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(4)召喚

「あなたが……あなたが初めてです。私の事を……ヒクッヒクッ……」


 突然泣き始めてしまった奇麗な(女性)を目の前にして、何をしてよいかわからない僕。


 くそ~、僕がイケメンだったらここで優しく慰められるのに、都会で色々あって田舎に逃げた僕にはハードルが高すぎる。


「そそそそ、その、落ち着いて下さい。大丈夫ですから。ね?ね?」


 あ~何を言っているんだ僕は!!何が大丈夫かも僕も良く分からないし!!


 お姉さんが不思議そうな顔をしてこっちを見ているじゃないか!!


 穴!穴が有ったら入るぞ!!穴!!


「フフフ、素敵な方ですね。静流様」


「ふぇ?」


 あっ、変な声出た。コレダメだ。嫌われた??


「静流様の願いのおかげで、魔神にかけられていた制約がようやく解けました。この天空の世界に留まって何千年でしょうか?幾度となくやりたくもない半ば拉致に近い召喚を実施させられ、未だ魔王討伐後の帰還を成し遂げた方はおりません。皆さん何故か新たな力を得て満足し、一部は結局魔王を名乗っている魔神には手も足も出ずにあの男の糧になってしまっていたのです」


 驚くべき事実!!さらっと言っているけど、これって絶望的なのかな?


「その、制約って?って、この質問、願いの一つになってしまいますか?」


「いいえ。貴方のおかげで制約は切れましたので、全てお話しします。ですが、願いに関してはあと二つと言う所だけは変えられません。申し訳ありません」


「いいい、いえいえ、滅相もないですよ。では、説明をお願いします」


「はい……」


 で、纏めると……魔神によって強制的にこの奇麗な人…天空を司る神様らしいけど、この人の力で、異世界の時間経過で10年に一度僕達の世界から定期的に無理やり数人召喚して、三つの願いを聞いた上で異世界に送り込まされていた……と。


 数千年この場にいたと言う事は、今迄相当な人数が魔王を名乗る魔神にチャレンジして、全員負けている事になるんじゃないかな?


 中には、異世界を堪能するだけの人もいたみたいだけど……


 それと面白い情報が一つあって、魔王討伐後の帰還は誰か一人でも願っていれば誰が倒そうが帰還できるんだって。


 仮にその人が死亡しても、結果的には召喚者の全員に適応されるんだってさ。


 制約で一部の事実を告げられなかった女神様は、本当に今まで辛かっただろうね。


 やりたくもない拉致(召喚)を延々とさせられて、死地に送り出すのだから。


 で、僕が色々相談して(・・・・)決めた残りの願いはこの二つ!


 魔物や魔獣を制御できるテイムの能力と、上限無く成長する眷属!


 自分の身に関しては、実際に現地で鍛えれば身体強化っぽい体術を得る事が出来るみたいだし、回復も回復薬が売っているみたいだからね。


 女神様と色々お話しすると、実は魔法も練習すれば結構使えるようになるみたいと言う事実が判明したよ。


 願いによって得た場合は他の人より早く行使できるし、少し強力な力ではあるけれど、そこから修練しないと伸びないのは変わらないんだって。


 この場所での願いでは、召喚者達は緊急的な力を必要とするはずなので、修練して得られる力ではなく即戦力となり得る魔法については、その説明なしに付与する事になっていたんだって。


 こう言った事情を話す事が出来ない状態であったので、今迄と全く同じ願いしか言ってこない今回の召喚者達も魔神の糧になってしまうのか……と相当悲しい気持ちになっていたんだってさ。


 そこにボッチ力の高い僕が真の表情を読み取って、願いを一つ使って制約を解除する事に成功したらしい。


 結果論だけど、ボッチ力も有効な時があるんだね。


 世間話をしながら情報を教える事は既に願いには含まれない状況になっているから、日本の事をここぞとばかりに聞いてみた。


 二つの世界での時間の流れは大きく異なっているので魔王討伐後の帰還時にはあの召喚された時に戻れるみたいだけど、この世界で死亡した場合には日本では存在していなかった事になるなんて、恐ろしい事を言われてしまったよ!


 もし数年後に討伐できた場合、体は元の状態になって魔法も使えないけど、希望すれば記憶は残して帰してくれるらしいから出来るだけ良い思い出を作りたいよね。


 その話の中で人の成長よりも魔獣の成長の方が圧倒的に早いとも教えて貰えたので、敢えて僕はテイマーと眷属を選択したんだ。


 色々と相談に乗ってくれた女神様に感謝!


 女神様としても同格の神同士は相手を滅する事が出来ないから、他力本願で申し訳ないけど、魔神を仕留めてくれると嬉しい!と懇願されてしまった。


 あの美しい顔が近くに来て見上げて来たら、男なら普通条件反射で首が上下に動くでしょ?


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