えっ?
結構残酷な描写がありますのでお気をつけください。年齢制限は訳あってできません。申し訳ございません。
「ギエエエエエ!!!」
ゴブリンが見えたと思ったその時に、耳をつんざくゴブリンの断末魔が聞こえる。少し前に出て見てみると血の海だ。
「ドフの剣がゴブリンの頭を裂いたっぽいぞ!ノール!!すげえ、これが、これが冒険ってやつか」
ノールの方を振り返る。しかしノールは耳を押さえて縮こまっていた。
「血とかそういうの無理……」
こいつ本当にこれから大丈夫なのか?でも慣れるかもしれないし大丈夫かもしれない。慣れさすためには……そうだ!
「あー!!!ちょっと止まってください!危ないですよ!!」
クルアの静止を振り切って走る。そして頭部が割れたゴブリンの死体を掴む。と、その時ナイフが俺の左腕を切った。血がドバドバ出てくる。
「ってぇぇぇな!おい!」
ゴブリンが味方の死体を掴む俺を殺しに来たらしい。おいおい、こちらは素手だぞ。ふざけんなよ。俺、死ぬのか?
「ドフ様っ!キュウリ様が!!!」
「心配するな。キュウリは強い」
ドフは喋りながら槍をかわす。多少掠っても平気らしい。ドフは鎧を胴体につけているらしかった。
「ギェ!!」
ドフの刃が切り裂いて、ゴブリンの腕が吹っ飛んで転がる。俺の目の前のゴブリンは仲間の殺られゆく様子を唖然として見ていたが、こちらを向いて再びナイフを構える。
「この俺に手ぇだすとはいい度胸してんな?おらぁぁぁぁ!!!」
ゴブリンのナイフより先に俺の拳が動いていた。ゴブリンの鼻に当たり潰れたような顔でばったり倒れる。一発KOってやつ?気絶してるだけのようだが、左腕がキリキリと痛むので頭部の裂けた死体を引きずってノールの元へ戻った。
「慣れとかねぇと、キツイぞ?」
「きゃあああああああ!!!」
余りのグロさのせいなのか、ノールは倒れてしまった。さて、試合観戦でもするか。
「キュウリ様、腕の止血してくださあい」
ゴブリンに囲まれたクルアが叫ぶ。おいおい、油断禁物だぞ?
「クルアー、お前、死ぬなよ?!」
「わかってます」
ふぅ、余裕だな。俺の傷は大して深くはなかったらしく、落ち着いてみるとそこまで血は出てない。クルアは村一番と言われていたけどどんなものなのかねえ。
「ファイアサークル!!!」
クルアが叫んで杖を自分の足元に突き立てた瞬間、クルアの周りが燃え始めた。パチパチとゴブリンが燃える。
「ギャャャャャャャ!!!」
「グゲェェェェ!!!」
クルアだけは燃えていない。ゴブリンの断末魔が轟く中で1人突っ立っている。目があったと思えば天使の笑顔で
「すごいでしょ!!私の周り、半径1メートルが燃えちゃうんですよ!」
と手を振って言ってきた。あー、無邪気なもんだ。一気に12体くらいのゴブリン殺したぞ?こいつ……。
「クルア、片付いたな」
「はい!」
2人で喜びを分かち合っている後ろから何かでっかいのが来る。
「お前ら!!!後ろっ!」
と言った時には時すでに遅し。でっかい爪がドフの腰を、貫いていた。鎧は腰まで無かった。狙ったのかこいつ!
「カハッ。ゲハッ」
ドフの奴、死ぬぞ!?!?!?
「ドフ様あああ!!!」
クルアの悲鳴が聞こえる。気が付けば俺は無我夢中で走っていた。村の家事の時は命を賭けてまで人を助けようなんて思ったことなかったのに。
「ドフ、振動に耐えろよ」
「キュウ…リ……礼を…」
え?死んだ?嘘。おい、おいいいい!!!ドフの腹を凝視する。良かった、一応息してる。とりあえずノールが転がってるところまで、何とかドフを連れてきた。何か巻けるものはないのか?自分の体を触る。上着を着ていた。その上着をドフの腰に固く巻く。何だろうな、切羽詰まった時は勝手に頭が動くんだ。
「頼むから、死ぬなよドフ」
クルアは大丈夫なのか?たった1人であんな強そうなやつと戦うなんて。
「マルア姉さん、私に力をください」
クルアはバリアを張って敵の攻撃を弾いている。バリアの内側で膝をついて祈っている。クルアの目が開いた。強烈な光が目から溢れている。
「ホーリーエクスプロージョン!!!!」
クルアの声が聞こえた瞬間、鼓膜の破れそうな程の大きな音と共に、魔物が消え去っていた。
「は?」
思わず声が漏れる。訳がわからん、どこに消えた?
「あはっ、ははははははははははははっ!!」
冷酷な笑い声。
「クルア……?」
「あ、あはっ、あいつ、死にましたよ。爆発で。飛び散ったんです(笑)ふははっっ」
こいつは殺戮を楽しんでいやがる。
「早く正気に戻れ」
クルアの所へ走り思いっきり頰を叩く。
「痛っ、あー、すみませんすみませんすみません。私、何してましたか?」
えっ?どういうことだよこれは。
戦闘シーンはRPG物語の醍醐味ですよね。上手く表現できるようになりたいです。