哀れな犠牲者
オリビアです!
どうぞよろしく!
そう挨拶をしてから三年ほどが経過した。
私はすっかりクラスに溶け込んでいる。
ただし、
「おはよう!」
「おはようございます」
「おはよう、オリビア」
「うん、みんなおはよう」
挨拶をしてくれるのは女子ばかり。
男子達は私の方を一瞥すると、どっかに行ってしまう。
もしかして私って、嫌われてるの?
自覚がないだけで、相当に嫌われてるの?
そう思って女子友に聞いてみた。
「あー男子達は恥ずかしいだけでしょ?」
「?」
「わかってないわねー!好きな女の子を前にして、平常心でいられる男がいるかっての!」
彼女曰く、私はモテモテらしいです。
思春期というのでしょうか?
それが徐々に流行り出して、私と本心で接してくれる男子はもはや絶滅危惧種だそうです。
一体どういうことなのでしょうか?
「あの、すみません」
「!?」
とりあえず、さっき私を一瞥していた男子に話しかける。
「なんで私と話してくれないんですか?」
「そ、それは……」
口籠る男子。
そして、集まりクラスメート達からの視線。
一部は意外そうに、一部は敵意剥き出しに……。
「すまん!」
「あ……」
そう言って彼は逃げ出しました。
(みんなひどいです……)
そう落ち込んで、次の日になりました。
「〇〇君と、オリビアさんが付き合ってるらしいよ!」
「まじか!」
という噂が流れ始めました。
どうしてこうなったんでしょうか?
ただの噂。
すぐに消えるだろう。
そう思って、何食わぬ顔で一日過ごしていると、理事長から呼び出しを受けてしまいました。
その理由は今流れている噂に関してでした。
もし、付き合ってるなら、教会に報告して進展を教えなさいという内容でした。
教会に対して初めて嫌悪感が湧きました。
そして、ついでにその〇〇君はフりました。
付き合ってくださいとお願いされたわけでもないけど、公衆の面前で……。
彼は私の平穏な日常のため、尊い犠牲になりましたとさ。