インプにフローズンミルク
作者は記した。
『ロボットは、ローラを手で掴むと、
コアにフローラを入れ込んだ。』
すぐさまに、ロボットは手の様な部分を動かして、
ローラを乱暴に手で掴んだ。
(うぐぐっそんな乱暴にしないで、苦しい!)
ローラは苦しみながらロボットを見やる。
もう片方の手には、
知らない誰かが、同じく握られていた。
握られて、苦しそうにしている誰か。
(え、誰ですか?)ローラは心で会話した。
(はい、私は通りすがりのフローラ、あっ)
フローラはロボットの手によって、
ロボットの胸に在ったコア、の、様な部分に入れ込まれた。
(フローラさん!?何で?!)
ローラは事態を把握する為、読み返してみた。
そして、気づいた。
(ヒロインの名前すら、間違えるなんて、、)
ローラは詠唱する。
(仕方無いわ!奥義「書止誤消」!)
すると、作者の記しの内容が変わる。
『ロボットは、ローラを手で掴むと、
コアにローラを入れ込んだ。』
そして、ロボットから声がした。
(あ、あ、あ、消えて‥)
(フ、フローラさーーん!)
フローラは消失した。
やがて、ロボット編の物語は、盛り上がる事なく、一話で終わりを迎えた。
その晩、クタクタになって、帰宅するローラ。
「ダメだ、こんなんじゃ全然盛り上がらない。」
インプメーターを確認するが、
「1!一日中で、1?!瀕死だ汗汗。このままだと、0になっちゃう、、」
「私は、ただ、作者様と、ずっと一緒に居られるだけで良い。
インプなんか無くったって。
でも、このままだと、もう書いてくれなくなっちゃうかな、、」
一人落ち込むローラ。
「呑みにでも行こうかな、フローズンミルク。。」
行きつけの店を思い浮かべ、フローズンミルクを思い浮かべる、ローラ。
はっ!
フローラさん!
ローラの頭に閃きスイッチがピカる。
「そうだ!新しいキャラでカンフル剤だぁー!」
そして、ローラは詠唱した。
「奥義、勝手創造!」
作者の記した文に加えられる文章。
『フローラは、ローラの下僕として、遣える事になりました。』
「も一つ奥義!駄目消無!
ローラの作成した文章が、ロックされた。
「ローラ様、おかえりなさいませ!」
詠唱を終えると、ローラの前にはフローラがいた。
メイド服をしっかりと着こなし、ニコニコと20歳代位の煌びやかなオーラを放ちながら、ローラに会釈した。
フローラに抱きつくローラ。
「良かった、また会えて。」
「はい、ご主人様のおかげです。」
「ねえ、フローラ、ロボットでフローズンミルク飲みに行こう!」
「はい!ご主人様!」
二人は、ロボットに乗り込みながら、
ゴゴゴゴゴと、音を立てて、お店に向かった。