ロイヤルファミリーをロイヤルパレスにご案内 1
———そして、ロイヤルパレスの案内の当日を迎えた訳だけど。
今、僕の目の前で王様以外のロイヤルファミリーが集結しているんだ。
場所は王宮の広間で、魔力登録したメイドさんや従者さん騎士さん達も控えているからね。
勿論、全員にフェイのチェックが入っているよ。なんか数人はフェイによって外されたみたいだけどね。
どうやら、王族の敵対派閥の貴族の縁者だったらしくて、王家の最近の動きをつかもうとしていたみたい。……やっぱり国は一枚岩じゃないんだねぇ。
おかげでパライバトル王様が犠牲?になって、今回の『マンション』訪問は王様のみ延期。その王様曰く……
「アラタ君!馬鹿の掃除をしてくるから!皆と一緒に回れないの悔しいが、私も後から必ず行くから!」
とまあ、僕に対してもはやフランクな態度になった王様。
普段は威厳たっぷりだけど、蓋を開けたら家族愛に溢れた一家の頭って感じだったんだよ。うん、やっぱり殿下のお父さんって感じだね。
で、意外だった人がもう一人……
「へえ……!凄いわね……!ここがメインエントランスなのね。ここでも十分に装飾が凝っているのに、更に上があるって言うの……?」
『マンション』の入り口を大広間に設置して、王族をまず案内したんだけどね。中に入った途端に口調が変わったのがミルリック王子。
「兄上……早速かよ」
「何よう!ボルグドだってここで伸び伸びすごしているんでしょう?私だって伸び伸びしたいわよ!」
なんとミルリック王子はオネエ口調だったんだよ……!
綺麗な物好き、可愛い物好き、ファッションやインテリアもデザインするのが好きなのが暴走?して、趣味が合う女性と気楽に話せるように女性言葉にしていたのが身についてしまったみたいなんだ。
「あー……アラタ君。悪いね、うちの弟達が。特にミルリックが張り切ってしまってね。あんなでも仕事は出来るし、女性が好きな普通の感覚も持っているから心配しないで」
こちらは優しい雰囲気のサンタリア王子。ニコニコしていてすぐ打ち解けられた人なんだ。
でもさ、この間の打ち合わせの時……
「アラタ!騙されるな!1番油断出来ねえのがサンタリア兄上だ!」
「ボルグド?何か言いたい事があればはっきり言ってご覧」
「グゥッ……アニウエハスバラシイヒトデス」
何故片言?と思いつつ、フェイが念話で補足してくれたけど。
『笑顔の下にかなりの策略を忍ばせるタイプですね。ですが、家族と同様にマスターには自然体でいるようです。ご安心下さい』
いやいや……それって怒らせたら1番怖い人だよね?……気をつけようっと。
「ふふふ。皆、浮かれてますわね」
「そうですわね、お義母様。でも気持ちわかりますわ!だってこんなにワクワクするのは久しぶりですもの」
穏やかな笑顔で家族を見守るのはスウィート王妃様。その隣で少女のように両手で頬を押さえて喜んでいるのはアーガイル王太子妃様だね。
二人ともとっても綺麗で女性らしくて、いるだけで華があるって感じだね。あ、勿論セレナ母様やレナちゃんもだよ!
「お姉様。ここは優しい雰囲気がします」
「そうね、王宮よりも気持ちが落ち着くわ」
そして、王妃様と王太子妃様の隣で、ほのぼの姉弟の声が聞こえてきたでしょう?
王太子妃様の子供で長女のティニア王女(11)とトレイア王子(7)が手を繋いでエントランスの様子を見ていたんだ。
ボルグド殿下によれば、この二人もきちんと魔導契約済みなんだって。幼いのに自分で頷いたんだから、王家の教育は凄いよねぇ。
それに、王太子と王太子妃の子供達だから当然美形だし可愛いんだよ。だけど、ティニア王女はどうやらすごく人見知りらしくて……
「気に入ってもらえて嬉しいです」
「!!」
僕が声を掛けに行くと、カチンと固まっちゃうんだよ……。僕、これでも優しく言っているんだけどなぁ。
「お姉様は今日とても楽しみにしていたんです。勿論僕も」
それでトレイア王子がニコニコフォローしてくれるって感じ。うん、この子賢いなぁ。
そんな感じで王族の皆さんに声を掛けていたら、メイドさんや従者さん騎士さんも勢揃いしたみたいだから、そろそろ移動かな?
