第5話 不機嫌な妹
今回短めです、ごめんなさい
はい、しっかりケーキ買いましたよ。
この辺で最近新しく出来たケーキ屋で買った。
種類とかはよく分からないから店のオススメから数個買ってきた。
準備は万全。
いざ戦場へ!!
「ただいま」
「遅い! ご飯まだ? 遅くなるなら連絡ぐらいしてよ!」
「すまん。 ほら、ケーキあるから後で食べよう」
「ケーキなんかで私の機嫌が治るとでも思ってるの?」
「わかった。すぐ夕飯作るから待ってろ」
妹の名前は南 陽菜。中学2年生。
見た目は可愛い。体つきは……危ない、妹に殺される……。
最近冷たい。怖い。いつも怒っている。
桜木さんによるとこれは正常らしいから少し安心した。
どうやら俺が嫌われた訳では無いようだ。
あ、シスコンとかじゃないんだからね!
「おーい、出来たぞー」
「遅い」
「ごめんって」
「てかお兄は食べないの?」
「友達の家でカレー食べてきたから」
「は? お兄は外で食べてきたのに私はなんの連絡もなくただ待たされてたってこと?」
「す、すんません」
「てかお兄に友達なんて居ないでしょ?」
ぐはっ!!!
なんてこと言うんだ妹よ。
グサグサ刺さりすぎてやばいんですけど……
そこらのナイフより切れ味いいよそれ!
「いるぞ? 多分」
我が妹ながら言葉の攻撃力が凄まじいぜ。
だが諦めろ。
俺に友達がいないなんて言葉、効くはずがないだろう?
だって、俺自身が諦めの境地に達しているのだから。
なんか自分で言ってて虚しくなってきたぞ。
「本当に友達が居ないかなんて分からないでしょ?」
「その答えがもう語ってるんだけど」
「あ、」
「で? 友達でもない人の家でカレーを食べてきたわけ?」
やだ、妹が鋭すぎて怖い。
俺が学年の美少女の家でご飯を食べたなんて知ったら余計キモがられて下手したら通報されかねない。
よし、ここは長年培ってきたスルーを使うゾ!
「駅前のケーキ屋でケーキ買ってきたけど食べる?」
「おい話そらすなよ。まあ食べるけど」
「ちょっと待ってろ、持ってくるから」
冷蔵庫からケーキを取りだし、持ってきた。
このケーキで機嫌が治ってくれるだろうか。
「あ、このケーキ屋今話題のお店じゃん!」
「そ、そうなんだ〜」
妹の機嫌が急に良くなったぞ?
よ、ケーキ様〜。
今度もう一度買いに行きます。
感謝、永遠に……
「「いただきます」」
良かった、お気に召したようだ。
何とか話もそらすことが出来たし、今日の俺、なかなかやるじゃん!
よし、早めに退散して今日はもう寝よう!
忍び足スキルを発動してドアを開け……
「で、お兄。誰なの?」
「料理ができない友達のためにカレーを作ってきただけだよ」
「あっそ」
可愛げが無いなぁ~
そんなんじゃ彼氏出来ても振られちゃうぞ~?
見た目は可愛いから彼氏くらいは出来るだろうけど……
いや、もう出来てたりするのか?
「陽菜は最近学校どうだ? 彼氏の1人くらい出来たか?」
「うっさい、バカ、〇ね!」
あ、今日は結構話してくれたからつい。
後からネットで調べたら思春期の女子が父親に言われたくない言葉ランキングトップ2が「学校どう?」
と「彼氏出来た?」だった。
これはやらかしたな。
よく考えたら陽菜が機嫌悪いのって大体俺の発言のせいじゃね? と思ったが、気づかなかったことにしよう。
うん、おれは今日かなり頑張った!
寝て忘れよう! おやすみ!