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お前には、あたしの愛が必要だろ?

この物語の主人公の名前は西城ひなの。

年齢は……。言わないでおく。とりあえず30代。特別美人だったり、何かの才能があるわけじゃあないけど、まあ、そんな女の話に少しだけ耳を傾けてくださいよ。

楽しいかは知らんけど。笑 

あ、わたし、服部がたまに出てくるので、よろしくね♡


そう、これはひなのがある女性に出会ったときの話。

よく聞いときなよ? 

楽しいかもしれないから……。


それは昔昔、ひなのがまだ学生だった頃。

その頃は本当に退屈で退屈で仕方なかったの。

だから、どうにかして、何かないもんかと日々考えていた。


そんな時に発見したのが、生配信アプリ。

配信者が何かおしゃべりして、それに対して、聞いているリスナー)がコメントするってやつね。


そのころはまだ主流じゃなかったけど、なんだかひなのはすごくワクワクして、惹かれたので、始めてみた。


最初は本当に興味本位で。

一体どんな人が、どんな配信をしているのだろう?そんな感じだった。


そしたらね。それぞれがいろんな配信をしていた。

例えば、雑談だけの配信。歌を歌いながらの配信。

あとは、何か作業をしながらおしゃべりする配信。

こんな感じでいろいろあったわけよ。


そんで、それぞれ気に入った配信者のところに、リスナーとして聞きに行く感じ。


そんときのひなのは心の中で

「え~~~!めっちゃ楽しそうやんけ!!

おっしゃ!いろんな人んとこ行ってみよ~~~~♡」

って、そんな風に思った。

それまで暇すぎたからさ、こんな楽しそうなアプリ見つけちゃってラッキー♪てな感じで、ワクワクしちゃってたわけよ。


彼女、中屋敷柚果と出会ったのは、ひなのの誤タップからだった。

つまり、間違ってボタン押しちゃって、彼女の配信に入ったってわけ……。

そしたらさ、その彼女はすごく口が悪くてさ。

正直早く、そこを離れたかった。笑

そんでひなのは、どうにかして抜ける方法を考えた。


でも、そのときは参加者がひなのを含めて2人しかいなかったから、抜けるに抜けられなかったんだよね。

だってひなのが抜けたら、もう片方のリスナーしか残らなくなっちゃうじゃん??

それだと寂しいかな?と思ったから、そのままそこにステイしちゃったわけよ、ひなのちゃんは。


「あ~なんて優しい女の子なのわたし~~~!なかなかいいヤツじゃ〜ん!」って、ひなのは頭ん中でそう叫んでた。笑

あ、脱線した!ごめんなさい~~


それでそのあとは、15分くらい彼女の配信にステイしたわけよ。

でもそのあと、ひなのは気づいた。


最初は口悪いだけの人だなって思ってたんだけど,よくよく聞いてると、リスナーに質問を投げかけたり、話しやすい内容を選んだりして、リスナーのことをよく考えてるんだなってね。

ひなのはそこから、彼女のことをもう少し知ってみたくなった。


だからまた是非、彼女の配信に行ってみたいな、と思ったのさ。

そのあと何日かが過ぎて、彼女がまた配信をしていたから、参加してみた。

う~ん、あれは確か、日付が変わるころだったかな。

行ってみたら、なんと!


ひなのと彼女の2人っきりではないかぁ~~~! 

ひなのはそんときも正直、帰りたかった。だってさ、2人っきりってちょっと……。

いや、結構緊張しないか??

でも今回はそれこそ、ひなのしかいなかったから抜けられなかったんだよね……。

だからまぁ、とりあえず、話してみた。前回から少し気になってたから。

もちろんそれは、ただの配信者として、ね。その時は。


しばらく話してたら、また、彼女の好感を持てる部分を見つけた。

そのとき彼女は仕事をしてなくて……。

つまり、ニートね。それだと周りの目が気になるから、ニートではいられない。働かなきゃって思っていたらしかった。

それを聞いてひなのは

「あ〜この人、すごく真面目な人じゃん」って思ったのさ。


だからひなのはその時に、彼女のことをもっと知ってみたい、って思うようになったのさ。


そこからしばらくは配信にも行かず、時間が過ぎていった……。

配信に行きたくても、なぜか踏み込めない自分がいたことに、ひなの自身、気づいていた。

思えばそのときから、ひなのの心の中では彼女に対する何か、が変わっていたみたいだった。


しばらくして、彼女のエックスの投稿を見に行くと、こんな風に書いてあった。

「体調が悪いから、しばらく配信お休みする」ってね。

それを読んだひなのは、彼女にDMで「大丈夫?」って声をかけたかった。

でも彼女はフォロワーからしかDMを受け取らない設定にしていた。だから、それはできなかったの。


そこでひなのはどうにかしてDM以外で声をかけられないかなぁ?って考えた。そして気づいたの。

「おし!!DMがダメなら、コメントで伝えればいいやん!」ってね。


コメントの内容も、ひなのはすごく考えた。なんて書いたら、彼女の心に響くだろうか。

どんな風に書いたら、心を楽にしてあげられるんだろうか。

で、その時に選んだ言葉達。


「配信休んでるみたいだけど、大丈夫?何かあったら、言ってよ。しんどいときは、休んでいいよ」


すご〜くありきたりだとは思う。誰でも、かけることができる言葉達だった。

でも、ひなのは心を込めて作った文章なら、例えありきたりだったとしても、必ず彼女の心に響くだろうと信じていた。


そしたらね、なんと!!!

あちらから、フォローされたではないか〜〜〜〜♡♡


まさか、そんな事をしてくれるとは思いもしなかったから、カナリびっくりしたとともに、なんだかすごく嬉しかったの。

だってそれってさ、閉めてた扉を少し、開いてくれたってことじゃん?


だから、ひなのは舞い上がってしまって、早速心配しているというような内容のDMを送った。

さっきのコメントだけで十分だったんだけどさ。さらに声をかけたかったのよね。

これはそのとき、ひなのが送ったDMね。


「お疲れ様!フォローありがとうね!よろしくね♪大丈夫?心配~~~!!!早く復帰できるといいね、無理しないでね〜」


でもこれを送ったあとに思った。

結構くどかったってね。

でも、送ってしまったもんは、もう戻せないも~~ん!

って思って開き直ったみたいだけどね。笑


そしたらさ、こんな風に返ってきたのさ。

「ちょっと配信萎えしたから、数日休んでるだけだよ」って。

そん時正直、ひなのは少し残念だった。

な~んだ心配ご無用か!!ってね。


でもそのあとさらに

「心配してくれて、ありがとう!それだけでも、嬉しいよ♪」って返ってきたのね。

それを読んだら、ひなのは喜ばずにいられなかった。

だってそれって、少なからず心に響いたってことじゃない?これは舞い上がらないわけないよね?

で、そのあとのひなのの返事はこう。


「柚果はさ、一見元気そうに見えるけど、何か抱えてるものがあるように感じたの。直感でね。(違ってたら、ごめん)

だから、声かけずにいられなかった。少しでも、力になりたいと思ったよ」


ひなのには、人と少し話すだけで、その人がどんな人かが分かる、特技のようなものがあった。

また、結構な気にしぃだった。

あとから

「コイツ、知ったふりしてるって思われたかも!」なんて考えちゃうタイプね。

だから、今回もそう思われたんじゃないかなって、言った後に気にしてしまっていたのさ。


そしてそれは、さらに数日後のこと。

今度はこう。

「配信萎えしてるって言ってたけどさ、本当に無理しなくていいと思うんだよね。

何かしら心の中で思うことがあって、萎えてるのかな?とは思ったけど。

無理しなくていい。

みんなが柚果の配信に来てくれるのは、きっと配信者である柚果が、素敵な人だからなんだと思った。

だからさ、無理しないで。

やりたいときにやればいいさ。

みんな、分かってくれるよ。

大丈夫、ゆっくりいこう。読んでくれてありがとう。返信はいらないよ。何回もごめんね」


そしたらまた

「ありがとう」と返事が返ってきた。ひなのは素直に喜んだ。


そしてしばらく経った時に、彼女がニートを卒業して、仕事を始めることになった。

ひなのはそこでまた、DMを送った。


「仕事、がんばってね!大丈夫、柚果ならきっとうまくいくから。通勤気をつけて~!」

柚果はその返事として、初日はなんとか乗り切った、と送り返してくれた。


「う〜!返事がこなかったらどうしよう〜悲しくなりそう。泣」

と、心配はしていたが、思いがけず返事が来て、ひなのは驚いたと同時に、めちゃくちゃテンションが上がった。

心の中ではトランポリンで高く高く飛び跳ねていた。あ、落っこちてないから、大丈夫よ♡ 笑


みなさんも、こんなことってないですか??

「こうかも!どうしよう〜!!」って心配してたけど、意外と大丈夫だったってやつ。服部はあります!


こんな風にその後もしばらくの間、細々とやりとりを続けていた。

返事が来ないとしんどく、来たら飛び上がって、の繰り返しで。

これはもちろん、ひなのが彼女に対して、抱き始めた感情が、どんなものだったか、読んでくださっているみなさんには想像できていると思う。


しかし、問題はここから先だった。

ひなのは完全に舞い上がっていたことを、後から知ることになる。


それは彼女に「仕事どう?難しそう?」ってDMしたときのことだ。

その返事は「難しいけど楽しいよ!趣味が合う人と飲みにも行ってるよ」とのことだった

。ひなのはさらに聞いてみた。

「趣味は何なの~~?」てね。

しかし、それに対してなんと!!!


