ユーリの最近の悩み
帝国スパイ時のお話です。
僕は猛烈に困っている!
その理由こそ……
「ほら!一緒にお風呂入りましょうね!」
「キュン!(勘弁してー!)」
ご主人様が僕と一緒にお風呂に入ろうとしてくるのだ。
やめてくれ!
ご主人様の綺麗な体を見てしまったら、僕の良心が傷んでしまう!
ご主人様ったら、僕のことをただのキツネだと思ってるらしい。
僕の気苦労は終わらないのだった。
♦︎♢♦︎♢♦︎
あれ?
今日は珍しくお風呂に誘われなかったな。
今日は、いつもの部屋とは違い、帝国という国の一室を貸してもらったのだ。
そこには、色々と壊し甲斐があるものがたくさん並べてある。
僕の暇つぶしといったら、これぐらいしかすることがない。
そして、いつも通り部屋を駆け回っていると、
「キュン?」
ご主人様の楽しそうな声が聞こえた。
「あははー」と笑っているので、何か面白いものを見つけたのか?
そう思って、僕はお風呂に向かう。
いや、決してご主人様を見ようとしているわけではないからね!?
あくまで何してのかなーって……。
お風呂までやってきて、大きな扉に阻まれる。
しかし、少しだけ隙間が開いていたので、僕は体を伸ばして開ける。
左手で壁に手をつき、右手で隙間を押す。
そうすることで、僕の弱々しい力でもドアを開けることができる。
ただし、ご主人様に僕の姿がバレないようにほんの少しの隙間だけ開ける。
そのはずだった。
のに、
「キュン!?」
普通にばれましたとさ。
今回は二足立ちしていたため、すぐに逃亡することができずに、ご主人様に捕まってしまった。
そして、胸のあたりに僕が寝かされ、お風呂に入らされる。
僕は恥ずかしくて死にそうだった。
視界のはじにチラチラと足が映るのだ、ご主人様の……。
綺麗だなと思いつつ、
「!」
その下が見えそうになったところで、僕は深く目を瞑るのだった。