(悪夢版])!


 魔導スリッパ自体にも物理攻撃無効が付帯されていますが、魔導スリッパに叩かれると強制睡眠状態にされ夢の中で最悪の悪夢が繰り広げられるという精神を病ませる魔導具!!!


 いやあ……あれもまた、かなりえげつない武器ですねぇ……スリッパ部隊が通った後は地獄が待っています!』


「……アラタちゃん。貴方、一体どこを目指しているのかしら?」


「ええと……お笑い系ではない筈です……?」


「ブハッ!スキル所持者も疑問なのかよ」


 映像を見て頬に手を当てながら首を傾げるミルリック王子に、乾いた笑いで答える僕。


 そんな僕にツッコミを入れるボルグド殿下はもはやワハハと笑いながら楽しんでいたけどね。


 因みに、ドウーワさんも魔導ジェットブーツを履いているんだよ。フェイが地上の実況しやすいように装備させたみたい。


 だからこそドウーワさんも遠くも見渡せる訳で———


『おおっとぉ!ゼリース国軍後方で飛ばされる兵士達の姿が見えます!恐らくダノン様でしょう!一番機、後方ズームアップ出来るでしょうか?』


 ググググッと画面が後方に近づいていくと、見えてきたのは剣を振るうダノン父様。魔導重力扇を魔道剣に戻して戦っているみたいだね。


『おおおおお!!!見て下さい!ダノン様は剣を振っているだけで敵を蹴散らしています!なんと凄まじい風圧を作り出しているのでしょう!!!正に敵が紙屑のようだ!』


 ドウーワさんの熱意溢れるリポートに乗せられて、「「「うおおおおお!」」」」「「「ダノン様ー!」」」」と熱い声援が会場の領民達から飛び交ってる。


 老若男女から人気あるんだなぁ、ダノン父様。


「っっかー!ダノンの奴、思いっきり遊べて羨ましいぜ!俺も戦いたかった……!」


 一方で、僕の隣で映像に映る戦うダノン父様を心底悔しそうに見ているボルグド殿下。


 ……この人はダノン父様と同類だからなぁ。うん、後でマンションのダンジョンで発散してもらおう。


 なんて思っていたら戦況が動いたみたいだ。


『え?!どうした事でしょう???魔導スリッパ部隊と辺境伯軍が後退していきます!』


 領民達も戦況が優勢だったが為に疑問に思ったんだろうね。「「「えええ?」」」「「「何で?」」」って声があちこちから上がっているけど……アレ使うんだろうなぁ。


『後退する辺境伯軍に更に追い討ちをかけようとするゼリース国軍!!!さっきまでの勢いはどうしたのか!?———いや!違う!これは囲っているのか!?』


やっぱり!よく見ると四方に辺境伯軍騎士が居るし。

 

『うおっ!ゼリース国軍が居る地面が光った!!!と、いう事はこれは仕込んでいた魔法陣[トリモチ君]!!!』


あー……見事に敵陣営が引っかかってくれたみたい。


「くはぁ!アレ、かなり粘着力高いんじゃね?もがけばもがく程全身に絡みつくとはなぁ」


「あら、また面白い物あるじゃない。———フェイちゃん、ちょっと良いかしら?」


[魔法陣トリモチ君]を興味深く観察するボルグド殿下。なんか考え込んでいるみたいだけど……防衛にでも使うのかなぁ?ミルリック王子に至っては即実用化しそうだけどね。


『こーれはゼリース国軍動けない!!!何せ、前方には魔導スリッパ部隊と辺境伯軍!後方には我が国最大戦力のダノン様!足元は強力な粘着力を持つトリモチ君!


 難を逃れた敵兵も僅かにいますが、我が国軍圧倒的な力に最早勝敗は決まったような物です!!!』


 ドウーワさんの早々とした勝利宣言に「「「おおおおおおお!!!」」」と領民達の雄叫びが会場内に響き渡ったんだ。


 実際、第一機のサトゥさんの映像に移り代わって全体を見渡すと、残党を残すのみって感じだったし。


 ———その後、最後の敵兵をトリモチ君に投げ入れ、ダノン父様が最高指揮官だったゼリース国第二王子を拘束。


 辺境伯領軍対飛竜戦は、辺境伯領軍の勝鬨の声をもって終結したんだ。


 勿論、エンディングまで撮影班はしっかり編集しててね。


 ダノン父様やフレディさんやポーターさん始め魔導スリッパ部隊や辺境伯領軍の戦いを曲付きで感動的に編集してたもんだから、終わった途端の会場の熱気が凄かったなぁ。


 え?上映時間?


 えっと、一時間以内って言っておくよ。

アクセスありがとうございます♪

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