第四話 洗濯屋への道中
今向かっているのは洗濯屋です、何かの隠語というわけではなくいたって普通の洗濯屋です。
ゴミ山と言っても沢山の人が住んでいるので当然様々な物の需要が生まれます、そして需要があるということはそれを供給することを仕事にする人もいます。
今から行く洗濯屋は私の数少ない友人がやっている洗濯屋で労働力として死体を貸しています。
私の死霊術で遠隔操作した死体は精度が落ち、定期的に掛け直さなければいけませんが簡単な指示ぐらいな聞けるようになります。
今後は掛け直しが必要なくなるぐらいには遠隔操作と死霊術の持続時間を鍛えたいですね。
死霊術の説明をしたところで今の私が何をしているのかというと洗濯屋に向かいがてら落ちてる死体を片っ端から操作し引き連れています、かなり目立ちますが自分が操れる限界を知るためにも必要なことです、今のところ操っている死体は家から連れてきた三体、元々は五体いたのですが死霊術の実験で二体ほど使い物にならなくなってしまいました、あとは落ちている死体の内自分についてきている十三体なので合計で十六体になります。
それしか死体が落ちていなかったのか?と思うかもしれませんが死体はゴミ山に捨てられるゴミの中でも割と競争率が高く、捨てられる数自体は多いのですが欲しがる人も多いので大量に手に入れるのは中々難しいです。
足が損傷して速度が出ない死体は邪魔なので放置しているのもあると思いますが今連れている死体の内十四体は解体されたのか腐ったのかわかりませんが白骨化していると言えば競争率が高いのがわかるでしょう、ですが肉や臓器、素材になりそうな部位と比べて骨は比較的競争率が低く骨でも操れる私としては幸いと言えるでしょう。
そんなゴミ山の死体事情を解説しながらもゴミ漁りは忘れません、目についた物を回収し死体に持たせます、家具や布捨てられた武器を回収しておくと必要になった時や他の住民との物々交換に役立ったりします。
特に狙い目なのが記憶結晶です、これはなんなのかというとこのゴミ山にゴミを捨てているグヴィネツという町で勢力をもつ魂輝会という組織が関わっています、この魂輝会という組織は彼ら曰く芸術家らしく原理は不明ですが人間の魂を空に向かって発射し爆発させます。
私も結構な回数見ましたがこれがとても綺麗でその時度に寄って全く違うものになるのも面白いところです。
少々話がずれたので話を戻すと発射された魂は爆発と同時に記憶や経験をまき散らします、この撒き散らされた記憶と経験が物に宿り記憶結晶になるわけです、こんな感じでできるので結晶と言っても形は様々です。
そうこう言っているうちに洗濯屋が見えてきました、もう少し話したいところですがもうすぐ到着するのでこの話は一旦終わりにしましょう。