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魔法補助魔法と放置プレイ

 魔力を増やすにはたくさん使って、たくさん回復すると段々増えるらしい。

 体力と一緒だ。


 普通は魔法障壁(マァヒ・ヴァル)を張り、他のみんなで魔法障壁(マァヒ・ヴァル)が維持できなくなるまで

 炎の矢(フェゴ・エクハ)などの攻撃魔法により削るというのが一般的な鍛え方らしい。


 事故も多く、炎の矢(フェゴ・エクハ)が残っているのに魔法障壁(マァヒ・ヴァル)を維持できなくなり、

 炎の矢(フェゴ・エクハ)が直撃して大やけどしてしまう。


 魔法障壁(マァヒ・ヴァル)はそれ自体、攻撃力がないので

 相手にぶつけるということはあまり考えられてこなかった。


 せいぜい盾で殴る程度の威力だと盾で殴るし、近接戦闘なら剣の方がいいし、

 魔力の消費は多いから攻撃するなら炎の矢(フェゴ・エクハ)の方を使った方がよほど効率がいい。


 あれから毎日、イレーネと二人で一日の講義が終わった後、街の外へ出て

 人気のない大きな音を立てても大丈夫そうな森林の奥の方で魔法障壁(マァヒ・ヴァル)を発動し、

 お互いに拳をぶつけ合うという脳筋まっしぐらに見える訓練方法で魔力の最大値を増やしていった。


 イレーネと見つけたこの方法なら魔力量の成長が早くなりそうだ。


 欠点といえば、とてつもない破砕音と反動が大きいため

 毎度後ろによろめいてしまうということくらい。


 やりすぎると人気のないところで2人して気絶してしまうため

 気を付けて殴り合う。


 毎日ヘロヘロになり、今日も頑張った、と言い帰路に就く。


 魔法の講義もマーリンの時代から勇者達の時代になり

 知っている言葉で作られた魔法が出始めた。


 印象深かったのはどんな魔法も強化することができるという

 魔法補助魔法ともいうもので、

(エロヒム)悪魔エサイムよ我が声を聴け」というものだった。


(エロヒム)悪魔エサイムよ我が声を聴け」は

 魔法を唱える前に発音し、その後いつもの炎の矢(フェゴ・エクハ)を使うと

 いつもの数倍の魔力が持っていかれるが応じた威力か量の

 炎の矢(フェゴ・エクハ)が出るというものだった。


 なんにでも使えるので重宝しそうだが消費量が多いため、

 やはりあまり使われてきていないらしい。


 講義をしてから実技という流れで魔法の習熟と戦闘訓練をして

 空いた時間を図書館に通い元の姿に戻る手段について調べるという日常を数週間、

 おとぎ話を含めるといくつかの可能性があった。


 一つ目は王位継承権をめぐって順位の低い王子が上位の王子に呪いをかけて

 カエルにした。

 英雄が湖に眠る鏡の秘宝で元に戻し英雄と王子は王と妃となったという話


 二つ目は悪魔が王に姿を変えて国を乗っ取った後、税を上げ、軽い罪でも処刑し、

 国を混乱に陥れた時に旅の召喚者が邪悪な魔力の残滓に気づき、

 姿を変化させる魔法を無効化する薬を使って悪魔の姿に戻し、

 討伐後その国の王となった話


 三つ目はバジリスクの大発生によりある村が石化させられ全滅した。

 しかし旅人とその仲間達がバジリスクを退治し、聖なる力が秘められた剣をかざし

 石に変えられた村人を元に戻したという話


 四つ目はゆく先々でだまされ、傷つきながらも人に施しをする旅の青年が

 人に化けた魔物に狙われた時に、不憫に思った女神がすべての虚構を見破り

 無効にするという真実の瞳を与え、魔物を討伐し、英雄となった青年の話


 五つ目は女神の沐浴を覗きに来た男に女神が水浴びが気になるなら

 あなたもいらっしゃいと言って女にし、男はそのまま女神の従者になったという話


 どれもこれも眉唾物だが不思議な世界での不思議な物だと思うと

 どれもありそうな気がしてくる。


 しかし、こうしてよく考えてみると

 ずっとだれかと入れ替わったと思っていたが

 変化させられたという可能性もあるのだな、と気づいた。


 むしろ呪いやら魔法がある世界なら入れ替わりより

 可能性としては高いのではなかろうか。


 そう考えたら髪もばっさりやってもいいし

 多少無理してもいい気がして元気が出てきた。


 どうせどうなっても自分の体だ!

 なんだか元気になってきた。


 元の体を取り戻したらこっちの世界にいてもいいし、帰る手段を探してもいい。


 何はなくとも元の体を取り戻す。


 あれから攻撃手段、魔法からの防衛手段を覚え、

 肉体強化なく剣を腕力で振って振り回されることなく

 素振りすることができるようになり(これが一番時間がかかった。)

 肉体強化のみで1対1でそこそこ戦えるようになった。


 イレーネはまだ苦手なところもあるが、

 秘密の魔力の強化特訓によってフィジカルの不利は

 魔法で補えるようになってきた。


 やっとここまできて物理攻撃からの防衛手段を覚えた。


 物理攻撃からの防衛手段は龍鱗(コン・カーラ)と言って

 最初から覚えてしまうと食らってからカウンターでごり押しするようになるため

 基礎を覚えてから覚えるようになっているらしい。


 これでやっと次の段階に進むということだった。


 進む、といっても練兵場でやることは変わらないらしい。


 講義内容が次に進むとのことだった。


 いい節目だったのでいつもの3人で打ち上げをして

 やっぱりロペスが一人で抜け出し、

 イレーネはやっぱり酒に飲まれたのでたまには放置して捨てて帰ろうかと思ったが

 飲み屋に放置は可愛そうなので筋トレついでに担いで帰り

 部屋の前に転がして置いたら次の日の朝、エリーとイレーネに

 ものすごく怒られた。


気に入って頂けたら評価、ブックマークしてくれるとありがたいです。

これからもよろしくおねがいします。

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