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嘘の関係



 学園内のハインツ教室にはいつもは居ない生徒が居た。


「アルマちゃん久しぶりの学園だけど大丈夫? 困ったことがあったら私にどんどん頼ってよ!」


「へは? ありがとう……ベーアは変わらないなぁ」


 アルマは制服を着てしっかりとした姿で登校してきた。ヒノとシロガネとロウ以外はアルマの元へ集まっている。


「あの子がアルマ・ラフトさんか」


「フルネームを何で知ってるんだよお前」


「アンナから聞いた」


 2人は教室から出て帰りの道を進む中シロガネが窓の外を見て呟いく。


「あれってロウさんじゃないか?」



 シロガネの言葉を聞いてヒノは窓の外を見ると、そこにはロウと見知らぬ男がいた。見た感じ告白されている最中のようだ。


「あれってもしかして告白なんじゃ」


「へぇー」


 ヒノはどうでも良さそうに振る舞い帰りの道へと歩き始める。シロガネは呆気に取られるが直ぐに後を追った。


「最近ロウさんって男子から人気らしいな」


「どこ情報だよ。急に優しくなったからか?」


「ああ、アンナが「信念がない」って言ってた」


「好かれると女は大変そうだな」


 ロウが優しくなってから勘違いした男子生徒が急増していた。そこでシロガネは気になった事をヒノに質問する。


「そういえばその体になってからも、まだそういった感情は湧かないのか?」


「たぶん?」


「そっか……あっ俺アンナと仕事があるから。じゃあな」


「随分仲良しだな」


「アンナはいい奴だからかな、一緒に仕事しやすいよ」


 シロガネはそう言うと走ってどこかへ行ってしまった。


 ヒノは1人で学園の門まで到達する。


「ヒノ。一緒に帰っていい?」


 そこにはロウ・アイリスがいた。


「良いけど、さっきまで学園裏にいなかったか?」


「うん、呼び出されたけど話は直ぐに終わったから」


 どうやら彼はあの後直ぐに振られた様子だった。ヒノとロウは並び歩き始める。


「さっきのは告白だったのか?」


「……! そうだけど、私と彼は合わないと思うから断った。これで何回目だろ」


「あいつから何回も?」


「定期的にきてるよ」


 ヒノ言葉にロウは少しビクッとなるが冷静に答え始める。


「受ける気はないのか?」


「なんというか、彼とは合わないかな」


「合わないか」


「ヒノはそういうことはないの?」


「俺を好きになる奴なんているかな、いたとしても俺がなぁ」


「……?」


 ヒノの言葉を少しの疑問符を浮かべるロウ。


 そんな話をしていると帰り道に1人の男が立ちはだかった。


「やはりそうだったのか……! ヒノ・キョウヤ! アイリスさんを賭けて僕と決闘しろ!!」


「は???」

「はぁ……」


 突然訳のわからない事を言い出した男に対してヒノとロウは揃って呆れた。


「やっぱりそうだったんだねアイリスさん。その男がいるから! 僕の事を断ったんだね!」


「ヒノとはそういう関係━━」


「しかし! 彼は君には相応しくない!! 聞けば彼は君と戦った時、残る傷をさせたそうじゃないか!」


「(こっちも必死だったんだよ……)」


「そんな気遣いもできない男なんて碌でもない男に決まっているっ!」


「……」


 内心で呟くヒノと話を聞かない男に対して無表情だが怒りの感情を高めるロウ。


「お前めんどうだな。相手になってやるから掛かってこいよ」


「ようやくその気になったか。その野蛮な態度。このブリッツ・ブレインが正してやろう!!」


 そう言うとブレインは槍を生成すると、槍を演舞のように振り回しその後ヒノへと突進する。


「うおおおお!」


 気合いを入れた突きだったがヒノは装甲を纏った右手だけで槍の刃先を握り止める。


 いまの異能に慣れたヒノの戦闘力は一般の貴族では太刀打ち出来ないレベルになっていた。


「なっ!! この僕の槍が簡単に!?」


 驚いてる暇も与えない様にヒノは槍の先端を爆炎で粉々にする。


「僕の槍が……! ぐあっ!?」


 槍を破壊したヒノは直ぐにブレインを取り押さえ地面に叩きつける。


「話を聞かない奴と決めつける奴は嫌われるぞ」


 ヒノは一言いった後ロウは中腰になり、地にひれ伏したブレインに告げる。


「ヒノとはそういった関係じゃないから勘違いしないで。それにこの傷は気にしてない」


「そうなのか……勘違いをしてしまって申し訳ない」


 ブレインは納得した。ヒノは話を本当に聞いてないことに驚く。そしてこれで解決したかと思ったその矢先。


「じゃあまだ僕にはチャンスがあるということか……!」


「…………」


 ブレインの不屈の心にロウの表情は少し固まって暫く沈黙した後立ち上がり口を開く。


「嘘。本当はヒノとは前から付き合ってる」


「何だって! 本当なのか!? ヒノ・キョウヤ!」


 ヒノは何言ってるだとロウに視線を送るがロウはごめんと言った視線を送り返してきた。その意図を直ぐに汲み取り否定はしなかった。


「はぁ……そうだよ」


 嘘の関係を教えると、ブレインは大人しくなったのでヒノは取り押さえるのをやめる。


「……だが僕に勝った君にならアイリスさんを任せれる。必ず彼女を必ず守ってほしい」


「はいはい」


 ブレインは立ち上がりそう言うと握手を求めてきた。ヒノは渋々それに応じる。



 ブレインは2人に背を向けえ自分の家向かうが明らかに泣いていた。


「ごめんヒノ。彼はずっと前から付き纏われてたからつい」


「俺と組んでる時に毎回絡まれても困るから、別に気にしてない」


 ロウが謝るとヒノは気にしてなさそうに答えた。2人はまた並んで歩き始めた。


「ずっと前からってことは」


「?」


「(相当本気で根性あったんだなあいつ)」


 その後2人はいつも通り無事帰宅した。


 そして次の日の学園ではロウ・アイリスとヒノ・キョウヤの話題で持ちきりになった。


 クラスメイトには理由を伝え、誤解を解いたが他の人たちは勘違いしたまま学園生活が続くこととなってしまった。











 

 

ここまで読んでくださってる方がいるかは分かりませんが有難うございます。

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