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マンションスキルがあるので廃籍されても構いません  作者: 風と空
第三部 ゼリース国編

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対飛竜戦慰労会 

予約し忘れましたm(__)m

『本日アーケード商店街は全品半額セール中!』

『やったぜ!迎撃成功記念!騎士様食べ放題実施中!』

『立ち上がれ!辺境伯領民!』

『実録!辺境伯領軍対飛竜戦!各会場にてまもなく開幕!』

『男女一組で挑戦!商店街スタンプラリー開催中!』


 

 うわぁ……!凄い熱気だなぁ。


 辺境伯領に設置された『グッドライフシティ藤泉』型分譲マンション……うん、長いから後で領民に名前募集しよう。今は臨時でスティール家分譲マンションでいっか。


 で、そのスティール家分譲マンションのアーケード商店街に、今僕とフェイとゲンデがいるんだけどね。


 横断幕があちこちに掲げられて賑やかな雰囲気だし、僕のマンションから出張店舗も多く出店されているからすっごい活気があるんだ。


「しっかし……なんだこのすたんぷらりーって?」


 大勢の人が通路いっぱいに溢れる中、入り口で渡された紙を見て首を傾げるゲンデ。


「あー、それね。ほら裏のアーケード商店街の地図見て。丸がついているお店でスタッフから言われた任務を果たすと押し印が貰えてね。全部集めると、アーケード商店街で使える商品券銀貨1枚(1000円相当)分が貰えるってものなんだ。これってフェイが提案したんだっけ?」


「いえ。これは商店街会長AIが提案したものですね」


「あ?商店街会長AIって精肉店の親父だろ?あの親父がこんなの考えるかぁ?」


「あ、わかった!奥さんAIでしょう?あの情報通の奥さんなら思い付きそう!」


「マスター、正解です」


 なんて、たわいもない会話をしながらアーケード商店街を歩いていたら、だんだん人にぶつかりそうなほど混んできてね。


 フェイによると、こんなに辺境伯領民が集まるのも久しぶりらしくてみんなが心から楽しんでいる姿が見えるんだけど……楽しんでいるのは領民だけじゃなくてね———


 「おいおいおいおい!なんだよ、この店!グエル、ちょっと寄るぞ!」


 あー……やっぱりあの後ろ姿ボルグド殿下だった。グエルさんと来てたんだね。


 ん?ボルグド殿下が入った店が気になる?んじゃ、ちょっと見てみよっか?


「くっはー!こんなに種類があるんじゃ選べねえ!」


「殿下……ほどほどにしてくださいよ?」


「わーかってるって、グエル!つか、ジオラマキットがこんなに種類あんのか!?」


「殿下、まだ手をつけていない物もいっぱいあるんですからね?って、殿下?聞いてますか?」


 グエルさんが殿下に注意をするも、もはや聞く耳持たずの殿下。それもそのはず、ここは商店街の中でも異色のプラモデル屋さんなんだ。


 でもプラモデル屋ってなかっただろ?って思う君は正解!だってここのお店、タワーマンション地下専門店街からの出張店舗なんだ。


 そして、ボルグド殿下が夢中になっているって事は……そう、宇宙大戦争のプラモデル。だけど異世界で知名度はゼロだし、需要が無いと思うでしょう?


 そこは殿下がここ二週間で布教活動していたからねぇ。


 以前僕が殿下にプレゼントしたホームシアターセットと同じ性能のものを、タワーマンション地下専門店街の家電量販店(家電は魔導具になって魔石が動力になる)で購入して辺境伯領の冒険者ギルドに何台か寄付してたんだって。


 避難領民達の憩いになればって気遣いはいいけど……殿下だからねぇ。渡した映画は偏っていたわけで。


 そもそも戦争で疲弊した領民に見せる物じゃないと思ったら、意外にもウケてね?特に騎士達や冒険者達男性陣が熱中するようになったんだ。あ、女性にはプリンセス物語がウケてたよ。


 だから知名度は一定数あるし、きっちり初心者にもわかるように説明書付きだから安心のマンション仕様。


 でもって、店頭の大画面TVで大音量で今も映画を流しているからね。多くの人が集まってきて立ち止まるから店に入る方が困難な状態なんだ。


 グエルさんに執務時間との関係上一つだけと許可を貰った殿下が「これは!いや待て、こっちも捨てがたい……!」と悩む姿に、これはしばらくかかりそうだなぁ……と思った僕。


