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最後の謝罪



 生死が関わる出来事を終えたアイリスとアンナは寝つけないでいた。


「今日はお互い大変でしたね」


「うん」


 2人は一緒のベットで寝ている為簡単に会話が出来る。


「あの2人がいなかったら私達はもうここにはいなかったかもしれないと思うとゾッとします」


「……まぁヒノが居なければ私があんなことすることもなかったんだけどね」


「ま、まぁそれはそれとして。お礼をしなければいけませんよね」


 アンナは微妙な笑顔でそう言う。


「ヒノが喜びそうな物が思い浮かばないな」


「こう言うのは気持ちが大事なんですよ」


「そうなんだ」


「そうですよ」


 アイリスは少し考える素振りをすると。


「やっぱり思いつかないや」


「……じゃあ本人に聞いて見るのはどうですか?」


「そう……だね」


 話してるうちにアイリスは寝落ちした。


 アンナは今日の出来事を思い出したのか、アイリスに寄り添って寝た。死を感じた後だと彼女の体温はより暖かく感じた。


 次の日の朝。アイリスはいつもの場所でヒノを待ち受けていた。今日はアンナも居る。


「おはよ〜今日はアンナもいるんだな」


「おはようございます。昨日はありがとうございました」


 シロガネが一番に挨拶をすると次にアンナが丁寧に頭を下げ、お礼の言葉を送った。


「おはよう……」


「おはよ」


 ロウとヒノも挨拶を交わすと中央にヒノとシロガネ、サイドにロウとアンナが並んで歩き始める。


「ヒノってなにか欲しい物ある?」


「ん? 無いな」


「そう」


 これでアイリスの会話は終了した。


 そんな会話を聞いてアンナは呆れた顔をし、気を取り直してシロガネに聞いてみる。


「因みにシロガネは何かあります……?」


「俺も無いな〜」


「そ、そうですか」


 何も収穫なしで学園についたロウとアンナ。いつも通り授業を受け終えた午後。


「何も欲しそうじゃなかったね」


「そうですね。ですが何もしないという訳には」


 2人で話していると1人の女がやってきた。


「2人とも! なにかお困りみたいだね! 私が相談に乗るよ!」


 ベーアが絡んできた。


「ベーアには難しい話だと思う」


「そんなに難しい話だったの!?」


「馬鹿にしすぎですよアイリス」


「そうかな? だってベーアだし」


「なんかローちゃん私に対して辛辣!?」


 そんな話をしているとユウジがやってきた。


「よう、アイリス謝罪周りは順調か?」


「うん」


「そうか、じゃあそろそろ俺の相方を連れてきてくれ」


「……」


 笑顔のユウジにそう言われたロウは冷や汗をかき始める。


「まだ時期が悪いかもしれない」


「それ前も聞いたぞ」


「……」


 ユウジの言葉に更に汗が増える。


「え? もしかしてアルマの所にはまだ行ってないんですか?」


 アンナの質問にアイリスは冷や汗をかきはじめる。


「ローちゃん私も一緒に付き合おうか?」


 ベーアはロウに助け舟を出そうとするが。


「いや、これはこいつの問題だ」


 ユウジが船を壊してしまった。邪険な雰囲気にヒノも周りにいたリース達も気づき始める。


「ききょう、謝ってくる」


 少しバグりはじめてるロウを見て流石のユウジもやばいかと思ったユウジは船を再建しようとする。


「ヒノ、なんとかしてやってくれ」


「何で俺?」


「なにってお前は相方だろぉ? そゆことでよろしく!」


 それだけいうとユウジは教室から出て行った。


「(まぁ何か収穫があるかもだからいいか)」


 ロウの態度を見て、珍しい物を見れるかぐらいの気持ちでロウの謝罪についていくことになったヒノ。


 学園から出てガーデンの商業区を歩くヒノとロウ。


「今日会う奴はユウジの相方か。身内も再起不能にしてたのか」


「………」


 ロウは反応せずに下を向いて歩く。


