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『カツカツカツ……!』
スクリーン画面から聞こえて来たブーツの足音。
映し出されたのは、黒に金の装飾が付いたジャケットに白のズボンと黒のニーハイブーツ姿の女性騎士さん達。
先頭を歩いて来るのは……あれはダルクさん?
「流石ダルクさんですね。女性騎士団専用の制服をドルマン式軍服にするとは……!」
なんか後ろでフェイがダルクさん達の服装に感心しているけど、みんなはドルマン式軍服って何?って思うでしょ?
フェイに後で聞いたら、僕の前世の日本では肋骨服で知られる軍服なんだって。
胴体前面に横向きの飾紐が複数本付くデザインのもので、横向きの飾紐が丁度あばら骨のように見えることからそう言われるようになったらしいよ。
……そういえば、この間(45話)女性騎士団の制服を変えるとか言ってたっけ。
でもさ。黒の軍帽と腰に帯剣までは良いとして、何故鞭を全員手に持っているのかな?
僕がそう思っていたら、少し興奮気味なリポーターのリーマさんの声が聞こえて来たよ。
『颯爽と現れたのは女性騎士団員の皆さんですね!指導者のダルク様と隊長のノビア様に参謀のパトラ様です!ああ……!本日も皆様麗しいです!ジム教官、女性騎士団員の皆様が持つ鞭もマンション製で間違いないでしょうか?』
『ああ、そうだ!あれは恐ろしい魔導鞭[正座]バージョン!身体の一部でも打たれたら強制的に正座の姿勢になり、そのまま二時間経過しないと解けないと言うものだ……!
その後まともに動くにはかなりの時間がかかるが、鞭を打たれたいという後遺症がつくと言う怖さがある。だから使うにあたって気をつけねばならないが……』
『あら。私達は無闇にこれを使ってはおりませんわ?』
『はうあっ!パトラ様!』
『ああ。これは女性を害し、領民を虐げた馬鹿どもにしか使ってはいない』
『ああっ!ノビア様本日も凛々しいお姿で……!』
……えっと、このリーマさんって女性騎士団のファンらしいよ?ちょっと残念な姿を見せているけど……うん。気にしないであげよう。
『それよりもまた馬鹿が出たとか?』
カツカツカツ……と先ほどポーターさん達自警団が捉えた敵兵や騎士達を睨むダルクさん。
敵兵や騎士達が口汚い言葉を使ってダルクさんに向かって騒いでいると、ヒュッと風を切る音がしてビシィッッッ!!!と地面を打ち叩く音が響いたんだ。
これには敵兵士や騎士達も一瞬で静かになったね。
『お前ら……!どれだけクズなんだ!!この方は[破軍のダルク]様だ!戦いに身を置くものならばこの名を知らぬ者はいまい!!!……もし知らぬならば、1番弟子の名にかけてその凄さ、たっっっぷりと時間をかけて教えてやろう……!』
うわぁ、ノビアさんを怒らせちゃったよ……!
地面にパシンパシンと鞭を打ちつけて歩く姿は迫力満点……!綺麗な人だからこそより凄みが伝わって来るね……!
「あらぁ、ウチに欲しい人材ねぇ」
呑気に紅茶を飲みながら怖い事言わないで下さいよ、ミルリック王子。実際似合いそうなんだから……!
『はああああ!ノビア様の怒気が素晴らしい!あの野郎どもには勿体ないですね!ここは一つ、私が奴らを———『甘い』ってえ?』
スクリーン画面では、リーマさんがリポートしつつピコピコハンマーを構えた瞬間ヒュヒュヒュヒュンッと風を切る音が横切ったんだ。
すると、罵っていた敵兵達が全員正座になり全く動けない状態になったんだ!凄いっ!僕、鞭が全く見えなかったよ!
『私達が制裁を加えるのではありません。ノビア、周りをご覧なさい』
そう、鞭を振るったのはダルクさんなんだ。そしてダルクさんが言うようにドローンが周りを映していると、隠れていた住民達が姿を見せていたんだよ。
『馬鹿の代償はきっちり刈り取らせましょう。———彼らに』
そう言ってノビアさんの肩をポンと叩き、街の巡回へと戻っていった女性騎士団の三人。
颯爽とした後ろ姿には、僕もダルク様って言いたくなったよ。いや、リーマさんは惚れ惚れとした声で言ってたっけ。
その後の映像には、被害住民達により石を投げられる敵兵士や騎士達の姿があったよ。領民の怒りは領民自身に晴らさせたんだね。
勿論、敵兵達はきっちり二時間後に派遣自警団によって拘束されてたけどね。話を聞くとかなりボロボロにされたみたいだよ。
そんな敵兵達の姿が街中のあちこちで見られたらしいけど……女性騎士団員さん達は仕事が済むと、今度はギルド内で住民のケアに当たったみたいだね。
女性だからこそ出来る気遣いってやつかな。安心して涙を流す人や、抱きつく住民女性が多数出ていたんだ。
ファンクラブが出来そうな雰囲気だったからねぇ。うん、なんか気持ちわかるなぁ。
……って言うか、リーマさん達撮影班は女性自警団員の皆さんを映していて、ポーター部隊の様子を撮ってないんだけど?
え?ポーター部隊と派遣自警団員のおかげで、街中の掃討は済んだって?そっか。良かった、良かった!
「マスター、どうやらダノン様がゼリアを連れてマンションに戻って来たそうです。特殊牢に入れているそうですが……どうしますか?」
どうやら、マンションに待機していたジムがダノン父様と合流して、念話でフェイに伝えて来たみたいだね。
「———うん。顔を出そうかな」
多分、ダノン父様は僕に会わせる為に連れて来たんだろうし。
そう思って席を立ったら、両隣のミルリック王子とエイダンも一緒に立ち上がったんだ。
「アラタちゃんの実のお兄ちゃんでしょう?ちゃーんと挨拶しておかなきゃねぇ」
「僕もアラタの家族として立ち会おう」
ミルリック王子とエイダンの笑顔が、何やら怖いのは気のせいかな?
でも……心強いね。以前のディゼルはゼリア兄さんが苦手だったらしいからね。身体がちょっと重かったんだよ。
まずは、ゼリア兄さん……いや、ゼリアとの決別をしっかり済ませておかないと!
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