 まあ、後で二階の多目的大部屋で集合の話をしているし、他を見て回ろうかな。


 そう思った僕は、ゲンデとフェイに守られながらもうんしょ、うんしょと人をかき分けてプラモデル屋を出るとね。


「小遣い幾ら貰った?」

「昨日頑張ったから銅貨5枚(500円)!」

「くっそー!いいなぁ!でも俺も今日は銅貨3枚(300円)貰えたし、梅婆のところなら結構買えるだろ!」


 僕の目の前をお金を握りしめて走って行く辺境伯領の子供達の姿があったんだ。その子供達が向かう先は、子供達に大人気の駄菓子屋さん。


 ここはね、セレナ母様にプレゼンしてスティール分譲マンションの常駐店にして貰ったんだよ。


 だって、小さな子供達にも色んな種類のお菓子がお小遣いで買えるあのワクワク感を味わって欲しかったんだ。


 勿論駄菓子屋の本店は、スキル内のグッドライフシティ藤泉のアーケード商店街にあるよ。『駄菓子屋ガキ大将』は僕のお気に入りのお店。


 で、スタッフAIは婆ちゃん姿の桜婆。通称さっちゃん。自警団家族にも慕われていてね。口調は厳しいけど優しい昔ながらの駄菓子屋の婆ちゃんそのもの。


 因みに、スティール分譲マンションに出店しているのは、さっちゃんの妹AIの梅婆。通称うめちゃん。どうやら早速地元民に受け入れられているんだね。


 チラッと店先を見ると、鉄貨1枚(10円相当)からの飴やガムやクジ引きやチョコやお餅や珍味がぎっちりあって、子供達が笑顔で色々選んでいたよ。


 あ、ヨーグルトだけどヨーグルトじゃないお菓子もある!あれなんでか買っちゃうんだよね。


「やった!当たった!」「梅婆、これちょうだい!」「あー、ハズレた!」「おいしーい!」「あまーい!」「くっそ!もう一回だ!」


「ほれほれ、あんたは一鉄貨多いよ。ほれハズレの景品はガムだよ、持ってけ。コラ!!!金払う前に開けんじゃないよ!」


 ありゃ、梅ちゃんの雷落ちちゃったか。でも、子供達にとってこれも大事な経験になるもんね。うんうん、やっぱり商店街っていったら駄菓子屋がなくちゃね。


「おー、梅ちゃん今日も元気だ。ってか、アラタ……あれミルリック王子じゃね?」


 僕がほのぼのと駄菓子屋の様子を見てたら、どうやらゲンデがミルリック王子を見つけたみたいだね。えっと、どれどれ?


「かーわーいーい!何これ、何これ!」


「ミルリック王子……買いすぎでは?」


「何言ってるの!この生地でこの値段よ?あり得ないわ!今よ!今買わないと!」


「いえ、貴方様は財布なんて使わないでしょうに……」


「何よぉ〜いいじゃない。あらぁ、いいバッグがあるわぁ!」


 あー、呉服屋もミルリック王子の琴線に触れたんだね。着物生地の小物達って女性に人気で可愛いもんね。


 ん?ミルリック王子は男性だろって?……まあ、ミルリック王子は特殊枠だからねぇ。


 因みに、この呉服屋越後もタワーマンション専門店街からの出張店舗だよ。最近専門店街に入ったばっかりだから、ここに宣伝がてら出店していたみたいだね。


 あーあー……エルガさんのカゴの中が凄い事になってるよ。これはミルリック王子も時間まで買い物させた方が良いかな?


 そう思った僕は声もかけずに通りすぎて行ったんだけどね。


「アラタちゃん!後でねー!」


 あ、見つかってた。とりあえず手を振っておこう。それにしても騎士さん達も私服で楽しんでいるみたいだなぁ。帯剣はしてるから分かりやすいし。


 ストロワとレナちゃんも発見!今日もいっぱいワンコAI連れてるし、みんな微笑ましい表情で見守っているなぁ。


 って、前方に人だかりがあると思ったら、あの後ろ姿はダノン父様?


「おおおおおおおお!」


「ぐあっっっ!!!」


 ダンッ!!!!


「勝者!ダノン様!」


 歓声と共に腕を抑えて痛がる騎士さんの姿が見えるけど……?


「あっちゃあ……ダノン様に腕相撲大会見つかったか」


「何?ゲンデが提案したものだったの?」


「ああ。自警団の奴らと居酒屋の親父AIに掛け合ってさ。勝者にはビール一杯が与えられるようにしたんだけど……アラタ、頼むわ。ダノン様に一緒に行くように声かけてくれないか?」


「あー、うん。そうだね……ダノン父様ってばこういうの見たらやらずにはいられないもんね……」


 楽しそうに道行く騎士さん達を捕まえて屍を作って行くダノン父様に声をかけて、連れて行く事に成功した僕ら。


 そんな僕らの後ろ姿に騎士さん達から熱烈なありがとうコールが送られて来たけど、当の本人は楽しかったのかもうちょっとやりたかったみたいだね。


「ふむ……時間だから致し方ないが……」


「ダノン様、ジムが新たなトレーニングフィールドを設置したそうです。挨拶が終わり次第其方でお力を試してみてはいかがでしょう?」


「おお!そうか!ならば挨拶はサッサと済ませんとな!」


 フェイのナイスな機転によりダノン父様の機嫌はすぐに回復。今日はお目付け役のセレナ母様とエイダンは領地の仕事で来れなかったからね。よくやった!フェイ!


 そういえば挨拶ってなんの事って思うよね。


 実は『実録!辺境伯軍対飛竜戦!』の上映会の挨拶なんだ。この勝利の立役者のダノン父様の姿を一目見たいって領民から声が上がっていてね。


 それで今日はダノン父様直々に領民に声をかける挨拶の機会を設けたんだって。


 とはいえ……スティール分譲マンションの独立共用棟の二階に領民が全員入る訳もなく、アーケード商店街に大型TVを設置したり各棟のエントランスにある大型TVと繋いだりと結構大掛かりになったんだけどね。


 その事をフェイから説明を受けたダノン父様がボソっと言った一言がコレ。


「空飛ぶトカゲを排除しただけだが……?皆は大袈裟だな」


 ……ダノン父様。それは貴方だから言えるんですって。いや、もしかしたらもう一人、同じような事を言いそうな人が居たなぁ……


 少し遠い目をする僕の後ろで「おいおい……マジか?」とドン引きしていたゲンデの声も聞こえたけどね。


『今回のマンションセキュリティシステムも絶好調でしたから』


 フェイに至っては念話で自慢気に僕に語ってくるし。


 ……うん。僕の周りには規格外の人達が多い上に僕のスキルもあるからなぁ。


 あ!そういえば、今回のダノン父様が使ったのはまた変わったものだったんだよ。


 ヒントは夏に使う物。


 答え合わせは次回の上映会まで持ち越しだね。……多分、みんなの予想通りだと思うよ?


遅れてすみません!

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