傀儡の悩み
数年前のこと――
まだ、黒薔薇の幹部勢がまじめに幹部会の出席していた頃の話。
「あーもう!お前たちまじめに会議する気ないだろ!」
「ない」
「ないわ」
「ん」
「ねぇよ」
「おいマジでふざけんな!」
傀儡は悩んでいる。幹部会に出席してくる他の幹部たちはまるで協調性が皆無の奴らばかりだったからだ。
元々幹部であり、ボスの次に偉い立場だった自分がまとめなくてはいけないのは分かっていたが、勧誘してきたやつらは我が強すぎたのだ。
「えー……黒薔薇の今後の方針について……」
「そんなの良いから早く帰らせてくれない?」
「おい色欲……いっていいことと悪いことが……」
「あいにくと、それには私も賛成です」
「邪仙まで!」
「私もだ」
「ん、じゃあ私も」
「お前らマジで最低だな!」
出席しておいて何ですぐに帰ろうとする!?せめて話くらい聞けよ!
と、その時だった。
天井から何やら気配を感じ、すぐさま防御態勢を取る。無論守るのは自分だけ。
他の奴らは守らずとも自分で勝手防御態勢を取るので心配する必要はなかった。天井から凄まじい爆撃をくらい、それらを各々で対応する。
俺は影に潜んで、狂信嬢は素早い動きで避け、邪仙は結界を張り、色欲はその結界の中に入り込み、真獣は残骸を跳ね返すことで無傷で生き残った。
そして、天井から現れたのは、小さな少女だった。
「やっほー、暇だから遊びに来たよ」
「おいクソガキ!修繕費どうしてくれるんだぁぁぁあああ!?」
悪魔の少女や、他の幹部たちに頭を悩まされながら傀儡は今日も生きていく。