パフェは美味しい
閑話です。
「将軍、今日はどこへ行くつもりなの?」
「今日はあそこです」
将軍が指を差した先にあるのはスイーツの店だった。可愛らしい形をしたスイーツ「パフェ」というらしいが、それらがたくさん並んでいる。
将軍はこの国の王のような存在なので、列には並ばずそのまま席に案内された。どれだけ混んでいてもこれなのだから羨ましい……そして、抜かされても何も言わない日ノ本の市民も心が広い。
「ここのスイーツがとても美味しいと聞いたので、一度来てみたかったのです」
「一人で来ればよかったものを」
「あなたと一緒が良かったので」
「……そういう無意識発言やめて?」
整った容姿に、スラリとした体型……高貴さを滲ませる武装はとても美しいと思う。そんな人が鈍感な発言をしたならば世の男どもは全員発狂して気絶すること間違い無いだろう。
そうだろう?
と、私が苦笑いしていると、
「あなた、人のこと言えないですよね?」
「え?」
将軍が何を言っているんだこいつ……という目で私をみてきた。心外な。
「っと、パフェがきたみたいだよ」
やってきたはとても巨大なサイズであり、そのサイズ感は絶対に一人じゃお腹に入らないであろうサイズであった。
「うわー太りそう……」
「私はいくら食べてもこの体型から変わらないので」
「くそ!この天使め!」
将軍が軽く微笑む。
「ん?」
「どうしました?」
「そういえば、パフェひとつしかこなかったよ?」
「ああ、カップル用にしたので」
「……は?」
……パフェはしっかりと二人で食べきり、行ってみた感想は「パフェは美味しい」である。その後、将軍に友人との距離感の掴み方をみっちりとレクチャーするのはまた別のお話。