「あんだけ嫌がってだって事は相当酷い事したのか?」


「……たぶん」


 ヒノの言葉に立ち止まるロウ。ヒノも止まってロウの方を向く。


「会う前にアルマの事教えておかないといけない」


「そうだな」


 ロウの説明を聞いたヒノ。


 アルマにやったことについて簡単にまとめるとこうだ。


 異能はロウも認めてるが根暗で根性なしな性格なせいで発揮出来ないのを矯正しようとボコボコにしてしまったというわけだった。


「いつもと同じ感じじゃないか?」


「……それを2週間続けた」


「あぁ……(結構根性あるんじゃないか? )」


 そう言うことかと言った呆れ顔をヒノはした。


「どうすればいいと思う?」


 普段助けは求めないロウ。初めてヒノに対して助けを求めて来た。


「2週間ボコボコか、相応の謝り方が必要だな」


「謝り方?」


 ヒノはロウに特別な謝り方を教え、アルマの家の前にたどり着いた。


「俺が中へ入れる様にする。後はお前次第だ」


「分かった」


 ヒノはロウにそう言うと扉にノックする。


「んあ? 誰だよもぉ」


 ボサボサ髪でタンクトップ姿の女の子が、嫌々扉の覗き穴を見る。扉の前には知らない男がいる。


「ど、どちら様ですか?」  


「荷物お届けに来ました〜」


ヒノはこのガーデンでも配達を頼んだことがあり、それを真似してみた。


「(あれ? 何か遺物頼んだっけ?? )わ、わかりました。今開けます」


 鍵を外してアルマが扉を開けるとそこには先程いた男ではなくロウ・アイリスが立っていた。


「あわわわわわ」 


「久しぶり」


 アルマはトラウマが蘇った様に動揺する。そして扉をおもいっきり閉めようとするが。


 ガンッ


 ロウが氷を挟んで閉めるのを妨害する。


「ひぁあ!?」



 アルマは驚いて尻餅をつく。


「ごめん、ちょっと話がしたい。大丈夫……?」


 ロウはそう言いながらアルマの家へと踏み入る。


「何しに来たんだよぉ〜!? もう私はアイリスとは戦いたく無いよぉ!」


 アルマは尻餅をついた状態で後ろへ下がっていく。そして壁にぶつかったら頭を抱えて怯えはじめた。ロウは辺りを見回し両膝を床につける。


「ひっ」


 アルマはロウが何をし始めたか分からず怯える。


 ドンッ


 ロウは両膝をついて頭の額を床につける。


「ごめん」


「????」


 ロウが謝る姿を見てフリーズするアルマ。


「え? なにしてるの……?」


「今日は謝りにきた。貴方の気が済むのなら私を踏みつけてもいい」


 それを聞いたアルマはそんな事する素振りは一切見せずに暫く黙っていた。


 考えが纏まったのか、アルマは口を開いた。


「………そんなこと出来ないよ」


 アルマの言葉を聞いてもロウは決して頭を上げない。


「……」


「ユウジから聞いてたんだ。もう大丈夫だから戻ってこいって。本当だったんだ」


「……そうなんだ」


「もう立って。アイリスがそんなことしちゃだめだと思う」


 アルマはロウに触れて土下座をやめさせる。


「それでいいの?」


「い、良いと言うか私は怖くて逃げてただけと言いますか、とりあえずはまぁ……」


「そう……良かった」


 ロウは立ち上がると互いに何を喋っていいのか分からず気まずい空気が出来上がった。


「意外とすんなり終わったか?」


 隠れていたヒノがやってきた。


「あっさっきのお届けの人! こ、この人は一体?」


「俺はヒノ・キョウヤ。アンタがいない間に学園に入った」


「こここの人が!? (アイリスに勝ったってことはこの人も化け物じゃないかぁ)」


「明日から学園に来るならこれからよろし━━」


 ヒノは言葉を途中で切った。それだけ惹きつけるものが目に映ったからだ。


「これは?」


「それ? 遺物だよ?」


「遺物?」































 

 

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