神の使い
テスト真っ最中なのにまさかの3話目投稿です。新キャラ登場です。キュウリ達の冒険にお付き合いいただければ幸いです。
「うわあああああ!!!!」
ノールの叫び声が耳をつんざく。ノールは尻餅をついたきり、立ち上がれない。腰が抜けたのか動かないらしい。
「何だ、怖ぇのかよ」
思いっきり右手に拳を作り後ろに引く。足を踏ん張る。武術なんか、習ったことも無いからはっきり行って変な体勢だろう。でも知らん。
手に衝撃が走る。ビリビリとした、電気が走るような。
走ってきた動物は一瞬動きを止める。それを見逃さずに、ツノを掴んで連続で殴る。
「ングゥゥゥ」
動物は気絶して倒れ込んだ。
「キュウリ!凄いよ」
「大きな動物だなあ。真っ黒いウシみたいだな」
じっくり見てみると、俺はこんなにも大きなやつを倒したのかと驚く。ノールの身長の1・5倍くらいある。
「そなた達!素晴らしい戦い振りであった!見ていたぞ」
誰だ?男の声。この世界の住人のようだ。てゆうか、喋り方が俺らと違う…。
「特に金髪の方、素手で倒すとは我も驚きだ」
初対面なのに偉そうな感じがする。ひょっとして、この世界の王?!
「ノール、こいつ何だろう」
「うーん。剣持ってるから、戦士かな?」
息を吸い込む。そして
「誰だぁぁぁ?お前はぁぁぁ!!」
と叫んだ。
「何と?!金髪の方は女だったのか」
確かに髪の毛短くて、耳とか完全に出てるけど女子だから髪長い訳じゃないからな?
「とりあえず、走れ!」
「我に指図だと…?!」
あー、もう何だよ。はやくしろよ。
「遅せぇんだよ!愚図が!」
流石に走り出した。数分後。
「ぐほっ。げはっ。ぜぇ、ぜぇ、っは」
謎のそいつは息切れして喋ることすらままならない。だから少し待ってやることにした。
「答えろ。お前は誰だ?」
「よくぞ聞いてくれたな!我は神の使い・ドフワルジであるぞ!これからは、神の使い・ドフワルジ様と呼ぶが良い」
うっわー。めんどくさそうな奴。
「何と言っても、我は神の使いだ。その根拠は!!異世界から来たのである」
「えっ?」
ノールが声を漏らす。こいつも同じなのか。名前とかよりもそちらが気になる。
「ドフ、それって?」
「我は、異世界から来た。まさに!これは!神の使いとしか考えられぬ」
名前省略スルーかい!
「俺らも異世界から来たのだが?」
ドフの目が急激に大きくなる。こいつはどうしてそこまで確信を持っている……。
「我は、RPGゲームをしていた。しかし、それ以外の記憶が曖昧なのだ。思い出せそうなようで思い出せない。そんな感じがずっとするのだ……どうやらこの世界はRPGのようだ。ここから少し行けば村がある。案内しよう」
RPGって何だっけ。思い出せそうな感覚もないのでどうやら本当に知らないのだろうな。
「キュウリ……。僕ら、ドフワルジについて行っていいのかな?易々と……。信頼できるとわかった訳じゃないしさ」
ノールは用心深い。そのせいなのか腰抜けだ。何だろう……。俺がやらなきゃっていう感覚がする。ノールが頼りないから俺が……。記憶がないくせに、心が反発しているのがわかった。俺ってそんなに無責任なやつだったのか?しかし、昔の俺など知らない。だから今はこう言うことしかできない。
「ドフワールだか何だか知らんがな。ここで奴についていかなかったら俺らはどこに行くんだ?だから、だから!勇気出せ。ノール。覚悟決めろ」
ノールは数秒俯いて黙り込んだ。その後、顔を上げた。いい顔してる。
「そうだね。キュウリ」
「ノールの癖に凛々しい顔してんな!」
「何それ……」
2人でドフの背中を追いかける。見失わないうちに。
人物名は適当です。ネーミングセンスの欲しい今日この頃です。