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暑さ防止?

作者: デベ

自己責任でお読みください。

歩いていた。

飲み会で同僚たちと飲み明かした帰りだった。

もう明け方なのかどこからか鳥の鳴き声も聞こえてきている。

きっかけは大したことではなかった。

石ころが転がったしたような音がしたのだ。

だからなんの気なしに振り向いてしまったのだ。

この時間ならランニングをしている人を見かけることもある。

もしくは自分と同じで飲み明かして朝が帰りなのかもしれない。

そう思っていたのだ。



【後ろを振り返るまでは】



思考が停止するより早く全速力で駆けだしていた。

生存本能というやつだったのかもしれない。

その選択は間違いではなかったと思う。

あの精神状態でよく走りだせたものだ。

その後はアパートに戻り、部屋中の鍵を閉めて布団に潜り込んだ。


自分がいつ寝たのかも定かではなかった。

目が覚めカーテン開けると日が昇り太陽が真上にあった。

安堵し一息ついた。

携帯を取り出し、昨夜一緒に飲んだくれた同僚の一人に電話をかけた。

同僚も寝起きだったらしい。

今朝の出来事を同僚に話した。

酔っ払って幻覚でも見たんだと笑われてしまうだろう。



「それ・・・俺も見たぞ・・・。」

同僚が固い声でそう言った。

その同僚は冗談が好きで最初はからかっているのろうと思っていた。

しかしそれにしては同僚の様子がおかしい。

心拍数が上がっているのが自分でもわかる。

「まさか・・・。」

同僚のその呟きで何を言いたいのかわかった。

怒号混じりにそれを否定した。

そんな訳がないのだ。

この世にそんなものは存在しないのだから。

言い知れぬ不安に襲われたが、その場は馬鹿なと笑い合って電話を切った。



次の日、その同僚は会社に来なかった。

次の日も・・・そのまた次の日も・・・会社に顔を出すことはなかった。

後からわかったことだが、飲み会の帰り道で見たモノ(・・)はその日の参加者全員の前に現れていたらしい。



そして、数日後、また一人、飲み会参加者が消えた。


前の彼と同じように唐突に姿を消してしまったのだ。

飲み会参加者に恐怖が訪れた。

次に人が消えたのはさらにそこから2週間後だった。

そうして参加者は次々と消えていった。

手紙もなく、忽然と自室から姿を消していった。

警察でも犯罪に関与しているのではと捜索が始まったが、彼らは一向に見つかる兆しを見せない。

それどころか行方不明者は増える一方だった。


ついには飲み会に参加したのは自分一人となってしまった。

私は自分も消されるという恐怖により自宅に引きこもった。

部屋の周囲、マンションの周りには警官が数人見張りについている。

引き籠る前に何か質問されたような気がするが最早覚えていない。

半狂乱状態だったのだ。


なぜこんなことになったのかはわからない。


しかし、どうしようもない現実だった。



私が人の髪の毛とおぼしきものに口を塞がれ、体中を縛りあげられているこの現状もっ!!



・・・そうしてその時の飲み会に参加したものは一人もいなくなった。


最後の犠牲者に至っては警察による厳戒体制の中から忽然と姿を消してしまったのだ。


警察の調べでわかったことだが、

その飲み会が行われた日に行方不明者が出ていたという。

彼らの同僚で新人社員のTさん。

警察では彼女がこの事件の最初の犠牲者ということになっている。

彼女は例の飲み会には参加していなかったらしい。

その当日に行方不明になった彼等と、近くにある公園に入って行ったという情報を最後に消息が掴めなくなっていた。

警察がいくらその森を探しても彼女の持ち物は見つからなかったという。

その代り、飲み会に参加した全員が最後に着ていたと思われる衣服の一部が見つかったそうだ。

部屋が暑くてイライラしてやった。反省はしていません。

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