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好きと言えるのなら  作者: まる
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ノート探し

『お前…今なんつった…?』

晴也(はるや)は怒りがMAXだった。

『ち、ちがう!宮本がそう言ってたんだよ!』

その途端、晴也は男の子の頬をグーで殴った。

男の子は飛ばされて机に当たった。

『誰がどんなこと言ったか知らねーけど、マジでそういうのやめろよ…』

晴也は手にギュッと力を入れた。

6人はカバンを取って走って逃げて行った。


桜泉(さな)…?』

晴也はロッカーにもたれ掛かってしゃがんでいる桜泉の近くにしゃがんで背中を摩った。

『大丈夫…なわけないか…。早く気づけなくてごめん。』

桜泉は顔をあげると泣いていた。

『本当にあいつら許せねー。あーいうやつら本当に嫌い。』

桜泉の体は震えていた。

『あれ、ノートは?』

桜泉は涙をいっぱい溜めてまた下を向いてしまった。

晴也は立ち上がると教室を見渡した。

床に目をやると紙くずが落ちていた。

晴也は紙くずのある窓側に向かってバラバラになったノートの残骸を見た。

『なんだよ…これ…』

しゃがんで切れ端を切られたノートの一部を見ると桜泉の字で『ごめんなさい』の『なさい』までが書かれていた。

晴也はバラバラになったノートを拾って桜泉のところに向かった。

『桜泉。これ捨てない方がいいだろ。新しいの俺と一緒に選んで買ってやるよ』

桜泉は顔をあげると晴也はニッと笑った。

桜泉は嬉しくてまた下を向いて泣いてしまった。

『え、え!?ご、ごめん…。』

桜泉は顔をあげると手話をして晴也に伝えた。

『うれ…しい…ありが…とう……って、まぁ友達だもんな!こんくらいどーってことない!』

晴也はえっへんと自分の胸を叩いた。

桜泉はおかしくて笑った。

晴也は桜泉の笑顔を見てホッとした。

『今から買いに行く?』

桜泉は頷いた。

『おっけー!』

晴也は桜泉に手を差しのべた。

桜泉はビックリしたけどホッとして晴也の手を受け取った。


『桜泉はどんなやつが好きなの?』

桜泉のことを考えて外で一緒に歩く時は手話で会話をしている。

『普通のノートで大丈夫だよ』

桜泉もそれに答えて手話で返す。

その途端、向こうから歩いてきた男性と桜泉の肩が当たってしまった。

桜泉は謝ろうと頭を下げた。

『チッ、最近の若者は頭下げるだけで謝りもできねーのか。常識知らずめ』

男性は桜泉のことを睨んで歩いて行ってしまった。

桜泉は少し落ち込んで下を向いた。

『なんだあの人性格悪いな…』

『しょうがないよ。』

桜泉は手話をしながら苦笑いをした。

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