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凝結していく意志



 ロット、ミーア、クロエとの話を終えて、ヒノとロウは帰り道が同じと言う事で一緒に帰っていた。そこでヒノは気になっていたことを質問した。


「そういえばあの3人とはどんな風だったんだ?」


「……それは」


 ロウは嫌そうに3人に何をしたかを語ってくれた。


 ━


 ━━


 ━━━


 異能訓練所の出来事だった。3人は過激なやり方は辞めてくれとロウに向かっていった。当然ロウは辞めるつもりはなく。ならば自分に勝てと3人に言った。


「それで本気なの……?」


 右手でクロエの胸ぐらを掴み吊し上げるロウ。ミーアとロットは既に氷の棘で身動きが取れない状況だった。


「こんな事はやめてください……」


 泣きながら掠れた声を出すクロエに対して容赦なくロウは問いかけた。


「貴方はガーデンがまた襲われて死にそうになった時に、やめてくださいって言うつもり……?」


「……!」


 その言葉にハッとなったクロエは必死にロウの手を振り解こうとする。


「弱すぎるよ……」


 ロウは壁に向けてクロエを思い切り投げ飛ばす。


「かはっ」


 土の壁は凹みクロエは気絶する。それを見たミーアとロットは叫び氷の棘を破壊してロウへ飛びかかる。しかし必死の抵抗も虚しく2人はそのままロウにやられてしまった。


「(……こんなのじゃダメ。もっと)」


 ━


 ━━


 ━━━


「こんな風だった……」


「そりゃあんな事されるわ」


「………!」


 ヒノの言葉にショックを受けロウは落ち込む。


「それでアイツらが強くなると思ってたのか?」


「え? まず私に彼等が負ける」


「ああ」


「……負けた人は当然私に勝とうとする努力をする」


「おう」


「つまりこれを繰り返すと、戦う度に強くなる」


「……」


 ロウの考えを聞き少し沈黙するヒノ。


「……まぁ間違ってはいない。が」


「?」


「それは俺みたいな奴にしか通用しないぞ。普通の奴は心が折れて逆に戦えなくなる」


「……!」


 ヒノの言葉を聞き、次はロウが沈黙する。


「……結局、私は間違えだらけだったのかな」


「間違いかどうかは誰にもわかんねぇよ」


「……」


「俺は今のお前のやり方の方がメリットは多いと思うぞ」


「そっか。私もできるならこっちのほうがい」


 ロウはヒノと並んで歩きながら夕空を見上げる。その顔は毒物が抜けた様に爽やかだった。


 しばらく歩いてヒノ達はラルナーの家の前までやってきた。


「そんじゃあな」


「ちょっと待って」


「?」


 ヒノがラルナーの家へ入ろうとするとロウはヒノを呼び止める。


「ヒノに対してお礼を、まだ何もしてなかった」


「あぁ別に後払いでもいいよ」


「まず一つとして、私が今からヒノに料理を作ろうと思う」


「料理? お前が?」


「うん」


「ん〜。じゃあ頼もうかな。丁度腹減ってたし(どんな料理作るんだろ)」


 単純にロウの料理がどんなのか気になったヒノは料理を頼む事にした。2人はラルナーの家に入る。


「ラルナーさんはまだ帰ってきてない?」


「ああ、おじさんはいつも帰り遅いからな」


「………ヒノは座って待ってて」


「ん? ああ、そうだ食材はそこの棚にあるから」


「分かった」


 ロウは棚を開けると冷気を発する吸収石が詰め込まれている。


 吸収石の説明

 吸収石とは水や火、冷気や光。色々なものを吸収して保存できる。使用する際は異能を使う感覚で開閉できる。


 冷気を保存した吸収石は少しだけ解放し、棚に入れる事で冷蔵庫の様にできる。


「…………(手際がいいな)」


 ヒノはロウが料理を作るのを眺める。しばらくして料理は味付けの段階に入った。


「ヒノ。少し味見してみて」


「俺が味見?」


「うん。料理は振る舞う人の好みに合わせないと」


「じゃあ遠慮なく」


 ヒノはロウが加工した素材を入れたものが入っている鍋を見る。

 じゃがいも、肉、玉ねぎをメインに、にんじんなどを入れた煮物。いわゆる肉じゃがという料理だ(ヒノは知らない)。ヒノは箸を使い肉じゃがを一口食べ始める。


「……ん、美味い」


「良かった。口に合ったみたいで」


「じゃあ早速食べようぜ」


「私は別に」


「お前もお腹減ってるだろ? 俺だけ食べるってのもなんか嫌だし」


「……分かった。食べる」


 しばらく二人で食事をしているとヒノが声を出した。


「本当に美味いなこれ」


「そんなに?」


「ああ。かなり俺好みな味かも。料理が上手いんだな」


「お世辞はいいよ……」


 ロウは自分の料理を美味いと言われ少し恥ずかしそうに食事をする。


「いやマジで美味しいよこれ」


 ヒノは素直な感想を述べ。食べる勢いを増し直ぐにおかわりを求めて鍋へ直行する。その姿を見てロウは少し笑った。


 元いた世界では味気のないものばかり食べていたからこの世界の食事は余計美味く感じる。


「そういえば今日もヤマトはアンナと採取の仕事行ってたんだったな」


「私もアンナからその事は聞いてる」


 その後ヒノはロウと食事をしてるとヒノとシロガネの部屋に繋がっている扉が開く音がした。


「あっ」


「げっ」


 何故かアンナに肩を貸したシロガネが現れた。二人はロウが居るのに驚いた様子だった。


「アンナ……?」


 シロガネに支えられぐったりしてるアンナを見てロウは駆け寄る。


「何があったの……?」


「えっと、これは」


「シロガネ……二人には正直に話しましょう……」


「……そうだな」


 シロガネはアンナを椅子の上に優しく降ろすと。


「何でこうなったかは俺が話すよ」

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