結構大所帯での移動になるけど、実は数人の騎士さんやメイドさんは既にロイヤルパレス入りしているんだよね。
今いるのは専属メイドさんや従者さんだったり騎士さん達なんだ。すっごく驚いているみたいだけどね。
その様子を辺境伯家の騎士さん達が微笑ましいように見ているよ。ちょっと前の自分達を見ている感じだろうなぁ。
あ、そうそう。今回、王家も本契約した事によって、使用人さん達がちょっと困っていたらしく、投書箱にこんな手紙が入ってたんだ。
『[マンション]の本扉は、今後何処に設置されるのでしょうか?』
これは匿名だったけど、フェイ曰く辺境伯家の使用人達と殿下専属騎士達の総意だったんだって。
それでね……どうしようか?と考えていると、管理画面に追加されたものがあってね。
『【管理画面】
マンション名 : リュクスマンション藤
入居者数 140
本契約者数 14
投書箱 設置済み
申し込み状況 本契約 3名
駐車場契約 5
サブエントランスキー保持者
1・セラ/カエラ
2・スレッド/シェイン
3・ポーター/フレディ
共有設備 鍵保有者
会議室 1 ボルグド・ウェルダント
会議室 2 ダノン・スティール
会議室 3 ブライアン
[設備状況]
照明 異常無し
エレベーター 異常無し
エントランス自動ドア 魔力認証装置作動中
消防設備 【保険】常時作動中
魔導分電盤 異常無し
24時間ゴミ箱 各階作動中
[追加可能施設]
マンション診療所 規定居住者数 残り70名
カルチャールーム 規定居住者数 残り50名
マンション警備隊施設 規定魔力登録者数 残り騎士30名
エステティックサロン 設置可能
図書室 設置可能
増改築 可能
ワーキングフロア 設置可能 』
色々気付いた事があると思うけど、まずは[サブエントランスキー]について説明するね。
[サブエントランスキー]は、本契約の[エントランスキー]と違って、ただこの『マンション』に繋ぐ入り口を出し入れ出来る鍵なんだ。
そして、この所有者は魔力登録者の中で『マンション』や僕が認定した人物。
実際は、僕がよく関わる人ってだけなんだけど。
でもね、二人一組で一年間しっかり務めを果たすと、本契約時に僕の信頼度プラス30%offクーポンが発行されるんだって。
どうやら[サブエントランスキー]には数に限りはないけど、まずは魔力登録した上で『マンション』に対する信頼度(僕自身がその人を認知する度合い)を上げなくちゃいけないから、そんなに数は発行されないけどね。
これを各上司から伝えて貰った時は、投書箱に喜びの声がすぐ届いたよ。
『マジで……!マジで、ありがとうございます!きっちり果たさせて貰いますぅぅぅ(涙)! スレッド』
『馬鹿スレッドと一緒とは……!しっかりスレッドを抑えてさせて貰います。 シェイン←俺の言葉だろうが!(スレッド)』
『セラさんと協力して、しっかり果たさせて貰います!目指せ!スカイラウンジ・蒼のケーキバイキング! カエラ』
『その信頼にお応えするよう鋭意努力致します。 ポーター/フレディ』
……なんか、書いている状況が目に浮かぶよねぇ。
殿下付きの騎士スレッドさんとシェインさんは、もうお馴染みの騎士だし。
辺境伯家メイドのお菓子大好きカエラさんは、よくスーパーで見かけるし。
辺境伯家騎士のポーターさんフレディさんは、真面目な青年そのもので信頼出来るからね。セラさんからは直接お礼言われたよ。
これでしばらくは王宮の一室を借りて、入り口設置する事になるかなぁ。
ん?スティール家はどうするんだ?って?
しばらくは、フィッセル邸に滞在しているように見せかけるらしいよ。使用人さん達や騎士達の兼ね合いがあるからね。
あ、ついでにこんな告示を掲示板に出してみたんだ。
『緊急告知!
待望の『マンション』自警団設立予定!
当『マンション』は、『マンション』に滞在する住民達の安全を更に保証する為に、『マンション自警団』を設立することを決定致しました。
我こそは!という方は各上司に了承を得た後に、1F掲示板横の募集用紙にご記入の上で、投書箱にご投函願います。
募集資格要項
・『マンション』に魔力登録済み、もしくは本契約済みの騎士経験者。年齢問わず。
・[専属]/[派遣]を必ず選択して下さい。
↓
*[専属] 『マンション』に常駐出来る方。
募集人数 15名
待遇・月給 基本金貨26(26万円相当)枚 能力・昇給制度有り
・自警団専用部屋(20畳の1DK/世帯持ち専用20畳の2DK)をご用意!
・スーパーマーケット専用全品半額クーポン券(一年間有効)か、ダイニングキッチン・新の年間半額クーポン券を発行致します。
*[派遣]決められた日数のみ常駐できる方。
1日からご相談承ります。
募集人数 5名
待遇・日給 金貨2枚
・ダイニングキッチン・新の月間半額クーポン券かダイニングBAR・緋の月間半額クーポン券発行。
申し込み多数の場合、フィットネスジムの仮想体験空間のランキング上位者を採用致します。
皆様の応募お待ちしております。
快適空間を演出する
リュクスマンション・藤 』
こんな感じなんだけど、どうかな?
ゲンデ曰く、「こりゃ血を見るぞ……!」って言ってたけど、そんなに来てくれるかなぁ?来てくれたら嬉しいけどね。
「皆様、お待たせ致しました。では、これよりマンションコンシェルジュである私、フェイが当マンションの最高峰、ロイヤルパレスにご案内致します」
あ、フェイが動いたね。それじゃ、僕も行かないと!
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