おばさん
更新が遅くなり申し訳ありません。
ドアが開いて息切れしたノールとクルアが入ってきた。
「ノックぐらいして入ってきたらどう?人の家よ」
「はぁ、はぁ。キュウリ、ドフは?!」
「ドフならここだ」
さっきよりも血色の良くなったドフを指差す。死にそうな気配はなくなっている。よかった。
「私のヒールで止血したわよ」
「あなたは誰ですか?」
ノールが睨みつけるように言う。ドフの命の恩人だというのに怖い顔だ。
「私はマオ。あなた方よりはおばさんよ」
おばさん……。おじさんだろ。
「あの、言いにくいのですが、おじさんではないのですか?」
クルアが気まずそうに発言した。俺もそう思ってた。
「私は、お、ば、さ、ん、なのよ」
もうそれで通すしかないらしい。特に支障はなさそうだが。
「ねえ、あなた方は異世界出身?」
マオが俺を見て聞いてきた。何で俺に聞くのだろう。ノールの方が頭が良いからスムーズなのに。
「緑の髪の毛以外は異世界出身だ」
「どこから来たの?」
「村」
マオはにこにこしながら
「なんていう村?」
と聞いて来た。良い奴みたいだ。にこにこしてるし。ヒール使えるし。旅に着いて来ないかな?
「しらん」
確かに村の名前は知らなかった。
「ロッピー村です」
クルアがおもむろに口を開く。可愛い名前だな。
「最近、大火事あったでしょう。大丈夫だったの?」
「姉が死にました。私を小さい時から可愛がってくれてた人達も死にました」
マオの顔が一瞬冷めたように見えたがまたにこにこしているようだ。
「そうね、私も旅に着いて行きたいの。いいかしら?」
ノールの顔がピクリと動く。とてもとても険しい顔をしている。嬉しい話じゃないのか?
「断ります!」
ノールがきっぱりと断った。何でだよ?
「ドフの礼もあるし、俺は賛成だけど?」
「私も」
ノールの顔が歪む。
「この子が起きてからでいいわよ」
ドフはこの子っていう年齢じゃないだろ……。
次の話から冒険再開です。