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新しい世界は。
忘れたいと強く願えば、本当に忘れてしまう。
ある日、お父さんとお母さんは離婚すると伝えてきた。
まだ小学3年生の私にはそれがとてもとても悲しいことだということしか理解できなかった。
何故だか涙が止まらなかった。
何に対しての涙なのかもわからずに。
何故、あのときいろいろと聞いておかなかったのだろう・・・。
同じ県の離れたところにある、お母さんのほうのおばあちゃんの家に引っ越すことになった。
みんなで仲良く暮らしてるつもりだったが、やっぱり遠慮はあったと思う。
一年間暮らしていたはずなのに、何も覚えていないんだ。
新しい学校。
初めての転校。
友達もできた。
全てが上手くいっていたはずなのに・・・・・
少ししか覚えていない。
覚えているのは、馬鹿な自分。