第9話 桜木ファミリー
ブックマークありがとうございます!!
頑張ります!!
第1回勉強会から数日たっています。
今日も桜木さんの家で勉強会だ。
ここ最近毎日桜木さんの家にお邪魔して勉強を教えて貰っている。
改めて考えると俺なんかが桜木さんの家に立ち入るなんて恐れ多いよな~
桜木さんが歓迎してくれているみたいだからいいけど。
ファンが見たら絶対殺されるな~
「お邪魔します」
「どうぞー。今お茶出すのでリビングで準備していてください」
「はーい」
今日は何を勉強するのだろう。
今日帰ってきた小テスト散々だったんだよな~
怖い、怖すぎるぜ。
「今日は帰ってきた小テストでできていなかった範囲を中心にみっちりやりますよ~」
「は、はい先生」
先生と呼んだらえっへんと胸を張り、ますますやる気が出てしまったようだ……
やべ、予想以上に気合入ってるわ。
これ俺生きて帰れるかな。
「そこ間違えてますよ? この公式を使うんです。昨日もやりましたよ?」
「あ、そうか。ごめん」
桜木さんがジト目で見ていた。
すんません。次からは気をつけます。
集中するぞ!!
「頑張りましょう!」
「うん!」
俺史上かつてないほど勉強している。
3時間はぶっ通しでやったぞ。
時間はもう18時。
もうそろそろ帰った方がいいかな?
「今日は両親とも帰りが遅いと言っていたのでまだ勉強していってもいいですよ?」
そうか、両親遅いのか。
ん? いや改めて考えると今俺は美少女と家に2人きりなのかよ。
落ち着け俺。
深呼吸500回しよう。スーハースーハースハスハスハスハスハスハ
なんかハスハス匂い嗅いでるキモイやつみたいになった……
まあ家に帰っても勉強に身が入ることは無さそうだしここは桜木さんに甘えようかな。
「じゃあもう少し勉強を見てもらおうかな」
「はい!」
なにそのキラキラした目!
そんなに勉強を教えたいのか。
よし、勉強再開だ!
――ガチャ
玄関のドアが開く音がした。
現在の時刻は18:10
たしか桜木さんの両親は遅くなると言っていた。
桜木さんは一人っ子らしいので兄弟姉妹の可能性は無い。
誰だ?
ただいま~! 日和いる〜?
日和! 会議がズレて早めに帰って来れたぞ!
「え?お母さんとお父さん! もう帰ってきたの?」
「え、ご両親? 俺どうする?」
「日和~ただいまーーーーーー!ってあれ?君は?」
「日和~お父さんがいなくて寂しかっただろう? 早めに帰ってこれたからもう大丈夫だよ......って君は誰だい?」
「もうお母さん、お父さん! 寂しいといっても朝とか普通に会ってるじゃんか」
「えーっと、僕は南楓汰といいます。 今は桜木さん、日和さんには勉強を教えて貰っています」
「ほほーう、君が噂の楓汰くんか。話は日和から色々聞いているよ。 昨日も......」
「お母さん!余計な事言わないで!」
「楓汰君、俺以外に娘を渡す気は無いぞ!」
「お父さんまで! やめてよ!」
えー、桜木さんの両親と遭遇しました。
何ともまあ賑やかな家族であります。
それにしても桜木さんは愛されているな。
そして桜木さんは親もつい弄りたくなってしまうようだ。分かるぜ。凄くわかる。
「南さんも何か言ってくださいよ!」
「日和さんにはいつも元気をもらっています。 いい娘さんですね」
「も、もう!南さんまで!」
桜木さんの顔がまたまた赤い。
両親もニヤニヤしてるし、これはエスカレートするぞ。
「楓汰君、今日はまだ時間あるかい?」
「ええ、妹に連絡さえ入れればまだ大丈夫です」
「じゃあ今日は晩御飯を食べていきなさい。 日和も喜ぶだろうし、ね?」
桜木さんのお母さんが意味深にウインクして桜木さんを見ながらニヤニヤしている。
「ありがたくいただきます」
「南さん!本当にいいんですか?」
桜木さんの目がキラキラしている。
桜木さんは感情の変化が分かりやすくて可愛いな。
おっと、妹に連絡を入れておかなければ。
《勝手にしろ!帰りにケーキを買ってくること。もちろん駅前のいいやつ!》
怒ってるな。まあケーキで許して貰えるならいくらでも買います。はい。
「ところで楓汰君は料理が上手なのよね?」
「まあ人並みには」
「この間日和にカレーを作ってくれたんだって?」
「ああ、はい」
「じゃあ少し手伝ってもらおうかしら」
「分かりました。お手伝いします」
桜木さんのお母さんはニヤニヤしながら俺に手伝いを頼んできた。
まあただで夕飯をいただくのもあれだし手伝うつもりだけどさ。
キャラの濃い桜木ファミリー、すごい。
桜木さんはもちろんお母さんもものすごい美人だしお父さんも何かカッコイイし。
桜木さんが弄られているのは変わりないけど。
よし、お手伝いスタートだ!!