2日連続の戦闘
ほとんど一ヶ月ぶりです。遅くなり申しわけございません。
「おい起きろ、クソガキ」
オーガ戦の翌朝、俺は内臓が混ざるほど強く揺さぶられた。目を開けるとドフがいた。
「なんだてめぇかよ」
そう言ってもう一度目を閉じた。
「こら起きろや!」
「うっっっせぇな、何の用だよ」
安眠妨害に対してイラつく俺を見て、ドフはニタリと笑った。
「やっぱ、クソガキはクソガキだな」
なかなか本題に入らないし、相手はドフだしぶちっときた。
「さっさと言えや、何の用だよ」
「あー、そうそう。僕らだけでゴーレム狩り行こうぜ」
昨日オーガ戦で今日ゴーレム戦?!どんなけ多忙なんだよ。しかもなんで2人で。
「いや〜、だってさノールもクルアも熱出して寝込んでるし。僕だってどうせ戦うんなら強い奴がいいし」
俺の考え見透かしてんのかよ。しかもムカつく喋り方だ。おっさんの声で変なアクセントで話すな。気持ち悪りぃ。しかし、ノールもクルアも昨日の戦いでよっぽど疲れたらしいな。熱出すなんて。
「な、なぁ、もしかして今のは…、俺とお前が戦う前提か?」
「え、そうだけど。今のキュウリさ、見ててクソザコだからさもう少し強くなれよ」
何も考えてないなっていう顔で見下された。素直に腹が立つ。あー、くそっくそっ!そこまで言われたら行ってやるよ。
「来る?」
「てめぇには負けんからな」
「そーいうとこが馬鹿なんだよ。ウケる」
こんな感じで散々罵倒された後に宿を発った。
ゴーレムが住むと言われる洞窟を目指して歩く途中も散々罵倒された。
「ほら、着いたぜ。この奥にゴーレムがいるはず」
今すぐこいつを殴り倒したい。そんなことを考えながら奥へと進んでいた。突然足音が前から聞こえてきた。走っているようだ。
「ひ、ひぇぇぇぇ」
ひとりの冒険者と見られる男が猛ダッシュして来た。恐怖にまみれた顔をしている。俺たちを見つけると
「助けてください、ゴーレムが!追いかけて来てます!」
息を切らしながらドフにすがりつく。冒険者の来た方向から金属音が聞こえて来た。ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ。どんどん大きくなる。
「ゴーレムってそんなに強いのか…?」
ドフに聞いた。
「昨日のオーガの倍は強いのが普通だ」
は??!!何言ってんのこいつ、死ぬじゃん俺。オーガで死にかけたのに…。
「そんなに怯えることないわ」
ヒノデが乱入してくる。
「燃やせば済む話よ」
燃やせば済むってそんな大雑把な!!!
「キュウリ、戦うしかないわよ」
「ヒノデの言う通りだぞ、キュウリ」
「?!ど、どうして?私の声は主であるキュウリにしか聞こえないはずじゃ…?」
「人外なめんな」
ヒノデが動揺している。いつも余裕そうに喋ってるのに今は震えた声だ。
「おい、ヒノデ、ドフ。来たぞ…」
俺の二倍の背丈はありそうで、俺の三倍程は太そうなロボットみたいな奴が来た。
「アイアンゴーレムってやつさ。まあ倒せばいいだけ」
ドフが剣を構える。俺もいつでも動けるように身構えた。冒険者はどこかに逃げたのかいなくなっていた。