10、ゲーム
「大変だ! コントロールが利かなくなったぞ!」
「何だって!? このままではマズい事になる……」
「と、とにかく色々試してみよう!」
機長は手当たり次第に操縦席のボタンを押し、レバーを動かしまくる。
だが。
「ダメです! もう間に合いません!」
「俺は諦めん!」
機長の足掻きも虚しく、それは倒れてしまった。
「……やっぱりダメだったじゃん」
「だねー。それにしても難しいね、このゲーム。人間を操縦する人間を操縦するんだから」
飽きてしまったのか、二人はゲームセンターを後にした。
「ふふっ。これは私の勝ちみたいですね」
「くそっ! 二人はゲームをクリアできるに賭けたのは失敗だったのか……」
敗者は悔しそうに、勝者にチップを渡した。
お読みいただきありがとうございました。
今回は、「人間を操縦していたのは脳内に居る人間だった。そして、その人間を操縦していたのもまた、脳内にいる人間だった」という無限ループオチから発想して生まれた作品です。
実はコレ、元々は上記のようなネタで1000文字程度の短編にするつもりでしたが、書き続けているうちに気づいたらこうなっていました。
イメージしていた作品の出来が段々とズレてしまうというのは、物書きあるあるだと思っています。
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それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)