返事がなかったのだ!!!


なんでそんなに驚いたかというと、疑問形で送ったから必ず返してくれるだろう、と思っていたからだった。それなのに、返ってこなかったから、カナリ驚いたわけなのさ。


「普通、疑問形で終わってたら、返さない??

でもな……。ネットとかで見ると、そういう人もいるってことで、みんながみんな疑問形で送ったのに対して、返してくれるとは限らないみたいだからな」

とは思ったが、ひなのは残念に感じてしまっていた。

だって、質問に対して返ってこないって、無視されてるみたいに感じるじゃん。


「わたしのこと、嫌いなのかな?何か悪いこと言ったんだろうか?」

そこまで自分を追い詰めてしまっていた気がした。


そんなショックと疑問を感じながらも、ひなのは勇ましく??粘り強く??彼女にDMし続けた。

次に送ったDMはこう。

い~い?少し長いから、覚悟しな? 笑


「お疲れ様~。あのさ、柚果はわたしが思うほど弱くはないのかもしれない。

でも、しんどいときは弱くなったっていい。

わたしはまだ柚果のことよく知らないけど、弱いとこ見せていいよ。

しんどいなら、しんどいって言っていい。

泣きたいときは泣いていい。

どんな柚果も受け止めるから。

×××これ、私のラインIDだから、何かあったら話して。いつでも話聞くから。

返信いらないよ。読んでくれてありがとう」

ってな感じで。


「自分で言うのもなんだけど、なかなか良い文章を作れたんじゃない?」とひなのは思った。

なんでここまでの文章が作れたかというと、日々、頭に浮かぶ溢れる思いを、スマホのメモ帳に書き留めて、心に響く文章を作ってから、のちのち送る、というスタイルを取っていたから。

そうすれば、伝えたい気持ちをしっかり、伝えられるから。余すことなく、ね♪


そんなこんなで、日頃思っていたけど伝えられないでいた気持ちを伝えられ、ひなのは一種の達成感に浸っていた。

これに対しては、1週間の間、なんの音沙汰もなかった。まぁ確かに、スルーしても良いかな、と思うような内容だったけど、ひなのはなぜか寂しかった。

そしてそのあと……。


忘れたころに突然、赤いハートのリアクションだけがポツンと届いた。


ひなのは正直

「え??」って思ったの。

だって、1週間後だよ?すっかり忘れてたよ。そんなときに?

嬉しいんだかそうじゃないんだか、ひなのには分からなかった。


ひなのは

「リアクションなんて読んだらすぐに押せばいいだけなのに。なんで??」って思ったのさ。

「そんな簡単なこと、なんですぐにできないんだろう?」って。

「分かってる。人それぞれ違うんだから仕方ない」とも思った。


でもやっぱりさ、悲しいよね。

そんな、1週間後にリアクション1つだなんて。

しかも、自分が心を込めて作った文章だったから余計に。

でも、それはひなのが勝手に送ったものだったから、それはそれでしょうがない、とも思った。

いろんな感情が渦巻いて、ひなのはしばらくずっと、モヤモヤしていた。

これが思えば「1週間スルー」の始まりだったのかもしれない。


次もひなのは、粘り強く送り続けた。

普通なら「それくらいでやめたら?」ってとこだったけど、どうしても日に日に伝えたいことが増えていく。それを伝えずにはいられなかった。


「お疲れ様!わたしさ~、柚果と恋バナしたり、いろいろ話してみたかったんだよね~!

だからよかったら、通話しない?仕事の話も聞きたいし。

返事はいつでも大丈夫だよー!」


そしたらこれも!!

1週間スルーののちのリアクション1つだけだった。


立て続けにスルーされ、ひなのはショックを隠せず、またいろんなことを考えてしまった。

「あ~たぶんね、私が気にしぃだからリアクションが遅いとか、そんなんでショックを受けてるんだろうな。ほかの人は平気なんだろうな」とかね。


でも「自分は自分だからショックなのも仕方ないよな」と思ったりもしてね。

辛くなったひなのは、しばらく彼女に関わるのはよそうと思ったらしく、彼女のエックスの投稿を見るのを辞め、もちろんDMを送るのも辞めた。


そんなこんなで3週間が経ったころ。


ひなのがエックスに投稿したもの(○が美味しい)に対して、柚果がいいね、をよこした。

ひなのは「ん??突然どうした?」って、思ったの。


それで急いで、彼女のエックスの投稿を見に行った。そしたら、だいぶ荒れていて不安定な心を表す投稿をしていた。

ものすごくしんどそうだった。

とにかく、苦しそうだった。だから

「こんなの読んだら、いてもたってもいられないじゃあないか~!!!」

ってことで、ひなのはまたすぐにDMを送った。


「久しぶり!最近の投稿見た。なんか、しんどそうだね。愚痴聞くよ!いくらでも」

すると彼女から、珍しくすぐ返事が返ってきた。

どうやら、生理中だったから、イライラが溜まっていたらしい。


ひなのはすぐに返事を返した。

「な〜んだ、それならいいけどさ〜。仕事はどう?慣れた?」ってね。

そしたら~~~!!!なんとおお~~~!!

また、スルーだった。泣


これさ~、ひなの撃沈じゃんね。泣

やっと返事が来たと思って、嬉しくてまた疑問形で送ったのに、返ってこないなんてさ。

なんていうか……。

「期待させられては、落とされるっていうのか?こういうのは!!!」

と思った。

このやり場のない気持ちをどうしていいのか、ひなのには到底分かるはずもなかった。

とにかく、悲しい、の一言だった。

「これで、もう懲りた。もう終わり。これ以上DMは送らない」

そう思っていたのに……。


や~っぱりひなのは、気になって次も送ってしまったよね〜。

「意志が弱いね~ひなのちゃんは!」なんて、心の中で、思ったんじゃない?

でも、ひなのはこうも思った。

「意思が弱くたって、そんなの関係ない。私は送りたいから送る。自分の気持ちに正直になろう」ってね。


で、ひなのが送った何度目かしらん、DM。ね。

「本当に、大丈夫かい~~~!!心配ばっかでごめんね。でも、してしまうわ。

無理すんなよ~、何があったかは知らないけど、話したくなったら、声かけてな~!

ゆっくり休んで!返事はいらないよ~!!

私では力になれないかもしれないけど、心配してるやつがここにいるってことだけ、覚えといて~~。

絶対、一人じゃないからね!おやすみ~」


そしたら、それに対してもお決まりの

「時間経ってからのリアクション」1つだった。

ひなのは思った。

「私が求め過ぎているんだろうか?

私の考え方に問題があるんだろうか?」ってね。

「そもそもさ、スルーされてもいちいち気にしなければいいのさ。

もっと強い人間なら、こんな風にも思わないしさ。

きっと私の考え方が、捉え方がダメなんだろう」とも思った。

その考えがひなのの心をさらに、マイナス地獄に連れて行った。


ひなのはいい加減やめよう、もう送らない、そう決めた。

「もうこれ以上、ショックを受けたり、傷ついたりしたくない。自分を犠牲にしてまで、そんなことをする必要はない」って。

そう思っていたのだけれど……。


やっぱりそんなの、消え失せたよね~。

「ひなのってほんとに意思が弱いねぇ」って自分で改めて思ったみたいだよ。


数日後、柚果のエックスにまた、心配な投稿が上がった。それは、夜眠れなくなった、というものだった。

ひなのはやっぱり心配してしまって、こんな風に送った。

「眠れなくなっちゃったか〜!辛いね。一睡もできてないの??」

これは、ひなのなりに本当に心配して送ったものだった。


だって、ひなの自身が不眠になる辛さを知っていたから。

実はひなのは20歳の大学1年の冬に、ひどい鬱になってしまった。

そのきっかけは、一番仲良くしていた友達が急に病気になって、休学することになったこと。

そのことでひとりぼっちになった気分になり、そこから一気に不眠と鬱の症状が出たらしい。

今思えば、それさえも、ひなの自身の心の弱さからくるものだと、ひなのは感じていた。

不眠になったひなのは、自分の部屋で鬱状態で過ごすことになった。

それが2週間くらい続いただろうか。

眠れなくなったひなのの精神状態は、最悪なものだった。

眠れなくなると肉体的なものだけでなく、精神的なものまでもやられる。

それをそのときに身に染みて、感じていた。

だから彼女の辛さが分かる。

そう思ったから、DMした。でもね、これに対しても返事はこなかったのだ。


ひなのは

「なんで返事が来ないのに、こんな風に何度も送ってしまうんだろうか?」と自分でも謎で仕方なかった。そんなに毎回傷つくならば、もうやめた方がいいに決まっているのに。

だが、もうこのころにはきっと、彼女に心を奪われていたのだろう。

ひなのは後からそう思った。


さすがに今回のはカナリ、ショックだったみたい。

だって、心配したものに対して返ってこなかったんだもん。

なんだかいつも以上に悲しかった。


「仕事どう?」とかとは、また種類が違うよね。

心配してくれている人の気持ちをスルーするってのは正直、がっかりだった。

まぁもちろん、これはひなのが好きでやったわけだから、相手がどう思ってどんな行動を取るかなんて、それはその人の自由なんだけどね。


このことが一番の痛手になり

「もう2度と送らない。次の彼女の誕生日にDMを送ったあとは……」ってひなのは誓った、けど……。

結局、この後も送るんだけどね。

まぁみなさん、お察しの通りでございます。笑 

でも、もう少し、付き合って頂戴♡


「これで最後、どうしても伝えたい誕生日おめでとう、だけ言って辞める」

そう覚悟を決めたひなのは、お決まりのスマホのメモ帳に、伝えたい気持ちを書き綴った。


その文章がこれ。

「柚果、お誕生日おめでとう!

