7、古びた赤べこ
昔、某村の小屋に一人の女性と赤子が住んでいた。
ある日の夜中、女性が目を覚ますと、隣で寝ていた我が子がいない事に気づいた。
女性は不安と焦燥感に駆られ、必死に我が子を探す。
すると、玄関から物音が聞こえてきた。
我が子だろうか? 女性は近寄ってみる。
だがそこに居たのは、ギィっと軋む音を立てて首を振る赤べこだった。
その奇妙な様に、女性は慌てて布団に隠れ、ひたすら夜明けを待った。
朝、女性が目を覚ますと、赤子は隣で眠っていた。
女性は安堵するが、赤子が寝返りを打った瞬間、女性は再び恐怖に陥る。
幼き手に握られていたのは、古い赤べこだった。
その日、村では病が流行り始めていた。
しかし、あの親子だけは病を免れたという。
お読みいただきありがとうございました。
今回は、過去に投稿した『古びた赤べこ』という作品を、300字にギュッと縮小したリメイク版です。
元の作品は1000文字くらいなので、心情とか臨場感も描写しやすかったのですが、今回のような300字となると起こった事実しか書けず、何だか物足りない仕上がりになってしまったような気がしてます。
良ければ短編版の『古びた赤べこ』とも比較してみてください(雑な宣伝)。
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