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好きと言えるのなら  作者: まる
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いじめは嫌だ

次の日


桜泉(さな)!おはよー!』

朝、教室で本を読んでいると汗をかいている晴也(はるや)が桜泉に話しかけた。

桜泉は手話をやる。

『い、今のはなんだ??』

『おはよう。だよ』

桜泉はノートに書いてまたやった。

晴也は『ほうほう』と言うと桜泉のマネをした。

『できてるか…?』

桜泉は笑顔で頷いた。


そして1ヶ月間徹底的に晴也は手話の勉強をした。

晴也の覚える速度が速いからか、会話ができるレベルくらいに手話ができるようになっていた。


1ヶ月間のとある放課後

『あっ…ごめん、1回部活の集まりあるんだった…。すぐ終わると思うから教室で待っててくんね?』

桜泉は頷くと手話で『いってらっしゃい』と伝えた。晴也も手話で答えた。


オレンジ色に染まった空。窓からこぼれるオレンジ色の光。桜泉は話す用のノートと手話の本を抱き抱えて窓の外を見ていた。外でサッカー部が練習をしている。



『ふーじもーとさーん』

うっとりしていると黒板の方からクラスの子の声が聞こえた。

ハッとして黒板の方を見ると教卓の上で足を組んで座ってる宮本さんと男の子2人と他の女の子が3人ほどいた。

クラスでいうと『チャラい人』だ。

ドキドキしてノートと手話の本をギュッと抱く。


『ねえねえ、この1ヶ月ずっとあなたのこと見てたけどさぁなんか気に入らないんだよねぇ』

6人が桜泉に近づく。

桜泉は後ずさりするように右足を後ろに引いた。

『まず、言葉を話せないっていうところから仲良くする気失せるし〜w』

1人の女の子が口を開いて笑い出した。

『ほんとそれな〜。しかも晴也くんと仲良くしすぎー。見ててムカつくんだよね〜。私の好きな人なんだけどさぁ』

リーダー格のような子が睨んできた。

桜泉は震える手でノートに『ごめんなさい』と書くと見せた。

そうするとガタイの大きい男の子がノートをスッと盗んだ。

『!!!』

桜泉は驚いて、ノートを返してもらおうと高い位置にあるノートをジャンプして取ろうとした。

『こんなに書き込んで超きたっねーw こんなのゴミだな』

男の子がノートを破って床にパラパラと落とした。

女の子が手話の本に手を出そうとすると桜泉は3歩ほど後ろに下がって首を振った。

『手話…。手話とか誰もわかんないのにやろうとしてんのー?www 超ウケルんですけどwww』

『こんなのやっててもみんなに伝わらないよねぇ?バカなの?www いらないもの大切にしてるとか本当に藤本さんゴミwww』

女の子は思う存分笑うと目つきを変えた。

『ゴミはこのクラスにいらないから。角北くんがあなたと友達になりたいとか上部だけの仲に決まってるでしょ。思い込みすぎ。あんたなんかすぐに角北くんに捨てられるんだからっ!!』

女の子は桜泉の腹部を足裏で突き飛ばした。

6人は近づくと笑って蹴ったり罵声を桜泉に飛ばした。桜泉は震えながらしゃがんでいた。


『おい!!!』

教室の扉から晴也の声がした。

晴也は『お前らなにやってんだよ…』怒りを溜めているような声で6人に問いかけた。

『角…北くん…あのねこれには…わけがあって…』

『言い訳すんな!なにやってんのか聞いてんだよ!!』

晴也は怒鳴り散らすと1人の男子が口を開いた。

『言語障害者はこのクラスにはいりませーん。よって藤本 桜泉はこのクラスにいりませーん』

男の子は大声で言うと晴也はその男の子の胸グラを掴んだ。

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