覚えてたよ~良い1年になるといいね。

わたしはいつも、柚果の味方だよ〜!

生まれてきてくれて、本当にありがとう!

今度良かったら、通話しようね~」


そしたらさ、これに対してはカナリ早いタイミングでありがとう、って来たんだよね。

ひなの、良かったね♡って言いたいほんと。笑

でもさ

「通話しようね〜」ってのに対してはスルーだった。そんなの気にしなければいいのに。

こーゆーとこで気にしてしまうのは、ひなのの悪い癖だった。気にしぃの宿命なんだろうか……。

ひなのはそう思った。


実はこの数日前、ひなのは部屋で1日中泣いていた。

なぜなら、このおめでとうDMを送ったら、もう2度と送らないって決めちゃってたから。

そうすることで、その辛さから逃げたい。

そう思ったのさ。

なんでそんな思考になるの?って謎な人も多いとは思うが、ひなのはそんな風に考えてしまうタイプだった。


返事がもらえなくて辛い。

だからそのことから逃げるために、送るのをやめる。

そしたら、もう辛い思いはしなくていいって。だけど、本心は……。

もう2度と送れないのは辛いし悲しいって感じてた。だから泣いてしまっていたのさ。

難しいね。基本、ネガティブシンキングなひなのにはこんな考え方しか、できなかったのさ。


でも、そのあともやりとりは続いた。

「ちゃんと誕生日覚えてたよ~!忘れずに♪

最近も眠れてないんでしょ?

わたしもさ、大学の時に眠れなくなっちゃって、病院で薬もらって飲んだ時あったよ。だから、不眠の辛さはよく分かる。

メンタルも身体もしんどいよね。

どうにかして、眠れるようになるといいんだけど」


この言葉達はひなのの本心をしっかりと伝えてくれたはず、ひなのはそう思っていた。

言葉って不思議。使い方によって、いろんな伝わり方をする。

だからこそ、言葉選びはとても大切だ、とひなのは感じていた。

言葉1つで、相手の心を喜ばせることも、反対に嫌な気分にさせることもできる。

ひなのはそれを良く分かっていた。

その後はたわいもない会話が少しだけ続いた。なかなか返事がなかったので

「こんなに嬉しいことがあるだろうか?」とひなのは思った。


彼女、柚果は絵を描く人だった。

すごく魅力的で何より、ひなのが好きなタイプの絵を描いていた。

彼女に惹かれたのは、彼女の描く絵のためでもある。

それは初めて見た時から、ひなのの心を掴んで離さなかったのだった。


ある日彼女がエックスで

「ほかの人から描いて欲しいと言われていた絵を描かずに、自分の描きたい絵ばかり描いていて申し訳ない」という意味合いの言葉を発していた。

そこでまた心配をしたひなのが、こんな風に声をかけたのである。


「お疲れ様。ほかの人の絵を描かないで、自分が描きたい絵を描いたって大丈夫。

気にしなくていいよ!謝んなくてもいい。好きな時に、好きな絵を描け~!」

ってね。そのとき彼女は

「ありがとう!気が向いたら描いてみるね」と送り返してきた。ひなのはその短い文章をもらっただけで、ただただ素直に嬉しかった。


そして、ここからが、本題だよ!!

みんな、心して聞いてよーーー!!


まぁ、読んでくれているみなさんには、まる分かりだとは思うけど、

そのころのひなのは、彼女にすっかり惹かれていた。

頭の中は常に彼女のことでいっぱいで、その気持ちをどこに持っていったらいいか、ひなの自身、全く分からなくなっていた。ひなのは自分に問いかけた。

「これは、果たして恋なのだろうか?それとも、ただの友情なのだろうか?」と。


その後、しばらくの間、柚果と連絡をとることはなかった。

ただ1つ、確かなことは、ひなのが1日たりとも、彼女のことを忘れた日はなかったってこと。


ある日、ひなのは何を思ったのか、柚果に唐突な質問をした。

「ねぇ、1つ質問なんだけど、柚果は今まで付き合った人の中で、忘れられない人っている?」

その返事はこう。

「う~ん、そもそも1人としか付き合ったことないから、その元カノくらいかな?」


ひなのは続けてこんなことを聞いた。

「そ~なの?じゃあ、あの、Aさんとは付き合ってないの?」


Aさんとは、柚果が配信の中で仲良くしていた男性。

前の配信に行ったときに、2人で会話しているのを聞いたのだが、その時の内容は柚果がAさんの住んでいる県に遊びに行く、というようなものだった。

それを聞いていたひなのは、てっきり2人が付き合っているものと思い込んでいた。


ひなのは続けた。

「前に配信に行ったときに、Aさんの住んでいる県に遊びに行くって言ってたから、てっきり付き合ってるのかと思ってた」

すると柚果は

「あぁ、Aのことか~、いや現在は誰とも付き合ってないよ。

フリー。もともと、フットワーク軽いから、いろんなところに遊びに行くんだよね~。

Aとは趣味が合うから、たまに遊ぶ感じだよ」と返してきた。


ひなのからするとホッとする答えだったが、同時にこんな疑問が湧いた。

「ん?あんなに仲良くしているのに、付き合ってはいないの?

そんなに何回も男女が遊んでいて、好きになったり付き合ったりしないって、ありえるの?」ってね。

ひなのはそのとき、男女の友情ってのは存在しないと信じ込んでいた。だから、このような疑問が浮かんだのだった。

柚果は、続けた。

「ねぇ、急にどうしたの?」

そりゃあ彼女からしたら、久しぶりにDMをよこして、そんなことを突然聞いてくるなんて、どうしたんだろう?と思わずにいられなかったのよね。ごもっともな話よ。


そのあとひなのはこう答えた。

「いや、どうなってるのか気になってたんだよね~

じゃ、付き合って??♡」ってね。


これ聞いたら

「え??何この流れ?何この人?何この軽すぎる告白の仕方!!」って思った人も、結構いるんじゃないかなぁ?

どうですか?みなさん!良かったら、服部に教えて?? 笑


ひなのは疑問に思った。こんなにも軽い告白の言葉は誰が選ぶだろうかってね。

まさに、告白にふさわしくない言葉、NO.1だと思わずにいられなかった。

自分で選んだにしては、ものすごく軽率な言葉達だったな、と後から感じて、ひなのはものすごく恥ずかしくなった。


ほどなくして、柚果からはこんな返事が届いた。

「そ~か、ありがとう。

う~ん、配信でもなかなか会えてないし、お互いのこと、今の時点で全く知らないじゃん?

だから、この状態で付き合ったら、あとあと後悔するんじゃないかなと思う。

これ言われて、突き放されたと思って、もう配信にも行かないし、話さないってなったら、それは本気で好きだったわけじゃないってことだと思うよ。

別に、わたしは関係を切りたいわけじゃあないからね」


これを聞いたひなのの頭に、最初に浮かんだことは

「この人、思ったよりも誠実な人だな」ってことだった。こんな答えをもらって、ひなのはめちゃくちゃ嬉しかった。


だってさ、あ〜んな軽い告白に対して、こんなにもしっかり受け止めて、ちゃんと伝わるように、真剣に言葉を選んでくれたんだもん。

そりぁ、嬉しくなっちゃうよね!


前に書いたように、彼女の第一印象は、すぐにでも配信から抜けたいくらい口が悪くて、ヘラヘラ話してる人って感じだったからさ。

まぁ、拍子抜けしたとこもある。よく言えば、ギャップ、ね。

だから、こ〜んな真面目でしっかりした、誠実な答えをもらって、ひなのは正直カナリびっくりした。

だけどそれと同時にものすごく感激していた。


そしてそのとき、誓った。

「私もちゃんと、誠実で真剣な言葉を返す!」ってさ。

それからひなのは、しばらくの間、試行錯誤した。

どんな言葉で、どんな風に、彼女に伝えたらいいだろうか?ってね。

これはなかなかの時間を要した。2週間くらい、悩んだだろうか。

絶対に、彼女の心に響く言葉達を送りたい。心の底からそう思っていた。


しばらくして、ひなのが選んだ言葉達はこんなものだった。


「初めてわたしが柚果にコメントしたとき、なんでなんだろ?って思った?

