第七話 明日に備えながら
家に帰り着いた私はまず死体を家の近くに埋めます、家は広くないので出来るだけスペースを空けておきたいからです。
死体を埋め終わったら次は罠の点検です、罠に何もかかっていない事を確認したあと罠を整備します。
整備といっても埋まっている罠を少し覗いたり位置を改めて確認するぐらいですが数が多いこともあってそれなりに面倒な作業です。
まぁ、もしいざという時に罠が作動しなかったら困るのは自分なので面倒でもしっかりと整備します。
それも終わると家の中に入り早めの夕食をとり始めます、夕食といっても私がお腹を壊さないギリギリを攻めた腐肉と水、後はたまに拾ってきた食べ物が並ぶくらいなので夕食というほど大層なものではありませんが。
夕食を食べ終わると私は寝床に入りいつでも寝られる状態を整えます、後は明日の計画を立てた後寝るだけです。
今日の実験で私の死霊術の腕に関してはある程度把握できました、なので明日からは本格的にお金を稼ぐために動こうと思います、具体的にはギルドを利用します。
ギルドと言うのは商業連合が運営する組織で個人、組織問わず様々な依頼の仲介を行います、私みたいにお金を稼ぐ伝がない人間には大変ありがたい組織ですね。
ギルドで今の私が受けられる仕事は簡単な素材の調達や戦闘の数合わせぐらいになりますが今の私はありていに言って普通に弱い部類ですし信用もあったものではないのでしょうがないことです。
どんな依頼を受けるかは実際にギルドに行ってからではないと決められませんが危険な依頼を受けるわけにはいかないので依頼をよく吟味する必要がありそうです。
明日の事は不安ではありますが楽しみでもありますもし初依頼がうまく行ったら何か美味しいものを食べましょうそれからどんどん依頼を達成してどんどんランクを上げてどんどんお金を稼いでゆくゆくは安全な場所に家でも買ってそこで適度に働きつつ贅沢な暮らしを、、、いけませんすっかり浮かれてしまっていました、こんな浮かれようだと明日何かミスをするかも知れません、少し落ち着きましょう。
それでも明日への期待と興奮で胸が躍りその夜は中々眠れませんでしたが時間が経つにつれ瞼が自然と降りてきます。
私はその日の夜私らしくもなく明日への大きな希望と共に眠りにつきました。