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14.グロスタープレイス


 書棚に提げられた『閲覧可』の札に、フレディは顔を歪めていた。立ち入りを禁じ、鍵までかけた部屋の本に、可も不可もないだろう。


 侵入を予想されていたのかと思うと、なんとも矮小な気持ちになる。踵を返して出て行くべきだろうか。それを狙われているのだと思うと、また重ねて不愉快なのだが。


 『可』と言うのなら、つまりは『可』なのだ。あの男に関わるというもこうだ。フレディは手を伸ばし、左端の本を引き出した。


 色の変わるほどの月日が流れている過去の記録。こんな詳細はもちろん知らない方が楽だというのに、知らなくてはならない立場に立ってしまうことになるのは、揺らぎようもない宿命ででもあるのだろうか。


 恐ろしい話だ……。関わっていることの歪みがじっとりと身に滲みる。知るはずのないことも、知るべきではないことも、自分の元には集まりすぎているのだ。


 凡庸にただ日々を送りたいという、ささやかな願いが滞るのはそのためだと思う。ただの毎日。人生に疲れた男が夢に見るような。


 そんな想像をした自分を哀れに感じ、埃も飛ぶような息を吐く。



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