それはさ、今思えば、出会った時から惹かれてて、

その時から、柚果が弱ってるときは守りたいなと思ったから。

だから、何回も心配してDM送った。

じゃなきゃそんなの送らないよ。

わたしは柚果のことまだ全然知らないけど、元気なとことか、たまにへこんでたりとか、絵がうまいとか、そういうところに惹かれたんだね、きっと。

わたしは柚果が、好き。それだけ、伝えたかったの」


そしてこう続けた。

「だから、理由なしで、ノリとか軽い気持ちで言ったんじゃあない。それだけ分かってな」


なぜこの言葉達をつけ加えたかというと、それはひなの自身のためでもあった。

もちろん、彼女に返事を無理しなくても良い、と伝えることが目的だったのだが、こんな風にも思ったからだった。

「返事がもらえなくて、自分自身がショックを受けるのが怖い」ってね。

だってさ、あんなに長々伝えたけど、返事こなかったら、さすがにへこむよねって。

返事を無理しないで欲しい、それと、返事をもらえなかったときの自分の心を守るために、付け加えた言葉達だった。

初めからこれを伝えておけば、返事をもらえなかったとしても、この文章を送ったから、返事をよこさなかったんだな、と思えばいいからさ。

そしたら、傷つかなくて済む。そう思った。

まぁ、これも考え過ぎと言えば考え過ぎなのだが、ひなのの弱いメンタルだと、これを付け加えた方が吉だと思ったのだった。分かりづらいかな……。

ごめんなさい泣


次の日、もしかして返事をくれてるんじゃないかな?って思ってたころ。

彼女から返事が来た。

「ノリとか、軽々しい気持ちじゃあないなら、嬉しいよ。

意味のないお付き合いにはしたくないから、今はまだ付き合えないけど、今までみたく、むしろ今まで以上に絡んでくれたら、嬉しいよ」

ってさ。


ひなのは、心の中で花火でもぶち上がったかのように喜んだ。

「そりゃそうだよ!だって、これってさ、これってさ!!ふられてなくない!?!?こんなん、舞い上がるよね~~~~~!!!」と、ひなのは心の中で大はしゃぎしていた。

誰か他の人と付き合ってるから無理、ってふられるだろうと思い込んでたから、10000倍くらい嬉しかったよね!


次の日ひなのは早速、ラインを教えて欲しい、と柚果にDMを送った。

もっと絡んで欲しい、とのことだったので、聞いてもいいよなと判断したからだった。

すると柚果は快くOKをくれた。もともとひなのは柚果とラインしたいと思っていたから、OKをもらえて素直に嬉しかった。

まぁ、DMでも連絡はとれるのだが、なぜだかラインの方が特別な感じがしていたらしい。


このころのひなのは、柚果の配信にもっと行きたいと考えていた。

その気持ちは告白の返事をもらった後から日に日に強くなり、ついには彼女にこんなことを伝えることになった。


「わたし本当は、柚果の配信にめっちゃ行きたいのよ。

でもさ、なんか緊張して、うまく話せないから行けないでいるの。

声とか聞いちゃうと、恥ずかしくなっちゃうから。

本当は柚果のこと、もっと知りたいんだけどね、ど~したらいい?」


この言葉達は、本当は配信に行きたい+でも恥ずかしくて行けない、ということを強調し、さらに、どうしていいか分からない、ということを可愛いらしく伝えようとして選んだ言葉達だった。


特に最後の「ね、ど~したらいい?」というところは、ひなの的にもなかなか可愛い言葉達を選べたと自負していた。

すこ〜し、いや結構、乙女な雰囲気を出せていたと感じたから。

「ひなのって、文才ある~~~!!」と心の声。笑


ねえ、そう思いませんか?みなさん♡服部です。たびたびごめんなさい。笑

話、戻すね~~!


だからさ、きっと、あっちもね!

「嬉しい~!そんなこと言ってくれて♡」な〜んて、可愛らしい返事をくれるのではないだろうか、とひなのは内心わくわくしていたのさ。


「だって~~こんなにも乙女でキュンキュンするセリフを伝えたんだもん♡きっと、あっちからもキュンキュンする返事がもらえるよね??♡」

ひなのの心の中ではやはり、こないだと同じく、数えきれないほどの花火がぶち上がっていた。

だがしかし、柚果の返事は予想外にこんなものだった。

「サシで話すよりは、もっと気楽に配信に来てみない?

配信で会ったからには、配信にも来て欲しいな。他のリスナーに比べて贔屓ひいきになっても良くないと思うからさ」

これってまぁ、一言で言えば、ひなのが想像してたものとは違ってたのよ。

想像というか、期待してたもの、と言った方が正しいかもしれない。


だってさ、温度差激しくないか??

ひなのはうっきうき♡で乙女モード全開なのに、柚果からの返事はすご〜く冷静で、ひなののキュン心を完全にスルーしてる感がすごくない?

別に柚果が悪いわけじゃあないし、意図的に選んだ言葉達でないことくらい、ひなのだって分かっていた。だけど、どうしてこんなに悲しいのだろうか……?

そして気づいた。それは、ひなのが送った熱い気持ちをうまくかわされた、そんな気がしてしまっていたからだったのだ。


そしてさらに

「サシでっていうことは通話のことを表すのだろうか。それとも、DMとかも2人っきりだから、だめなんだろうか?」という疑問も生まれた。

だから、ストレートに聞いてみた。

「お疲れ様〜。サシで話すっていうのは、通話のこと?」ってね。

そしたらこんな答え。

「通話もだし、ラインとかDMとかもだね」

これにはひなの、ショックを隠し切れずに泣きそうになってしまったのよ。


だってさ、ひなの的にはラインとかDMするのがすごく嬉しくて楽しいのに、それすらもしちゃいけないの?って。

いや、通話だけならまだ分かるよ?

でも、ラインもDMもってなると、コミュニケーションをとれる手段がな〜んにもなくなるじゃん?すごく楽しみにしていたのに。

なんだか、大切にしていたものを完全に拒否されたように感じてしまった。


そのあとひなのが発した言葉達。

「分かったよ~じゃあ、わたしから送るのやめるね~」

だってさ、完全に拒否られたとなると、こんな言葉達しか出て来なかったんだもん。

完全に、ってのももちろん、ひなのの決めつけであることくらい、彼女自身も分かっていたことだったのだが、そんな風にしか思えなくなっていた。


すると柚果はこんな風に返してきた。

「いや、別に送るなというわけじゃあないんだけどさ……。配信に来たくなかったなら、ごめん。無理強いみたいになっちゃったね。」

ひなのの頭の中には10000個以上のハテナが並んだ。

「ん??別に送るな、というわけじゃあない?それは一体どういう意味?」ってね。

だってさ、サシで話すのは~ってくだりからして、連絡はしないでねってとれない??


ひなのには柚果の言っていることの本当の意味が、さっぱり分からなかった。


どうですか、みなさん?柚果の言っている意味、分かりますか?良かったら教えて~~~!!


でも、これにはひなのも少し嬉しくなった。

だって

「送るなと言っているわけじゃあない?」

ってことは、送ってもいいのかな?ってなるじゃん。そう、ひなのはまたここで、期待しちゃったよね~~!

期待したって、あとから悲しくなるだけなのに……。


少し脱線するけどさ、期待するって嬉しい反面、そうならなかったときに、悲しくならない?

例えばさ、返事くるかなー!!って期待してて返事が来なかった場合とか。

これも、期待してたのにそうならなくて、ガッカリしちゃうってことじゃん?だから、期待するってのは、良し悪しだと思うのよね~!と服部からです!


話を戻しますね!


ひなのは柚果にごめんね、なんて言わせちゃってカナリ胸が痛んだから、めちゃくちゃ急いで返事をした。

だって、もしかしたら、柚果が結構気にしてたんじゃないかなと思ったから。


「いやいや、無理強いなんてことないよ!配信にももちろん行きたいし!ただ、緊張するってだけで。誘ってくれたのも、嬉しかったよ!」ってね。

そしたらその日は返事がなかった。


次の日の朝になり、いつも通り、DM返って来てるかな?と期待してエックスを開いた。

すると、返事が返ってきていた。


「昨日はあのあと寝てしまったよ。ごめん。まぁ、配信には気が向いたときにでも是非、来てね~~」ってさ。

な〜んだ、全然気にしてないじゃん~!

安心した半面、なんだか少しガッカリでもあった。

なんでかな?複雑な感情。ひなのは少しの間、考えてみたけど、その感情の正体は見つからなかった。


そして、その返事に対してひなのは勇気をもってこんな返事をした。

「ありがとう!丁寧に答えてくれて、嬉しいよ。

わたしは、柚果のことが好きだと改めて気づいたよ!愛してるぞ~~♡」

なんで勇気がいったって?

それは最後のしめの「愛してるぞ」ってのが、なかなか恥ずかしい言葉達だった、と思ってたからなんだよね。

でもその後、いつもの癖でこう思ってしまった。

「柚果はなんて思ったんだろう?気持ち悪いと思っただろうか?一方的に伝えられて、迷惑だったんじゃあないだろうか」

ひなのの心の中はざわついていた。送った後になって、こんなこと思ったって、遅いのに。


柚果からの返事は予想よりも、だいぶ早かった。

「まっすぐに伝えてくれる人って、なかなかいないから嬉しいよ」


「え~~~!!!これ!!めっちゃ、嬉しいんだが!!」

ひなのの頭の中に3度目の花火がぶち上がった。

「だって~今回もきっと、前回みたく冷静な返事を返されるだろう、と覚悟していたから。だからこんな可愛らしい返事をもらえて、そりゃあ嬉しくならないはずないじゃん?」


初めて柚果から、自分の感情を表現する言葉達を受け取ることができたひなのは、遥か彼方、天空へ飛び去った。

でもね、あとあと舞い上がってバカだったよね、って思うことになるんだよね。そのときのひなのはそんなこと、全く知らなかったけどさ。


すっかりテンションが爆上がりして、調子に乗ったひなのは、こんな風に送ってみた。

「おいおい、またまたかわいい返事してくるな~!あんまり惚れさせんなよ~♡」ってね。

これはちょっとまた、胸キュンを狙ったものだった。

女の人ってさ、結構、男言葉に弱いって聞くからさ、使ってみたわけよ。


するとそれに対して、赤いハートのリアクションが届いた。ひなのはそれにも、喜びを隠せなかった。今回のはなぜか、前の一週間スルーののちのものとは違って、めちゃくちゃに嬉しかったみたい。

「え~♡この赤いハートってどういう意味~~!?気になる♡」なんてね。


しかし、その頃のひなのには、ものすごく気になることができていた。

それは……。

柚果が近々、仲良くしているリスナーの元へ遊びに行くということ。しかも、5日間も!

