閑話 6-1.採寸
久々なので雑な人物紹介。
九重 響 主人公。16歳の女子高生。12歳のときにTSした。たっぱも胸も小さい。レゲーから最新までゲーム全般なんでもござれ。
結城 和人 16歳の男子高校生。主人公の幼馴染であり親友。ついでに恋人。作者は男子の心がわからぬ。
高橋 理恵 主人公の同級生女子。テニス部所属。やや腐っている。おっぱいが大きい。
教室の中はブラウスを脱いだ少女たちで溢れていた。
先程からなにやらかしましい声を上げながら、お互いの身体に白い巻き尺を絡め合っている。
「……何が楽しいんだろ?」
「まあまあ。それじゃ測っちゃうね」
気だるげに両手を上げると、理恵ちゃんが背中から手を回して採寸を始めてくる。微かに触れる指先が、ブラの上からなのになんだか妙にくすぐったい。
文化祭の演劇と、体育祭の仮装リレー。その両方の採寸を今日一気に終わらせる予定らしい。ちなみに自分は、風邪で休んでる間に仮装リレーに出ることになっていた。欠席裁判良くないと思います。
なお、男女1名づつ選出で、男子の走者は和人である。裁判を止めるどころか火焙りとはこれいかに。
「……えっと」
巻き尺の数字を読む理恵ちゃんから、春の身体測定と変わらない数字が聞こえてきた。
「これ測り直す意味あるの?」
「成長期だもん。私もサイズ変わったし」
また成長したらしい。はっきりと谷間のわかるその乳は、さっきメジャーで測りつつも、拝むべきかビンタするべきか迷ったものだ。
「……それにしても響ちゃん、ほんと細いよね」
いいなあ、とこぼす理恵ちゃんに曖昧な笑顔で返しつつ、記入を終えた記録用紙を受け取り目を通す。お互い無いものねだりなのはわかっているのだ。
とはいえ。
「……変わってない」
読み上げの時点でわかっちゃいたけど、乳、尻、腰の何もかも。いや、尻と腰はこの際どうでもいい。重要なのはヤツである。
夢と希望が詰まっている筈なのにふくらまない。中3のときにそこそこ増えたのが奇跡だったとでも言うのだろうか。牛乳も、大豆イソフラボンも、どいつもこいつも味方のフリして裏切りやがって!
1人で憤慨していると、理恵ちゃんが妙なことを言ってきた。
「それにしても可愛いの着けるようになったね」
「あーしもちょっと気になってた。やっぱ見せる相手が居るから?」
「何を……?」
突然首を突っ込んできた田村さんに若干引きつつも聞き返す。何故だろう、姉と同じ気配がする。
「下着」
「見せるか!」
思わず机に記録用紙を叩きつけてしまった。
「見られたこと無いん?」
「……………………あるけど」
あれは事故だと思うのだ。ついでに中学時代は是非ともノーカンでお願いしたい。
「じゃあやっぱそうなんじゃん」
一体何がじゃあなのか。
「清楚キャラなんで安売りはしないんです」
「清楚(笑)」
もはや持ちネタ扱いである。やるんかこんちくしょう。
「チャムチャムに出番を奪われてしまえ」
「……響ってたまに意味不明なこと言うよね?」
田村 恵。通称タムタム。骸骨のアクセサリーを愛するロックンロールな女である。
ゴールデンウィークだったので久々に。
前向きに善処しますので、気長にお待ちください。