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神様、俺の日常を返してください  作者: 夜十奏多
side 伊織
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町への旅路

森のなかの街道に、豪華な馬車が近くの町へ向けて走っていた。その馬車の中には伊織の姿があった。


その伊織はというと、

(どうしてこうなってしまったんだ…)

混乱していた。それもそのはず、今伊織の隣に座っているのはリエル王国の第二王女シェリー・リエルなのだから。こうなってしまった原因は数十分前にさかのぼる。



それは山賊から助けた後、馬車に乗せてもらい町まで案内してもらいたいと頼んだ時の事である。

別に乗せてもらえるなら荷台でも構わないからと伊織は言ったが、すごく律儀な(めんどくさい)性格の王女様からしたら恩人を荷台になどとんでもない、ということらしくぜひ馬車の上座にと勧められた。


その上座も、幅広いものではないので流石に王女様を差し置いて座ることは出来ないと言ったが、そこで王女様のとんでもない提案があった。


「では一緒に座ったらどうでしょうか。それでしたら私も上座に座れますし、貴方にも座って貰うことが出来ますし。そうしましょうか」


男の俺からしたら色々と危ない気はしたが、断ろうにも既に上座に座り手招きしている王女様を見ると断りづらかった。



そうして今にあたる、少し目のやり場に困るがそれを除けば快適な旅路である。それに、王女様や向かいに座っている従者の人達からこの世界の事について少し聞くことが出来た。


この世界には、大きく分けて3つの大陸があるらしい。伊織が転生したのは、その中でも特別広い大陸だった。


さらにその大陸内にも、5つの国があり、伊織が現在いる人類最大の国リエル王国を除く、砂漠に広がる商業の盛んな国イズール、妖精族の治める樹海の国ハーディン、魚人族の治める大海の国シューベン、最後に亜人族による大陸最大の国、イズン帝国。


種族間の仲はあまり良くないらしく、不戦の契約はあるらしいが、顔を合わせれば喧嘩になるらしい。表面上だけの契約だそうだ。


その他にも、種族によって特性があるという例えば亜人ならば身体能力が異常で、妖精ならば魔法適正が高くすべての魔法を高いレベルで使えるらしい。その中でも最も力の弱いのが人類である。


魔力適正も平均以下が当たり前、身体能力も高い方が珍しい、他の種族と比べれば天と地の差があるだろう。そんな人類を他の種族は、劣等種として蔑んでいるらしい。


この世界の情勢を聞きながら、これからの事を考えていた。町に着いたら、まず冒険者ギルドに行き、冒険者として登録をしなければならない。登録さえしてしまえば、依頼を受け報酬を貰うことが出来る。


そんなことを考えていると、窓の外から賑やかな騒ぎ声が聞こえてきた。


「どうやら、着いたようですね」


快適な馬車の旅が終わり、新しい生活の始まりだ。

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