え、めっちゃ気になりません??服部的には、めっちゃ気になるんだが。笑

だってさ、好きでもない人のところに、5日間も行く!?

いや、行かないっしょ~~~ってなわけで、ひなのはそれが気がかりでならなかった。


「やっぱり、好き、もしくは気になる程度の気持ちは絶対あるっしょ」

だからひなのは聞いたわけさ。

「ねー、O県(そのリスナーさんが住んでいる県)に何しに行くの?好きな人(Hさんとする)に会うの?」ってね。

そしたらこんな返事。

「好きな人っていうか、割と付き合い長いリスナーと遊ぶ感じ。夏季休暇とるから、どうせならどっか行きたいし、誰かと遊びたいしね。」

おいおい、本当かよ?ひなのは正直、そんな風に思った。

その日の夜、ひなのは、悩んだときにいつも相談に乗ってもらっていた女性エリナさんに相談してみた。

そしたらね「それは本当に仲のいい人に会うんじゃあないですか?」って言ってて。

「そうなのかな〜そうならいいな〜」とひなのは心の中で強く願った。


次の日ひなのはしつこいかも?と思いつつも、伝えたいことがまたできて、ラインを送ってしまった。

しつこい、と自分でも分かってはいたけれど、柚果相手だと次から次へと伝えたいことが溢れてきて、伝えずにいられなくなっていた。


「お疲れ様~!

柚果ってさ、いつもヘラヘラしてて口悪いのに、大事なとこ、ちゃんとしてるから反則! 笑

本当はすごく、優しくて、誠実な人なんでしょう?

告白に対する返事、ちゃんと言葉選んで、考えて送ってくれたじゃん?わたしはあれが、すごく嬉しかったの。

わたしの前では、どんな姿、見せてもいいからね。弱みでもなんでも。

元気なとこも凹んでるとこも、全部見せて?嫌いになんて、ならないから。」


ひなのは、ちゃんとあなたのこと見てるよ、分かってるよって伝えたい、その一心だった。そして、ひなのがどれだけ、その告白の返事が嬉しかったか。

さらに、どんな柚果も受け入れるってことも。


しかし、今回もまた、返事が来ず2日が経っていた。

これまでの話でもみなさんにお伝えしてきた通り、ひなのは返事が来ないと、すぐに不安になる女だった。

だから今回も、またいつも通りに不安に陥っていたのだった。

そのためまた、追いラインを送ったのは言うまでもない。

(同じようなことの繰り返しやな。みんなごめん。もう少し、付き合ってな。by服部)


「ごめん、また真っすぐに伝えてしまった。

好きって気持ちが溢れてしまって。

答えに困ってたら、ごめん。嫌だったら、言ってね。」

ひなのは思った。自分という人間は、なんてストレートな文章を思いつく人間なのだろう、と。

でもなぜか、柚果はそれが嬉しかったみたいだった。


すると!!柚果からは、ひなのが到底思いつきもしない返事が返ってきたのだ。

「全然嫌じゃないよ!寧ろ、嬉しいくらいだから、気にすんな」って!!

「え~~~!!!これ、やばくない!?!?

嫌じゃないってよ!!嬉しいだってよ~~~!!!きゃ~~~~♡♡」

また、何度目か分からないくらいの数の花火がぶち上がった。


しかもさ!!

嬉しいのは!!

ただの「嫌じゃないよ」じゃなくて「全然」だって!!!協調してある!!

全然全然全然……。

ひなのはその言葉達を、何度も何度も繰り返し読み返した。

もしかしたら、わたしの気持ち、少しは届いてたのかなって。


そしてさらにだよ?

「寧ろ嬉しい」だって~~~~♡

頭ん中には、溢れんばかりのバラの花が咲いた。

あ~届いたんだ。響いたんだ~~~♡

ひなのはもしかしたら……。といつも通り、期待してしまっていた。あとから砕け散るとも知らずに。


ひなのって期待し過ぎるところがあるんですかね?

またみなさんに、聞いてみました。笑 服部の素朴な疑問です。


その2日後、ひなのはエックスに特に意味のない投稿をした。

たしか、映画を見に行く、とかそういう内容だったと思う。

すると、それに対して彼女からいいね、が届いた。その時ひなのは、嬉しいと思うとともに、ラインの返事を返していなかったことに気づいた。


そしてこう思った。

「もしかしたら、わたしがラインの返事をしていなかったことに対して、何か訴えるいいね、だったのかな?」ってね。

例えば

「お〜い、なんで返事くれないの~?」というような。だから、ひなのはすぐにラインの返事をした。

それまでは年齢の話をしていて、そこで止まっていたので、その続きとして、こんな風に返事を返した。

「遅くなってごめん。柚果は何歳なの~?」って具合に。

すると「◎◎歳だよー!そっちは??」


その時のひなのの心の中。

「え、これってもしかして……。わたしに少しは、興味持ってくれてんじゃないの~~~~~!!!」

舞い上がりすぎよねえ。毎度のことだけどさ。

だって、それまで1ミリたりとも興味を持ってくれてなさそうだった人が、こんな風に質問してくれるなんて、嬉しすぎん!?!?


ひなのはなんだか、すこ~しずつ水をあげて、大切に育てた種が、芽を出したかのような感覚に陥った。

嬉しくてたまらなくなったひなのは一気にウキウキ気分。それを存分に味わった。

まぁそれもいいよね。

どうせあとで、砕け散るんだもん。

もしかしたら、この辺が一番楽しいときだったのかもしれないな、とひなのはあとから思った。

その年齢の件について、流れをもう少し詳しく説明するね!!

みなさんが気になってるみたいだから!!え、そんなことないって? 笑


柚果「◎◎歳だよ~そっちは?」

ひなの「う~ん、聞いたらドン引きだよ~~!」

柚果「そんなことないよ〜〜!年齢全然気にしないし!」

ひなの「とりあえず、30代だよ」

柚果「そんなに隠さなくていいのに~~」

ひなの「聞きたい?」

柚果「聞いてみた〜い」


え……。

柚果の最後の言葉達!!!

「聞いてみた~い」とか、かわいすぎん!?やば~~~!!反則やんけ!!」


ひなのは、柚果に本当の年齢を伝えた。

すると柚果は「まぢか!!もっと若いと思ってた」と送り返してきた。どうやら文字の中のひなのは、実年齢より若く見られていたようだった。

なんでだろ??絵文字を使ったりするからかなぁ??とひなのは疑問に思った。


でもさ、ひなのは不安だったの。本当のことを言ったはいいけど

「え〜!そんなに歳いってんの!?それはないわ~」って思われたかもってさ。

柚果は年齢を気にしないとは言ってたけど、さすがに……。離れ過ぎよな?

実際、相手がどう思ったか、なんて分からないんだけどさ、そう考えちゃうときって、ない??服部はめっちゃある。泣


人の思ったこと、気持ちなんて、他の人には分かり得ないことなのに、無駄にあ~だこ~だと考えてしまうのが、人間なのかもしれない。

もちろん、そんなこと考えない人もいるとは思うけどね。少なからず、ひなのは前者のタイプの人間だった。


でさ、不安で仕方なくなったひなのは、こんな風に送った。

「わたし、年齢聞かれたときにね、本当は”30歳”とか言おうと思ったの。

でもさ、年齢気にしないって言ってくれたじゃん?わたしはその気遣いが嬉しかった。

優しさ、ありがとう。

こんな素敵な人に出会えて、本当に良かったよ」って具合にさ。


その時のひなのは、ストレートな言葉達を送れる自分を少し自慢に思うようになっていた。

柚果が言うように、そんな風に伝えられる人はなかなかいない。

それは本当なのかもしれない。

だとしたら、ストレートに気持ちをぶつけられるわたしって、すごく貴重なんじゃない?って思ったからさ。


柚果はこんな風に返事をよこした。

「本当のこと教えてくれて、ありがとうね。正直に言ってくれて嬉しいよ」


ん??なんかちょっと、いい感じじゃん?

