コント【人質】
「ゲラゲラコンテスト2」応募作品
コント【人質】
コント【人質】
・立て篭り中の犯人
・刑事
○立て篭り現場
刑事「状況は? ……人質を1人とって立て篭り中? なるほどな……よし、わかった。任せてくれ」
メガホンを取り出して呼びかける刑事
刑事「犯人に告ぐ、要求には出来る限り応える。だから、人質を解放しなさい」
犯人が建物の中から話す
犯人「うるせえ! 人質は解放しねえ!」
刑事「わかった! なら私が人質になる! だから、一般人の人質は開放してくれ!」
犯人「人質の交換だと? そんなことをして、こっちに何のメリットがある! ねえだろ!」
刑事「いや、メリットならある! この要求を飲んでもらえたなら、君の要求も通りやすくなるだろう!」
犯人「なるほどな……。だが、それだけではまだ弱い! 交換の際に突入されるリスクもあるだろ! それを上回るメリットがないと応じられない! 他にはないのか!」
刑事「わかった! なら、これを見てくれ!」
スクリーンが登場し、パワーポイントで作成されたのスライドが映し出される。
一枚目のスライドには「私が人質になるメリットランキング」の文字。
刑事「私が人質になるメリットランキング〜!」
犯人「なんか始まった!?」
刑事「早速参りましょう、第5位!」
刑事がリモコンを操作し、スライドが切り替わる
刑事「家が金持ち!」
犯人「一つ目から他人頼み!? あんた自身のことじゃねえのか!?」
刑事「でもこれ、身代金要求する側からすればかなり魅力的ですよね?」
犯人「う……確かに……」
刑事「お、一つ目から興味惹かれてますね〜」
犯人「うるせえな……。なんだそのテンション、刑事のテンションじゃねえぞ……」
刑事「ではでは! 続きまして第4位!」
犯人「くそ、ウザいけど続きが気になる……これがランキング形式の魔力か……!」
刑事「第4位は……父親が銀行員!」
犯人「おおっ! これは人質としてはかなり魅力的!」
刑事「そうでしょう! 金持ちの一家という要素に加え、お金を具体的に動かす能力を持った肉親もいる! これは魅力的ですねぇ〜!」
犯人「なんだその実況解説みたいな喋り方……どうしてそんな楽しそうに話せるんだ……。プレゼンが通ったら人質になるってこと覚えてんのか……?」
刑事「さぁさぁ! 盛り上がって参りましたね〜! では、第3位! ババン!」
犯人「徐々にテンション上げて来てんのも腹立つな……」
刑事「第3位は、祖父が父の銀行の執行役員!」
犯人「えぇー!? 銀行一家!? 普通に凄い! なんだこの家系自慢! お金に関係する仕事どころか実際に動かす決定権も持ってるのか!」
刑事「そう! 人質としてこれほど優秀な人材はいないでしょう! まさに人質界のエリート!」
犯人「おぉ……親の金ですげぇ威張ってる……なんて清々しいんだ……人質にエリートもクソもねえだろ……まぁ、確かにここまで人質向きの人材もねえけど……」
刑事「ではでは! ダメ押しの第2位! ななななんと! 親戚がぁー!? 副警視総監!」
犯人「おおおおおお!! 完璧じゃん! もう要求がダイレクトに通るじゃん! 金も権力も揃っちゃったよ! よっ! 人質界のエリート!!」
刑事「ハッハッハッ! まさに人質になるために生まれてきた男!」
犯人「そんな堂々と言えるようなことじゃないけど、不思議と頼もしく見えてきたぞ!」
刑事「そ・れ・で・は! この勢いに乗って第1位の発表と行きましょうかぁ!」
犯人「おう! 俺の中ではもうほとんど答えは出てるけど、ここまで来たら付き合うぜ! 何よりこれ以上、何があるのかワクワクしてる自分がいる!」
刑事「では、そのご期待にお応えしましょう! 生えある第一位は……!」
犯人「おぉ……」
刑事「友達が足立梨花の知り合い!」
犯人「弱っ!? 一位、弱っ! え、それ一位!? 金と権力と来たから、次はプロレーサーが身内にいるとか、逃走手段の方でメリットがあるかと思ったら、全然関係ねぇ!」
刑事「え、足立梨花ですよ!?」
犯人「いや、わかるけど! でも、今の状況でそれメリットか!? てか、友達の知り合いって遠くねえ!?」
刑事「そうですか……ということは交換は……」
犯人「するよ!」
よろしければ評価・コメント頂けると嬉しいです
よろしくお願いします