第42話 学校祭3日目③
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白波さんたちと話したあと、俺は元の配置に戻った。
「楓汰くん、いい演技だったね~。練習してたの?」
「まぁ、夏休みにちょっとね……」
「すごかったよ!仮面王子さん?」
優め、からかいに来てやがる。
けど、褒められるのは素直に嬉しいから言い返せない。
「もうそろそろうちのクラスだよね~。あぁ、そうだな。どんな劇になるのかね~」
「楽しみだね~」
うちのクラスは原作を改変した美女と野獣だ。
台本とかまともに読んでないが、カオスではないよな??いや、間違いなくカオスだろう。
一部の女子が鼻血出して倒れてたし……
「あ、ミナミン!! さっきは仮面王子おつかれ~!!見てたよ~」
「さすがに気づかれてたか」
「そりゃ気づくよ~、あれで変装はバレるし。てかこれでひよりんのクラスが優勝だったらミナミンは裏切り者になっちゃうのかな~?」
「うわ、なんも考えてなかった。いや、クラスメイトは俺の正体に気づいていないはず……影薄いし」
クラスの裏切り者扱いは困るな~
でも日和のクラス、かなり上手かったから優勝ありえるよな~
まぁ、俺影薄いし大丈夫だよね……
「冗談だって!! なんでそんなネガティブに返すの! 一瞬戸惑っちゃったじゃん」
「あぁ、そうか。良かった~」
「ほら、私たちのクラスも始まるよ!応援しよ!」
「だな」
―――結果発表
『総合優勝は……2年B組!!』
おおお!日和のクラスだ!!!
王子役、なぜか仮面被ってたのに大丈夫だったのか
日和と白波さんが少し離れたところからこっちをみて、親指を立てていた。
こちらもサムアップ返ししておこう。グッ
「ミナミン、おめでとう」
「あ、あぁ。ありがとう?」
「これで晴れて裏切り者だね?ニコ」
「え?やっぱりその設定生きてたの!?」
「さぁ?どうかな?」
なんか最近緑川さんのからかいにも勢いがついてきてる気がする。絶対白波さんのせいだけどね。
「楓汰くん、良かったね!!」
「素直に喜んでいいものか……」
「いいんじゃない? 楓汰くんが演じたんだし」
「そうか……じゃあ良かった」
ちなみに俺のクラスは7クラス中5位というとても微妙な成績を残している。
だが、ほぼみんな満足しているようで、笑いあっている。ただ、原作者を除いては……
――なんで、私の萌えがなぜ通じないの……
近づかないでおきましょう。危険な香りがする。
―――某ファミレスにて
「おつかれさま~」
「おつかれ」
「おつかれさまです」
俺、白波さん、日和の3人で打ち上げを行っている。
今日の劇のお疲れ様会らしい。
「にしても日和の演技良かったよね~」
「うん、練習した甲斐があったね」
「ありがとう……」
顔を耳まで真っ赤にして俯く日和、めっちゃわかりやすく照れてるな。
「南くんこそ、いきなりとは思えない演技だったよ? クラスでは仮面王子の正体の話で持ち切りだよ?」
「そうです!楓汰さんのおかげですよ?」
「お、おう。ありがとう……」
日和たちのクラスメイトとは全く関わりがないからな。知ってる人からしたらバレバレな仮面変装でもバレないもんなんだな。
「南くんも照れてるね~」
ニヤニヤしながら白波さんが脇腹をつついてくる。
やめ、やめろ!!照れてなんかないやい
「白波さんこそ、悪女っぽくて良かったよ」
あれは100%演技とも言えないのかもだけど……
いつものからかいモードの白波さんっぽい所もあったしね……
「南くん?」
おっと、白波さんが睨みつけてきた。
あの人やっぱりエスパーなんじゃないか?
てか、その睨みつける顔とかも悪女っぽい。
「南くん?今なにか失礼なことを2回ほど考えたよね?ね?」
「いえ、なんでもございません。申し訳ございませんでした」
「よろしい」
うわー、マジで怖いよ~
ほんこわだよ~
「そういえば、楓汰さんは明後日の体育祭はどの種目に出るんですか?」
「うーん、たしか障害物リレーだったような、綱引きだったような……」
「自分の種目ぐらいちゃんと覚えましょうよ……」
体育祭嫌いすぎて忘れた……
なんで一日中あの熱いグラウンドの上で座らされてよく知らない人のリレーやらダンスやらを見なければいけないのか……意味がわからない。
ずっとエアコンの効いた教室で寝ていたい。
「ネガティブ思考やめましょうよ……」
「日和たちはなんの種目に出るの?」
「私は『借り人競走』です!」
「なにそれ」
どうやら借り物競走の人バージョンらしい。
お題が「~な人」みたいな感じになっていて、当てはまる人を見つけてきて、手を繋いで2人でゴールまで走るというものらしい。
あぶな、俺これやってたら誰にも声かけれないわ……陰キャキラーな種目だな。
「私は学級対抗リレーだよ」
「おお、さすが白波さん」
「すごいよね~。クラスで1番足速いんです、京子は」
運動神経抜群の白波さんはやっぱりリレーか。
花形種目だもんな~、声援ヤバそう。
「体育祭、楽しみですね」
「だねー」
「お、おう……」
「ほらー、南くんももっと楽しみにしなよ~。日和と私が走るところ見ててよね?」
「お、おう」