前まで送っても、完全にスルー、もしくは一週間後にリアクションのみだった彼女の心が少しずつ、着実に、変化してきているのをひなのは感じていた。

「嬉しい」って自分の気持ちを伝える言葉、使ってくれるようになったな。そんな風にも思った。


この時のひなのは、自分の彼女に対する気持ちを、はっきりと悟っていたので、もうとにかく、ストレートに、気持ちを伝えるようになっていた。

これは、この後に続けた言葉達。

「おつ~!好きだ~!!お前の事、愛してるぞ~~~♡♡

だめだ、気持ちが溢れた……。そろそろ配信に行って、柚果の声が聞きて~な~♡」

もうね~、女の子にウケるかもしれない男言葉を、ふんだんに使って作った文章だったのさ。

もちろん、柚果がそういうのを好きなのか嫌いなのかは、分からなかったが、とりあえずひなの自身が、男言葉を男性から言われるのが好きだったので、使ってみたのだった。

え、それでいいの?(服部、心の声)


でも、今思えば独りよがりだったのかもしれない。

彼女からしたら、良い迷惑だったのかもな、とのちのち思うことになる。


ひなのは続けた。

「わたしさ~、不思議なんだけど、今まで好きになった人に対しては、早く早く!って感じだったの。

ラインとかもたくさんしたい!早く付き合いたい!って。

でも、柚果に対しては違うんだよね~。

なんていうか、ペースが心地いいんだよね。安心感というか。

不思議でしょ?こんなの初めてなんだ。

それだけ、柚果はわたしにとって特別ってこと。

失いたくない、大切な人だから。」


今回に関しては、一番最後の文章。「失いたくない、大切な人だから」これを一番に伝えたかった。もちろん「こんなの初めて、特別」ってのも、大切に、慎重に選んだ言葉達だったんだけどね。


どうですか?みなさん、胸はキュンキュンしましたか? 笑

ひなのの渾身の胸キュンワード達です!

ぜひ、キュンキュンしてください♡なんてね~~♪あ、しなくてもいいけどね♡


ほどなくして、返事が返ってきた。

これに対しては、ありがとう、のスタンプ1つだった。でもそれでも、嬉しいもんだなぁとひなのは思ったのだ。だって、そのスタンプにはたくさん♡がついていたから!

しかし!その続きがまぁた、ひなのは嬉しかったのよねぇ~~♡


「そういえば、前々から、女性のことが好きだったの??」って。

「ええ!!これって、また、私に興味持ってくれてるじゃ~ん!」

しかもこれ、結構深いとこに関する質問だな、ってひなのは思ったのさ。

まぁ正直、いきなり聞かれて少しびっくりはしたけどね。

でもでも!喜びは隠せなかった~~!

だからひなのはすぐにこう返した。

「いや、今まで付き合った人はみんな男性だったよ。

ただ、中学の時は女の先輩を好きだった時もあるから、どっちもだと思う。」

ってさ。これは事実。昔は女性に惹かれていたこともあった。ただ付き合ったりはしなかったし、大人になるにつれ、それも薄れていったんだけどね。


こんなこと聞かれたら、柚果にも同じこと聞きたくなるじゃん?だから聞いてみた。

「柚果は??」ってね。

そしたら「男女関係なくって感じだね。性別気にする必要ないし」って返って来たの。だからひなのは、すかさずこう返事をした。


「わたしは、男とか女とか関係ないと思ってるよ。

だって、そのままのありのままのその人を好きになったんでしょう?

性別なんて関係ないよ。好きなもんは、好きなんだもん。

それに、両方好きになれるなんて、すごく素敵なことじゃん。

他の人達はどちらか片方なのに。だから、素敵だと、私は思うよ。

大事なのは、好きって気持ちじゃん?

わたしはありのままの柚果を、性別関係なく、好きになったんだ。ただ、それだけのこと。」

ってね。

だってこれが、本心だったから。

個人的には、両方好きになれるなんて素敵じゃん、ってのが一番伝えたかったんだよね。


しかし、ひなのは以前、柚果の配信に行ったときに、彼女がこう言ってたのを、忘れていなかった。

「あ~!彼氏欲しい~彼氏欲しい~!彼女でもいい(小声)」ってね。

その時の柚果の言い方は、明らかに彼氏の方が良い、というような言い方だった。だからひなのは思ったのさ。

「柚果はやっぱり男性の方が良いんだろうな」ってね。

ひなのは単刀直入に聞いてみた。

「やっぱり、男性の方がいいの?こないだ、配信でそんな風に言ってたからさ」って。

そしたら、柚果はこう答えたんだよね。


「いや、男性と交際したことがないから、どんな感じなんだろう?って気になってただけだよ」ってさ。

男性と交際したことがないから、興味があるだけだよ、っていう意味だとひなのは解釈した。

それでも、ひなのの心の中には「本当にそうなのかな?」という疑問があった。もちろん、柚果のことを信じていないわけではない。しかし、どうしても不安で仕方ないのだった。なぜなら、ひなのの頭の中にはこんな疑問が浮かんでいたからだった。


「わたしは柚果の恋愛対象になれるんだろうか」


そんなこと、彼女に聞けるわけもなく……。

その件についてはそれ以上何もないまま、放置された。


ひなのは真実を知って傷つくくらいなら、何もしない方が良い。あなたは、恋愛対象じゃないよって言われるのがよっぽど、怖かったらしい。

こんなことってない?

「あ~、これ、知らない方が良かったな」ってこと。

もちろん、真実は気になるよ?でも怖くて知りたくない。

知ってガッカリしたりへこむくらいなら、何も知らない方がマシ。


例えばひなので言えば、柚果が誰か他の人に恋してる、とか付き合っている人がいるってことを配信で知るのが辛い。つまり真実を知って傷つくが怖かったのさ。

これが柚果の配信に行けずにいた一番の理由だった。もちろん、ほかにも理由はあったよ?緊張してうまく話せないってこととかさ。

でも、それよりも何よりも、知るのが怖い、このことが一番の理由だった。


話戻すよ~~!続きも聞いてなぁ~~♡


前にお伝えしていた通り、

柚果は近々、仲良くしているリスナーのHさんに会いにO県に行くことになっていた。

そう、5日間も……。


だから、柚果がO県に行く前日に、彼女にラインを送ってみた。


「明日からO県に行くんでしょう?

わたしは柚果の彼女でも、なんでもないんだけどさ、その人のこと好きにならないか、すごく不安……。

だって、好きなんだもん!」


続いてこんな風にも送った。

「おい~~お願いだから、他のやつに惚れんなよ~~!

でも、気を付けて行ってきてな。また話聞かせて~! 」ってね。

ひなの的にはこの言葉達、特に「だって、好きなんだもん!」は、か・な・り、ぶりっ子だとは思ったが、そこは敢えて入れたのだ。

少しでも、かわいいと思って欲しかったから。

だってさ、好きな人からは、かわいい、って思われたいじゃん?

完全に、乙女心なわけよ。

女子なら、分かるでしょう?どうですか~? 笑


でも、ひなのはそれを送った後に後悔したのだ。

「わぁ~~こんなの送っちゃったけどさ、なんか大胆なことをしてしまったかもなぁ」ってね。

ひなのの悪い癖で、言ったあとに不安になったり、恥ずかしくなったりしてしまうってやつね。

お決まりのやつよ。

この時点では送信を取り消すこともまだできたのさ。

でも心の中で、これを伝えたいって気持ちの方が強かったから、そのままにしたのよね。

やっぱさ、心の声に従う方がいいよね。


で、これを送ったあと、ひなのはもちろんドキドキしていたのさ。

どんな返事が来るだろう?ってね。

そしたらさ、またもや、これに対しても返事がなかったのよ~~~。泣

こんなん、泣いちゃうよなぁ~~……。

いつものことだ、慣れているとは分かっていても悲しかった。


しかも、未読スルー……。

この恥ずかしい乙女ワード達って、柚果がO県に行く前に読んでもらわなきゃ意味なくね??ってひなのは思ったのさ。

「他のやつに惚れんなよ~?」とか、「気をつけて行ってきてな!」とか、

行く前に読んで欲しかったのさ。


それで、まぁ、帰ってくるまで、返事はないんだろうなぁって、ガッカリしてたのよ。それでなくても、返事が遅い人が、他の県に旅行に行っている間に返事をよこすはずないって、そう思ってたからね。


そしたら~~~~!!!なんと~~~!!!

返事くれたのよぉ~~~~♡♡

ひなのの目は♡一色……。だってさ、そんなこと全く予想してなかったから。

旅先で楽しんでいる間によこしてくれたなんて、めっちゃ嬉しくて。


こういうことってない?

期待しないでいる時に限って、めっちゃ嬉しいことが起こるってやつ。例えば

今回みたく、返事は全く期待してなかったのに来た!!!っての。

そう、それって

「返事欲しい欲しい~」って思ってる間は来ないんだけどさ、忘れたころに急に来るのさ。

少なくともひなのはそんな経験をしたことが何度かあった。

だからさ、今回も返事は来ないだろう、と思っていたから、有頂天だったわけ。


そうそうそれで、その返事はというと~。

「無事、O県に着いて楽しんでるよ。いろいろ気にしてくれて、ありがとうね!」

ひなのはこれを読んで、少し謎を感じた。最初の楽しんでる、は分かるんだけど、そのあとの

「気にしてくれて、ありがとう」の意味が良く分からなかったから。

正直「どゆ意味?」ってハテナだったよね~。

これって何?

「ひなのが心配しているようなことは、なかったよ」ってこと?

そーゆーこと??

そんな風に捉えていいの??


でもさ、他のやつに惚れんな~って書いたから、

「大丈夫!そんなことないよ!」って本当は否定して欲しかったんだよね。

だって、本当に他の人を好きにならないか、不安だったんだもん。

でも、否定もしてくれなかったから、やっぱりHさんのこと、好きになっちゃったのかな~って思っちゃったよね〜。

もちろん、ひなのと柚果は付き合っているわけじゃあないから、言う必要ないっちゃあないけどさ。

でもそれでも、ひなのはもやもやして仕方なかった。


ひなのはこの後の返事としてこう送った。

「そういえば、柚果は漫画(Yとする)好きなの!?私も好きなんだよね!

今度帰ってきたら、Yの話しようね~~~!」ってね。あ、この漫画が好きなのを知っていたのは、柚果の配信のプロフに書いてあったから、ね!


