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ベアトリス、駄弁る

誤字報告いつも助かってます!

「はいはい!いらっしゃいまっせ!」


「おお!なんか綺麗!」


 お屋敷の中は案の定な感じ。

 間取りも私の家と似ていて、よくある貴族の屋敷だった。


「とりあえず、おいらの部屋おいで!」


 他人の部屋に入るのは結構久しぶりだ。

 レイぶりかな?


 第一印象がストーカーだったレイ。

 そして、勝手に私を観察する……人間観察をしていたターニャ。


 あれ?


(私の知り合いって第一印象最悪な人しかいない?)


 そういうタイプの人って色々闇抱えてるんだよなぁ?

 だって、レイは目にクマができていたし、包帯巻いて、熊のぬいぐるみを大量に持っていた。


 じゃあ、ターニャは一体どうだというんだ!?


「入っていいよ!」


「う、うん」


 躊躇う気持ちもありながら、私は目の前の部屋に入る。


「あれ?」


「どうしたの?」


「案外普通?」


「どう意味?おいらはいつでも平常運転だよ」


 シンプルイズベストというべきか、断捨離しているというか。


 とにかく家具が少ない。


 意外なことに、服もそんなになく、数着だけのようだ。


「で、こんなところに連れ込んでなにする気?」


「文面だけ見れば、おいらが変態みたいに見えるからやめて?」


「まあ、なんでもいいけど。どうせくだらないことでしょ?おしゃべりしたいとか……」


「よくわかったな!」


 それだけなんかい!?


 でもまあ、私も会話を続けるために恋話持ち出すような頭とち狂ったような人なので、他人についてとやかく言えないんだ……。


 今、頭おかしい自覚あったんだって思ったやつ。


 シンプルに○ね。


「んで、聞きたんだけどさ」


「なにを?」


「人間の街ってどんな感じ?」


 なんだ?

 そんなこと聞くために呼んだのか?


「獣人の街とそんな変わらないよ?普通に物流もあるし、人もそれなりにいるし。強いていうなら、屈強そうな人は少なめかな」


 獣人に比べたら、やっぱり体格も細身の人が多い。

 畑仕事とか、肉体労働者はそれなりにがたいが良いが、それと比べても、獣人たちの方がマッチョが多い気がする。


「ふ〜ん、そっか」


 俯いてなにやら考えているターニャ。


 私の目はターニャが一瞬にやっと笑ったのを見逃さない。


 不思議に思いながらも、私は気にしないようにする。


「じゃあじゃあ、どんなものがあるの?」


「なにが売ってあるかってこと?食材と武器がメインだよ。大体はね」


「へ〜、じゃあ獣人とはちょっと違うな〜?」


 若干嬉しそうにしているターニャ。

 なんだかむかつくが、尻尾がかわいいので許す。


「どこが違うの?」


「え?あ、いや、それは……」


 今度は打って変わってしどろもどろになる。

 なんだというんだ!?


 めっちゃ気になるんだが?


 意を決したのか、大きく息を吸い、


「欲求満たす系のものが少ない!」


「娯楽がないってこと?」


「そういうんじゃないんだなぁ……」


「まあ、それは良いよ。で、他に聞きたいことはあるの?」


 天から光が差し込んだかのように曇った表情が一気に晴れるターニャ……。


(え?なんだったの?)


 とりあえず、もう少し仲良くなったら聞くとしよう。


「恋愛事情は?」


「いきなり話がぶっ飛んだね……」


「まあ、良いじゃん!獣人で言うと、二通りくらいあるけど、人間はどうなの?」


「普通に成人してから結婚したりして、男女恋愛が一般的だよね」


「うっそぉ!?」


「な、なになに?私変なこと言った?」


「男女恋愛が普通とな?」


 え?違うの?


「ヒントをあげよう!」


 いきなりクイズはじまったんだが?


「獣人は男が生まれる確率が高い!」


 それは聞いたことがある。

 七割男子、つまりはオスで、残りが女子って感じ?


「うん、そうだね」


「そして、獣人には屈強な戦士が多い!」


 これも知っている。

 って言うか、見てればわかる。


 いかつい人ばっかりだし。


「で?」


「つまり、戦場だと……あの……そういうのも溜まってくるんだ!」


「どゆこと?」


「察し悪いなぁ?つまり、こっちは同性恋愛と男女恋愛どっちもってこと」


「は?」


 え?

 なにそれ普通に意味わからん。


「戦場出るとさぁ?欲望がたまるんか知らんけど、男同士でイチャコラしやがる輩がいるんよ。っていうか、街中でもたまにいるし」


「なにそれ?そんなことってある?」


「あるんだよなぁ。異性同士でも、見せられるこっちはたまったもんじゃないよ……」


「もしかして、許嫁いなかったりする?」


「それよりも、そもそも好きになれそうな人が周りにいないんだよねぇ」


「仲間だ!」


 こんなところに運命の出会いが!


 私は別にもう恋愛に興味ないだけだけど。

 そもそも、早く一人でのんびり生涯過ごしていたいだけなんで、人生のパートナーとかまっぴらごめんなんだが?


「もしや、ベアトリスも?」


 コクコク頷く。


「「……………」」


 無言で見つめ合い、お互い友情の握手を交わす。


 本当の意味で友達になれたような?


 かなり歪んだ友達関係だが、別に良いだろう。


「っていうか、ターニャはどうして『おいら』って言ってんの?」


「そこ聞くか?」


「話してて結構気になる」


「そんなこと言われてもおいらはおいらだからわからん!」


「ま、そうだよね」


 おいらっていう女の子見たことないので、これはこれで良いかも?


「でも、おいら初めて分かり合えた気がする!」


「う〜ん、わかりみが深いわね」


「いっそのこと付き合う?」


「断る」


 その後も私とターニャは夕方になるまで駄弁り続けるのだった。



 ♦︎♢♦︎♢♦︎



「帰ったか?」


「はい、お父様」


「進捗は?」


「人間の街で作られているものは食料、武器がメインです」


「関係は?」


「良好、情報を聞くには良い駒となるかと」


「なら良い」


 ひとりぼっち


 それは辛いことだ。

 誰も自分の本当の気持ちに気づいてくれないで、わかったような口を聞いて近づく輩もいる。


 それを遠ざけてくれるお父様。

 お父様に少しでも役に立ちたい。


 誰に嫌われたって良い。

 それはもう今更の話だから。


 でも、それでも!


 “僕“は待ち続ける。

 いつか、自分を救ってくれる人がいることを願いながら。


 今日もまた“使える手駒“として生き続けるのだった。

中盤と一番最後の話の落差よ。


成人が十五歳で現実では二十歳、現在七歳で現実では十歳の知識量だと考えると、こんな感じの会話が行われることがたまにあるんじゃないか?という作者の勝手な妄想話です。


※序章です(その中でも中盤です)

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