告白
「まさか渡瀬にそんな事を言われるとはな、お前もしかして頭良かったのか?」
さっきまでの真剣な表情を崩し、先輩は笑った。良かった、少しでも気は晴れたようだ。
「むっ、酷いですよ先輩!誰が先輩の仕事手伝ってたと思うんですか!」
すると突然、先輩が手を伸ばし頭を撫でてくれた。
「でも…ありがとな、少し気が楽になったわ」
その時の顔は今までに見たことが無い程穏やかで、優しい目をしていた。
「あ、あの…先輩!」
だからかもしれない、あの時あんなことを言ってしまったのは…
「先輩、私は…先輩が好きです」
あの時の先輩の慌てようは、今でも鮮明に思い出せる。急に顔を赤くし、変な声を上げるとお金を置いて逃げるように帰ってしまった。面白かったのはその後だ。フラれてしまったと、意気消沈した足取りでの帰り道、不意に携帯の通知音がなった。開いてみると、先輩からだった。
[急にメールしてすまん。まさかお前に告白されるとは思ってなかったから、咄嗟に逃げてしまった。別に渡瀬が嫌いだったからという訳じゃない。返事については、少し考えさせてくれ]
思わず道端だというのも忘れて、声に出して笑ってしまった。告白されて驚いて逃げるって、以外と子供っぽいとこあるんだなぁって。その後私の足取りはさっきまでの事が嘘の様に軽くなっていた。
その次の日、事件は起こった。