そしたら

「Yも好きだし、他にも好きな漫画あるよ~!」って返ってきたの。ひなのは「今度話そうね!」で、会話を終わらせるような言い方をしているのに、話を続けようとしてくれたのが、ものすごく嬉しかった。飛び上がるほどに。

きゃ~~♡もっと話したいと思ってくれてるんじゃ~~ん♡ってね。


心の中でひなのは、体操選手が大きな鉄棒でくるんくるん回ってるときみたいに激しく動き回っていた。

まぢかよ~~~~!!!

え、これってやっぱり少しずつ……。私に興味持ってくれてきてる?


ひなのは早速、エリナさんにこのことを伝えた。するとエリナさんは、いつものごとく喜んでくれた。

「良かったですね~!帰ってきてからじゃなくて旅行中に連絡くれるって、なんでもない存在ならしないと思うので、やっぱり彼女の中でひなのさんの存在が大きくなってきているんでしょうね。」


エリナさんにそんなことを言われたひなのは

「ほんとそうだよねぇ~楽しんでいるときに、わざわざ送ってくれたんだもんね! 」て思った。少しは期待していいのかな?とも、思った。

「しかもそれって、その文章を書いている間は、わたしのことを考えてくれてたってことでしょ??」


エリナさんは柚果が漫画の話を続けようとしてくれているのに対しても、このように言ってくれた。

「ひなのさんは返事はいらないって言ってるようなニュアンスの文章を書いているのに、彼女の方が話を広げてくれていますね」ってね。

エリナさんて、本当にすごいな~ってひなのは思った。ひなのの拙い文章をちゃんと読み取って共感してくれたり、アドバイスをくれるからさ。本当に素敵な人。そう思った。これからも是非、相談させて欲しいと思った。


で、話戻すね♪みんな、ついてこれてる!?分かりづらかったら、ごめん!


頭から火が燃え上がるようなテンションになっていたひなのは、こんな言葉達を送った。


「楽しんでいるなら、良かったよ♡気を付けて帰ってこいよ~~!おまえは可愛すぎるよ!」ってね。

これもさ、なんだか後から読んでもひゃ~~ってなるくらい恥ずかしい言葉達だったけど、敢えて男言葉を選んだ。

主語は「おまえ」にしてみたりして。

柚果がキュンとするんじゃあないかなと想像しながら。


そんな恥ずかしい言葉達を送った後に、何が楽しいってさ

「もしかしたら気持ち伝わったかな?」とか「少しは胸キュンしてくれてないかなぁ?」って想像することなんだよね。

もちろん、キュンとさせるのが全部の目的なわけでもないけどさ。少なからず全体の30%はそんな風に思っていたんだよね。

言うならば、キュン狙い、ってやつ?


その2日後。柚果から無事に戻ってきたよ、いろいろありがとうね、というような内容の返事が返ってきた。あ~無事に戻ってきたのね。良かった!とひなのは安心した。


ビックリするようなことが起こったのはこれから先、ね。よく聞いて?


ひなのはその返事を読んだあと、すぐには何も返さなかった。

まぁ、俗にいう、既読スルーってやつね。

理由は簡単。「返す気にならなかったから」ね、シンプルでしょ??


なんだろうね。別にめんどくさくなった、とか好きじゃなくなった、とかそういうのではなかったんだけど、しばらく返事を返さなくてもいいかなって単純にそう思ったのさ。

それが正直な理由だった。


そして、既読スルーして2日経ったとき。

ひなのはエックスに

「今夜は◎に行くよー」と投稿した。すると柚果からその投稿に対していいね、が届いた。

ひなのは珍しいなと思った。

普段、いいねなんてまずよこさない柚果なので、なにか心境に変化が起こったのだろう、とひなのは直感した。

前お伝えしていたように、これに似たようなことが以前にもあった。2日ぐらい返事をしていなかったら、いいねが来たってやつ。だから今回もそれと同じ感じなのかな?って思ったんだよね。


そして!こっから先は本当に胸キュンだぜ? 笑 楽しみにしなよ~~!あ、一人で胸キュンしてたら、ごめん!!


ひなのはね、そのあとなんとなく柚果のエックスを見に行ってみたのさ。

そしたら柚果はこんなことを呟いていた。

「なんだ。既読つけてんじゃん」って。

ひなのはそれが自分に向けて発せられた言葉達だ、と良い風に受けとったのさ。

「まぢかよぉ~~~なになにぃ??私からの既読スルーを、そんなに気にしてたのぉ??な~んて可愛いの??」って思っちゃったわけ……。

「やべ~コイツ、まぢでかわいい♡」ってね。

これがひなのの勘違いでもいい。そう思った。でも、今回はとりあえず、ポジティブに受け取っておこうってね。


で、早速エリナさんに話してみたのさ。

するとエリナさんは

「う~ん。これはたぶん、彼女はひなのさんから返事が来ないから、不安になったんだと思いますよ?

これって、恋の駆け引きみたいですね。意識してたかは、分からないですけど。


このタイミングでスルーされたら、そりゃあ不安にもなりますよ。でも、ひなのさんの押して引いてのタイミングが、すごく良かったと思います。

彼女はきっと、不安になって、いいねして来たりそんな投稿したんだと思いますよ。かわいいですね。

数日連絡がないだけで、こんな風になっちゃうなんて」という返事をくれた。

「だから、早いうちに返事してあげた方が良いと思いますよ」とエリナさんは付け加えた。

そうだな、もし本当に私に対してだとしたら、これ以上不安にさせたらかわいそうだ、ということで、そのあとすぐに返事を返した。

こんな風に。


「やった~!!柚果が帰ってきた~~!お帰り~~!(子供のようにはしゃいでみた。笑)別にわたしの元に帰ってきたわけでもないんだけど、なんか嬉しいよ。楽しかったか?

わたしは柚果が楽しく過ごせたなら、それだけでいいよ。

柚果の幸せが、わたしの幸せでもあるからさ。」


すると……。

意外にも!!

既読が速攻で付いた〜〜!!

これってさ、奇跡的なわけよ。なんでかっていうとさ、柚果は通常2日は未読スルーする人だったから。

だからね、そんなにすぐに既読付けてくれたからひなのは思った。

「あ~やっぱり返事を待っていたんだろうなぁ」ってね。

「え~~♡キュンキュンしませ~ん?返事くれないことを気にして、そんな投稿するなんて~~♡可愛すぎだろ~~」


それに対する返事もそのあとすぐに来た。これもね、ひなのは嬉しかったのよ。

だって、そんなにすぐに返事をくれるなんてことは今までなかったから。

やっぱり返事を待ってたんじゃ~ん!可愛い可愛い~♡って思っちゃったよね♡


それから何日か後、ひなのはずっと行きたかった柚果の配信に足を運んだ。

前に行ったときから、1か月くらいが経っていて、そろそろ声が聞きたいと思っていたからだった。

そのころのひなのは柚果の声と話し方がカナリ好きになっていた。

初めはもちろん、口が悪いな、と思っただけだったけど、聞いているうちに段々と可愛いなと思うようになっていた。

思えば、そんなところにも惹かれてしまっていたんだよね、きっと。


配信に行くと、そこにはひなのの他に2人のリスナーがいた。

ひなのは内心すごくホッとした。

だってさ、また前みたく2人っきりだったら、それこそ、やばいじゃ〜〜ん!!

告って自分の気持ちを相手が知っている状態で、2人っきりになったらどうなってしまうだろう。

ひなのは考えただけで、冷や汗が出た。

だから、入る前も実は、タイミングを見計らっていたのだった。

配信を始めてすぐだと、リスナーが少なくて、2人っきりになる可能性が高い。

だったら、敢えて少し時間が経ってから入ろう、と思ったのだ。

なので、全部で3人いて、本当に良かった、とひなのはヒヤヒヤしていた自分の心を落ち着けた。


入ったとき柚果は自分の飼っている猫に、赤ちゃん言葉で話しかけていた。

それもさ~~可愛かったんだよなぁ。

他の人が言うと「え……」と思う言葉でも、好きな人が言うと可愛いと思ってしまうもんじゃないですか~~?違います~~?? 笑 

恋してる乙女あるある~~てね。


そのあとも雑談が続いた。ひなのは彼女らと洋服のブランドについて話したのが、すごく楽しかったし、嬉しかった。

そのあと柚果はみんなに質問をした。

「みんなは、兄弟いるの~~?」ってね。


これもやっぱり、みんなが話しやすいように、考慮して放った言葉達なんだろうなとひなのは思った。それで、やっぱり素敵な人だよな、と思ったわけ。

そのあと、う~ん。どれくらいだろう?

40分くらいそこにステイした。少しでも彼女の情報が知りたくて。


服部、少し脱線しま~す!!

ねぇ、好きな人の情報って、何でもいいから知りたいと思いません?(良い情報、ね)

家族構成とか、好きな食べ物とかその他諸々……。

不思議だよねぇ、何とも思っていない人のことは、全然気にならないのに。


その日は配信を楽しめて、ひなのの心はこの上なく盛り上がっていたのさ。

このあと、崩れさることも知らずに。


次の次の日かな?

