呪いの味と、Dカップの招待状
『探偵は胸を揉む:偽りの依頼人』最終幕より
山荘に引きこもっていた俺、久我奏太の元を、アオイが訪れた。彼女の目は、以前の怯えを消し去り、強い意志を宿していた。その手には、手作りの温かいクッキー。
アオイの言葉は、俺の胸の奥深くにある凍りついた湖に、一滴の温かい水が落ちたかのように、じんわりと心に沁み込んでいった。彼女は、俺の能力(呪い)を光として受け入れ、自らの裸体を差し出すという、究極の試練を俺に与えた。俺は、その体の「呪い」ではなく、彼女の心の「光」を信じ、理性で能力を抑え込むという、ほんの少しの希望を選んだ。
アオイは微笑み、山を降りていった。俺は、彼女がくれた温かいクッキーを手に、孤独な道は終わりだと確信した。
俺はクッキーを一口かじり、ペンを走らせた。その甘さと温かさが、俺の心を溶かしていくようだった。
「ユウキ、お前が残した謎は、まだ終わってない。お前の次の“依頼”は、何だ?」
クッキーをかじったその瞬間、喉の奥で、鉄錆を噛んだような強烈な苦味が弾けた。
「…なんだ、これ…」
甘いはずのクッキーの味が、焼けるような激しい苦味へと変わる。体内の全ての粘膜が拒絶反応を起こし、腹の底から、冷たい吐き気に襲われる。全身を激しい痙攣が走り、視界はノイズにまみれた白へと急速にぼやけていく。
「毒だ…!」
俺の意識が途切れる直前、脳裏に、アオイの最後の言葉と、ユウキのメッセージが、走馬灯のようにフラッシュバックした。
(ユウキが本当に望んでいたのは、友人たちの自立ではなかった……! 彼が消したかったのは、久我奏太という**「真実を暴く光」**そのものだったのか……!)
俺は、椅子から滑り落ちるように床に崩れ落ちた。
バンッ!!!
玄関のドアが、蹴破られるような勢いで開け放たれた。
「久我さん!それを飲み込むな!」
息を切らし、肩で呼吸をしながら立っていたのは、ユウキだった。
最終幕:呪いの味と、相棒の誓い
ユウキは俺に駆け寄り、背中を叩いて無理やりクッキーを吐き出させた。俺は床に這いつくばり、激しく嘔吐する。吐瀉物からは、焦げた小麦粉と、異様に酸っぱいバターのような、形容しがたい悪臭が立ち込めていた。
「ユウキくん……これ、毒じゃ……ないのか?」
俺が床で呻きながら尋ねると、ユウキは青ざめた顔で力なく首を振った。
「違います、久我さん。これは毒ではありません。これは……アオイの料理です。彼女の純粋な感謝が、純粋な化学テロとして発動しただけです。危なかったですね、久我さん」
俺は絶句した。
ユウキは俺に手を差し伸べ、立ち上がらせた。
「久我さん。僕の推理(光)と、あなたの能力(呪い)。二人で一つです。僕たちの次の依頼が、来ました」
彼は一枚の封筒を取り出し、その中身を読み上げた。それは、早乙女学園の女校長からの招待状。
「校長は、学園が抱える深い闇に気づいています。僕の推理だけでは、その闇の核心である**『呪い』**には触れられない。久我さん。どうか、あなたの能力で、この学園を救ってください」
俺はユウキの手を力強く握り返した。
「ああ、受けて立つ。だが、条件がある」
「何です?」
「二度とアオイの料理は喰わん。これこそが、俺の命懸けの誓いだ」
ユウキはクスリと笑った。
「安心してください。それが、僕たち**『探偵コンビ』の最初の誓いです。さあ、相棒。次の舞台は、女校長のDカップが待つ学園ですよ。それに、久我さん。アオイの硬い貧乳なんかより、Dカップの方が、あなたの能力も、(そして童貞としてのあなたの性癖も)、きっと素直に反応してくれるでしょう?」
ユウキの悪魔的な誘い文句に、俺は顔を赤らめながらも、抵抗できない魅力を感じた。
俺は、新たな呪いと、新たな試練を前に、重い腰を上げた。
『探偵は胸を揉む:童貞教師の呪いと、ブラの秘密〜サイコメトリー能力で美女と美少女の心の闇を暴く〜』へ続く。




