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雪美の希望通りのお散歩デート。

畏まった服ではなくカジュアルな服装。

隣を歩く景人を見ると雪美は顔を赤くした。


シンプルなTシャツにGパンなのにスタイルが良い景人にすごく似合っている。

サングラスをかけて顔を隠しているつもりかもしれないが、逆にそれが周りの女性たちに「もしかして芸能人!?」と騒がれていて目立ってしまっている。


後ろに護衛の方がついてるけれど、「普通のデートがしたい」という雪美の思いを汲んで、余程の事がない限り離れて見守ってくれる事になっていた。


少し目立ってしまっているけれど、それでも希望通りのデートが出来て雪美は嬉しかった。


公園をお散歩して、クレープ屋さんでクレープ買って、ベンチでクレープを食べて、


「ゆき、アイスも欲しかったんだろ。三段の買ってきた」

「景人さん…そんなに食べられないです。」


とは言いつつ、学生の時に雪美が三段アイス食べたいと言っていたのを覚えていた景人に思わず笑顔になってしまう。


景人も笑顔になる。

「だったらゆきが残したのは食ってやるから入るとこまで食え」


雪美が「始めからそのつもりだったんだな」と思いながらアイスを食べていると


「ゆき、前みたいに呼んでいいし、敬語禁止だ」


優しい瞳をした景人と目が合った。


再会時に思わず敬称で呼んでしまったのを思い出す。


「けい、さん?」

「ふ、今はそれでいい」


幼い頃「けいくん」と呼んでいたが婚約者と知ってからは「さん」付けだった。

本人に呼び捨てで良いと言われてもそういう訳にもいかず、今ではこれがしっくりきてしまっている。


5年前の二人はどこか距離があった。

彼はとても紳士的だった。まさに婚約者として相応しい態度。

だけど…噂で聞く彼とは全く違っていて戸惑った。

政略結婚の相手である私になんて…素を見せてくれないよね、などとよく考え悩んでいた。


だから今は素を見せてくれている事が素直に嬉しい。




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