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08話 『ジャストドゥイット』



『134年 227日 14:16』



 ダンジョンに訪れてから100年台に突入。といってもこれといって変わってることはステータスくらいだ。


────────────────

《ステータス》

【名 前】神無月 柚留 

【種 族】人間

【レベル】82

【魔力量】9430/9430



《スキル》

【鑑定Ex】【言語理解Ex】【投擲lv8】【装備人lv8】【緑の手lv5】【痛覚耐性lv4】【毒物耐性lv8】【麻痺耐性lv8】【持久力強化lv4】【身体強化lv4】【駿足lv4】【鉄の胃袋lv2】【睡眠耐性lv3】【免疫力強化lv4】【水中呼吸lv3】

────────────────


 この中でも最近力を入れて上げているスキルは状態異常系。異世界のダンジョンといえば毒とか麻痺とか使ってくる魔物がいるだろ。

 それに、いくら身体を鍛えても麻痺で動きが制限されたりしたら本気が出せない。毒で即死なんてしょうもない死に方もごめんだ。


────────────────

【名称】ドラゴンベイン茸

【等級】SSS


《説明》

毒キノコの一種。一本でドラゴン1匹分の致死量を誇る。

────────────────


 南の森の奥にあったこのキノコはドラゴンを倒せるほどの猛毒で、人間が食べればまず助かることはない。

 しかし、俺は食べた直後にユグドラシルの果実を摂取することで毒を無効化している。


 余談だが、スキルは負荷が大きければ習得できる経験値も大きい。

 なので、普通は死ぬレベルの猛毒や高レベル装備の影響を受けても、俺には例のチート果実があるので超高負荷で超効率的なレベリングができている。

 ステータスの中でも【装備人、毒物耐性、麻痺耐性】の三つが他より高いのはそういうことだろう。

 因みに、これらの情報は俺の100年間で導き出した仮説にしかすぎない。ほぼ間違ってはないだろうが、鵜呑みにするのもあまり良くない気がする。


 急だが、ここで新たなスキルを紹介しよう。


 そのスキルは【水中呼吸】

 文字通り水中で呼吸できるようになるスキルだ。

 これから水中戦になったりするかもとか思って、北にある大きな湖で息どめの練習を1年ぐらいしてたら手に入った。


────────────────

【水中呼吸lv3】

【次レベルまでの経験値:3/30】

【レア度】コモン

【スキルの型】アクティブ


【スキル効果】

魔力を消費して水中で呼吸が可能になる。

【習得法】

2日に一回は必ず水の中に入る。息どめを一年以上継続。

【lv3】

1秒につき800魔力消費。

────────────────


 にしてもイマイチなスキルだ。魔力消費が激しすぎて使えたもんじゃないだろ。レベルが上がった今の魔力量でも11秒しか呼吸ができない。

 これに関しては、スキルレベルを上げて消費魔力減少と追加能力に期待するしかないな。



『267年 176日 12:04』



「ついに……、ついにスキルレベルが10になったぞ!」


 大草原のど真ん中で魔剣グラムを放り投げ、がばっと倒れるように寝そべった。


「早速鑑定で見てみよう」


 しかし、ここからが本番だということをスキル【鑑定】は告げる。


────────────────

【装備人lv10】

【次レベルまでの経験値:0/1000】

【レア度】コモン

【スキルの型】パッシブ


【lv10】

基礎レベルより100高い装備の影響無効。過剰時の蝕まれる速度が超大幅に低下。

────────────────


「……は?」


 突然、四桁の数字が目の前に立ち開かる。これには空いた口が塞がらない。まるで際限のない断崖絶壁を下から見上げているみたいだ。

 てっきりレベル10が最大だと思っていた。もしかするとレベル10の上が【鑑定】や【言語理解】のような『Ex』になるかもな。


 今まで10ずつプラスされていったから単純に足して合計経験値450、後必要なのは1000……。ということは、まだ折り返し地点でもなかったのか。

 てか、おかしいでしょ。70、80、90ときたらその次100でしょ!? なのに1000ってなに。これ次のレベルに行かせる気ねぇな。

 ちくしょう。こうなったらとにかくやり続けるしかない。ジャストドゥイットだ! 幸い時間だけはほぼ無限にある。やってやるさ。



『310年 47日 18:16』



【毒物耐性】【麻痺耐性】【投擲】がレベル10に。スキルによってExレベルに必要な経験値数が異なることに気づいた。

 そして、新たに【暗視】を獲得。暗視は、洞窟で暗闇を見ようと努力していたら手に入った。


 基礎レベルの方は134に。100台に突入してからレベルが上がりづらくなった。兎のみでレベル上げして310年か。相当経験値が少ないんだろう。今となっては毛皮専用の納屋が10棟、家の側に建っている。

 それなのに兎の量は全く減らず。狩っても狩っても穴から出てくる。効率は悪いが、もはや無限経験値製造機と化してしまった。

 310年も兎の肉を食い続けてたが、そろそろ飽きがきたな。湖で泳いでた時魚に乗り換えしようか……いや、まずは捕まえるところからだな。



『434年 119日 15:07』



 兎から魚に乗り換えて124年。兎よりも早いが、飽きが来てしまった。今は交互に食べて紛らわしているが、そろそろ新しい主食が欲しい。

 そんなクソどうでもいいことは置いといて、基礎レベルが153になった。

 新たにスキル【反響認識】【魔力量拡張】【魔力回復】を獲得。

 それと、テレポートの鍛錬が数百年越しにやっと実り、好きなとこに瞬時に移動できるようになった。

 そうすると、チートを手に入れたように聞こえるが、現実はそう甘くない。

 俺の能力は覚醒こそしたが、魂の容量が低く、回復力も低いらしい。能力こそ覚醒したが、そのものは覚醒しなかった。一日にテレポートできる回数は三回ほど。

 そして、一番の謎は移動距離が長ければ長いほど魂力を使う筈が、俺の場合は長い距離と短い距離で使う魂力量がほぼ同じなのだ。

 別の理の力であるため、実際に鑑定で数値を見れるわけではないが、体の負担的に大体同じということ。こればかりはよくわからん。


 よし、スキル経験値が500になったし、ここから追い込みだ。気合い入れて頑張ろ。



 時の歯車は拍車をかけて動き出す──



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