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300字小説  作者: 案内なび
14/30

14、墓場まで

「これだけは絶対に墓場まで持っていくからな!」

 男はちゃぶ台に平手を叩きつけて激怒した。

「本当に教えてくれないの?」

 男の妻は上目遣いで瞳を潤わせながら尋ねる。

 昔ならその瞳に踊らされていたが、娘を授かった今、こんな浮気者に騙されるつもりは男には毛頭無かった。

 そんな修羅場を前に五歳の一人娘は、不思議そうに眺めていた。






 一ヶ月後、男は不慮の事故で亡くなってしまった。

 元妻が喪服に身を包み、いざ式場に向かおうとすると、突然娘は「待って」と言い出した。

「どうしたの?」

「これ、パパが墓場まで持っていくって言ってたよ」

 娘が指したのはちゃぶ台だった。

「そうね。持っていってもらおうね」

 娘は母の笑みを疑いもしなかった。

お読みいただきありがとうございました。

今回は、「墓場まで持っていきたい秘密」というWebサイトを眺めていて思い付いた作品です。


因みに母が笑みを浮かべた理由は、煩わしかった夫を象徴するちゃぶ台という遺品を、可愛い娘の意見という正統性をもって捨てられると考えたからです。


この作品がお気に召しましたら、いいねや★、ブックマークをつけていただけると嬉しいです!

感想もお待ちしております!

それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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