風のように駆け抜けて
RPGの中で一番好きな武器は短剣や短刀などの短い武器です。キャラの武器の持ち方や構え方がカッコよくて好きです。
「と、とりあえずさ、ドフをどうにかしないと。話は後だ」
2人で意識のなくなったドフの元へ走る。
「もうすぐで町に着くはずです」
町に行けばドフが助かるかもしれない。この世界でどこまで医学が発達してるかわからないが見せないよりはマシだろう。
「ノール、起きろ!おい!」
「うぎゃっ、痛っ!ってドフ?!」
「だから町に急ぐぞ。走れよ」
重いのに耐えて、ドフをお姫様だっこをして駆け抜ける。こんな状態でもノールより速い。まあクルアよりも速いのだが。今まで経験したことのないくらい全力な気がする。足に限界が来そうなものだがこうも焦っているとそんなものは意識の外だ。
ついに下り道にさしかかった。
「滑ったら終わりかもしれません。気をつけてください」
クルアが後ろから息切れしながら言ってくる。忠告ありがとな。そうじゃなきゃ、危うく全力ダッシュで滑ったかもしれねえ。
全力ではないが、滑らない程度でできるだけ速く走る。待ってろよドフ。絶対死なせねえから。
「そこの人、止まりなさい!」
目の前に突然人が現れてブレーキをかける。おっとあぶねえ。怪我人がいるというのにこいつは何者だ?
「急いでるから構う暇はねぇんだよ!」
「貴方、死体をよくそんな堂々と運べるわね」
は?死体?運んでねぇけど?
「こいつは死んでねえ!だから通せよ早く」
仕方がないのでそいつを避けて通ろうとしたら足を掴まれた。
「こっちに連れて来て。私、ヒール使えるの。治してあげるわ」
よく考えてみれば怪しい話だがドフを助けたい一心だったのでそのままついて行ってしまった。そいつの家と思われる建物に入り、ドフを言われるままにベッドに寝かせた。
「ヒール、レベル3!」
ドフの出血が止まった。
「もう一度したら治るのか?なあ」
「それはダメ。ヒールというのは体の細胞を活性化させてその人の治癒力を一時的に高めてるだけなのよ。過度に使用すると体への負担が大きくなって最悪死ぬことだってあるのよ?」
「そんなもので死ぬのかよ?!」
「あなた方、ひょっとして異世界から来たの?それだったら良いこと教えてあげるわ。この世界の住人はあなた方と体の構造が違う箇所があったりするの。この世界の住人はあなた方よりも脆くて死にやすいのよ。でもあなた方に関する医学の知識はないからヒールを使いすぎるのはやめたほうがいいかもね」
頭が爆発しそうな長い説明が耳の中を通り抜けて行く。その時に気づいたことが1つ。この怪しい奴、男だ。少なくとも生物学的には。
私は多分この中ではキュウリに一番近いと思いますがキュウリ程もカッコよくないです。
男っぽい女性も女っぽい男性もいますよね。それはその人の個性だから馬鹿にする要素ないと思っています。