ひなのは柚果にこんな風にラインを送った。

「こないだは配信に行けて楽しかったよ~!また行くね♪」

そしたらさ、柚果自身も楽しかったよ!って返事をくれた。

ひなのはお互いに、楽しかったと伝え合えたことが、心の底から嬉しかった。

で、あまり脈略はないが、気づいたことを続けた。


「そういえばさ、こないだね、DMでいきなり告られたのよ。

というか結構しつこくて、何回も付き合って、とか言われてたのね。

それで、あ~わたし、この人と同じことを柚果にもしたんだなって思ったのよ。

あんまり知らないのに、いきなり告ったりしてさ。だから、柚果もびっくりしたと思うし、困らせたなぁと思ってさ。

だから、今更だけどごめん!この人に同じことされて、初めて気づいたわ。

いきなり言われたら、そりゃあびっくりするし、戸惑うよね。

考えなしだったわ。言われた相手のことを考えられていなかった。本当にごめん!」


そのあとの返事として柚果はこう送ってきた。

「まったく同じ気持ちではないかもしれないけど、共感できる部分があったなら嬉しいよ。

あとはそのDMの件を無事に解決できるといいけど」

そのころのひなのは、こんな風に真剣に言葉を選んでくれる柚果のことが大好きになっていた。

だってさ、すんごいギャップじゃあない??

普段、配信のときはあんなに口が悪くて、ヘラヘラしてるのに、こんな風に真剣で誠実な面を知ってしまったら、そりゃあドキドキするし、好き!ってなるじゃん?

そう、女ってギャップに弱い生き物だよなぁ~~~~!

って、つくづく思う。そう思いませんか~~??


で、もう1つ嬉しいこと。

そう、DMのことを気にしてくれた!ってこと。

それってさ、つまり、その告ってきた男との事が気になっているんじゃないの?って思ったわけよ、ひなのちゃんは。

「え〜〜♡気にしてくれてるぅ~~」てなったよね。

だから、すぐ送り返した。

「解決ねぇ~~。でも、何回も言ってくるから言ってやった!

ごめんなさい。好きな人がいるので、付き合えませんって。

そしたら、諦めません!頑張ります!とか良く分からないことを言ってきたよ~。

ね、このあと、何か返事した方が良いと思う?」ってさ。


そのあと、続けたのはこの言葉達。これも全く脈略ないんだけど。

「わたしさ~、こないだ柚果の配信に行って改めて、柚果は素敵な人だと思ったよ。

なるべく、空白の時間がないように、独り言でもいいから、話し続けてるって言ってたじゃん?

それ聞いて、本当にリスナーのことを考えてるって思ったよ。

会話でも、みんながうまく話に入れるように気を使ってるのかもな、とも思ったし。ただ単に、ヘラヘラしてるわけじゃあなくて、周りを見ながら調整かけて配信しているんだと思った。(違ってたらごめん)

素敵だね。なかなかいないよ、そんな人。

わたしはそんな柚果が大好きだ。

今回の配信に行って、さらに惹かれた。

あと、人の目が気になるのはわたしと一緒だと思った。人の目を気にしながら生きるのは、時にすごくしんどいよね。

これからも、無理せず配信しなよ。

周りを考えすぎると疲れるからね。

分かってる人は、ちゃんと分かってるから。

わたしはいつも柚果の味方だよ~!なんかあったら言いなよ!愛してるぞ~~~♡」


てな具合に。

今回もね〜、めっちゃストレートな言葉達を選んだよ。

女の人ってさ、ストレートな言葉好きじゃない??

「好き」とか「会いたい」とかいろいろ。

でも男の人って、あんまりそういうの言わない人が多いイメージ。

もちろん、みんながみんなじゃあないことも、分かってるけどさ。


話戻すね!


こっからがね、悲しい結末なんですよ……。


なんとね、この返事


何日経っても返ってこなかったの!!!


そのころの柚果は最初のころの一週間スルーとは違い、遅くてもだいたい2日に1回は返事をくれるようになっていたのさ。

だからこのときもいつも通り、2日後には返事をくれるだろうなぁって思ってたのね。

そしたら、2日経っても3日経っても返事は来なくて。

それまでずっと、その頻度だったからいつも通り、いや、いつも以上にカナリ不安になった。

「え?どうしたんだろう。なんか悪いこと言ったかな?」なんてさ。


それからひなのはラインの通知が来るたびに、柚果かな?柚果かな?って思った。だけどさ、いくら待っても彼女からのラインは返ってこなかったの。

待っても、待っても、待っても……。


ひなのの心の中は

「なんで?WHY??」で溢れていた。

いつも通り、エリナさんに話したら

「何かで忙しいんじゃないですか?そのうち来ますよ!」って言ってて。

でもひなのはそうは思えなかった。

「だって今まで、2日に1回は返事をくれていた人が、こんなによこさないなんて、どう考えてもおかしいじゃん」ってね。

そしてひなのは悟った。もう返事は来ないだろうってね。


「ねぇ、柚果。

わたし、もう返事が来ないって分かっているのに、どうしてこんなに切ないの?」


ひなのはそのあとも待ち続け、苦しんだ。

「なんで?何があったの?どうして返事してくれなくなったの?」それしか頭に浮かばなくなっていたから。


そして返事がこない理由を4つ考えた。

①ひなのに飽きた。どうでもよくなった。

②ラインがめんどくさくなった。(そもそも元からめんどくさかった)

③話の中に出てきたリスナーのAさん、Hさんを好きになった、もしくはそのどちらかと付き合うことになった。

④ただ単に忙しい、もしくは他のことで頭がいっぱい(例えば、配信とか他の趣味のこととか)


この中なら、④であって欲しい。だって、それだったら、忙しくなくなった時に、また返事くれるかなって期待できるから。それ以外の理由は、考えるだけでひなのの心を凍り付けた。


②だったとしたら、旅行先であんなに丁寧な返事をよこしたりするだろうか?じゃあこれでもないのか?


③なら、柚果のことだから、好きな人ができたり、だれかと付き合い始めたなら正直にひなのに言うんじゃないかな?と思った。


続けてひなのはこう考えた。

「最初のころ、告る前は普通にスルーとか1週間後にリアクション1つだった柚果が、最後の方には文章を何行かに分けて、とても丁寧な返事をくれるようになっていたのに。

どうして、こうなったんだろう?

わたしがやってきたことは……。大切に育てた種は無駄だったんだろうか?

こんなことってないよな~こんな終わり方ってある??これからじゃなかったの?」

ってね。

超絶マイナス思考だとは分かっていても、こんな風に考えずにいられなかった。


でも、ひなのは最初から分かっていた。

「柚果が自分を好きにならないことも、付き合うことにならないことも」


そう、最初から。


ひなのはこんな風に柚果に聞いてみた。心の中で、ね。


「ねぇ、柚果、教えて欲しい。

どうしてわたしが告白したとき、あんな風に……。

今はまだ付き合えないけど……。

なんて言ったの?

見込みがないなら、ハッキリそう言って欲しかった。

付き合うことはないよって」


期待させて欲しくなかった。

期待した分だけ、悲しくなるから。


これが柚果との最後のやりとりになるなんて、ひなのは全く予想していなかった。だから突然の終わりに、自分の心さえ、終わってしまったのではないか、と心配になったほどだった。


彼女との関係は、思えば本当に、ゆっくり少しずつ水を与えた種のようなものだった。

最初は小さくて、小さくて。

でも、少しずつ少しずつ芽がでて、結構大きな実になった。

だから、これからだなって思ってた矢先。

ショックを隠せなかったのよね。


でも、苦しかったひなのの心も、日が経つごとに回復していったのも事実で。


まず、ラインの通知が届いても、柚果かな?って期待することがなくなっていった。

さらに、配信の通知が届いても、不思議と声を聞きたい、行ってみたいという気持ちにならなくなっていた。

これが「時間が解決する」ってやつだな、とひなのは身に染みて分かった。


「不思議だよね、あんなに好きだったのに。

時間が経つにつれて、薄れていっちゃうんだもんね」


心が楽になればなるほどに、その人を忘れていく。

これが喜びなのか悲しみなのか、ひなのには分からなかった。


みなさんも、経験したことないですか??

時間とともに、好きだった人を忘れていく感覚。

たぶん、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。服部はあります!

共感してくれたら、嬉しいな♡


というわけで、これがひなのと柚果の物語。短い間だったけど、ひなのは柚果という素敵な人に出会えて、いろんなことを感じ、考え、彼女のおかげで良い女度がUPしたと思ったみたい。

やっぱり、なんだかんだ言って、経験が人を成長させる。

服部はそう思います。


これもひなのがだいぶ悩んだことだったけど、もし柚果がAさんやHさんと出会う前に……。

いつでもいい、半年前でも一年前でもいいから、出会えてたら、ひなのにも可能性があったんだろうかってね。

ライバルがいない時なら、好きになってもらえたんだろうかって。

でもきっと、今、出会うべくして出会ったんだ。なぜなら、簡単にスルっと付き合えたなら、それこそ、ここまで経験したり学んだりして、成長することはなかったと思うから。

簡単じゃないからこそ、たくさん学んで成長することができた。ひなのはそう思ったみたいです。


これは、ひなのが心の中で柚果に送った手紙。


柚果と過ごした数ヶ月間、

たくさん悩み苦しんで、たま〜に嬉しいことがあって。

あ〜わたし、恋してるって感じたよ。

柚果に出会えて本当に、よかった。


でもね、

最後の最後に一つだけ伝えたいことがあったの。




「柚果のことが、

好きで好きで、仕方ありませんでした。

なぜだか分からないくらいに……」

ってね。



  


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