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20話 『特級危険区域、ルクヴィズ大森林地帯』

第二章 『高校生活と冒険者編』始まりです。



 目が覚めると、そこは森の中だった。自然の匂いが心を安らかにする。

 体を起こし、周りを見渡すと大きな洞窟があった。


 恐らく、この洞窟があの迷宮本来の入り口なのだろう。

 ルールには、クリアした者は再び挑戦することはできないと書いてあったが、万が一だ。嘘の可能性だってある。

 洞窟の中は気になるが、間違って転移されても怖い。ここにはもう近づかないでおこう。


「トム、アリソン、手分けしてこの森の調査と開拓をお願い。俺は一人で探索に行ってくる」

「了解しましたわ。道中気をつけて行ってくださいませ」


 指輪からゴブリンを100体ほど召喚すると、俺はここを後にして人里を目指すことにした。


 走りだして約1時間。地図作成スキルによると80キロの距離を進んでいた。

 道中魔物が襲いかかってきたが、レベル数百程度しかない雑魚ばかりだった。

 そして、ちょうど二輪車が通った跡がある道を発見する。


 車輪の幅が小さい。まるで馬車でも通ったかのようだ。となると、この世界の発展レベルは中世くらいか。

 とりあえず、この道に沿って歩こう。気を失って休憩できてたとはいえ、2ヶ月もぶっ通しで戦闘したんだ。流石に疲労がやばい。


 そうだ。人に会う前に偽名を作ってステータス偽装もしなきゃな。


───────────────

《ステータス》

【名 前】ユズル

【種 族】人間

【レベル】89

【魔力量】6350/6350



《スキル》

【鑑定lv2】【投擲lv2】【装備人lv2】【毒物耐性lv4】【麻痺耐性lv1】【持久力強化lv3】【身体強化lv4】【免疫力強化lv1】【魔力操作lv3】


────────────────


 この世界の基準はわからないが、一応これくらいで大丈夫そうかな。後々いくらでも変えれるし。

 そうだ。移動中に神様から貰ったスキルを試そう。


 神様からもらったスキルの名は【心眼Ex】

 レア度は、エピックでレアの二つ上の段階らしい。

 ご丁寧にレベル上限のをもらってしまったようだ。

 性能は、鑑定の完全上位互換。鑑定で出来ることはこのスキルでも可能だ。

 このスキルは更に詳しくステータスを見たり、隠しステータスを見たり出来るらしい。まずは自分を見てみよう。


────────────────

《詳細ステータス》

【全体評価】D

【魔法適性】D

【肉体成長率】D

【レベル成長率】E

【魔力量成長率】C

【スキル成長率】E

【スキルポイント/レベル】1


《魔法属性相性》

【火魔法】E

【水魔法】E

【風魔法】E

【土魔法】E

【闇魔法】A

【光魔法】E

【無魔法】D


────────────────


 何というか、すごい尖ったステータスだな。

 なるほど。魔法の習得が難しかったり、スキルの成長とレベルの上昇が遅かったりしたのは、成長率が低いせいだったわけか。

 俺がここまで強くなれたのは、鍛錬できる無限の時間があったから。もし、転移した先が迷宮でなく、この世界だったなら間違いなく地球と同じ底辺だったな。ある意味幸運なのか?


 各項目を簡単に説明すると、

【全体評価】は詳細ステータス全体の評価。

【魔法適性】は魔法七属性の総合的な適性。

【肉体成長率】はレベルアップ毎の肉体の成長率。

【レベル成長率】はレベルアップのしやすさ。

【魔力量成長率】はレベルアップ毎の魔力上昇率。

【スキル成長率】は鍛錬によるスキルの上昇率やスキルのレベルアップに必要な経験値量の減少。

【スキルポイント/レベル】はレベルアップ毎に貰えるスキルポイントの量。


 他の人や魔物も見れるらしいが、試すのはまた今度だな。


 歩きだして10分が経つと、前方に馬車が停まっているのが見えた。


(やっと人だ。人に会える!)


 約100万年もの間人と会ってなかった俺だが、コミュニケーションを取れるだろうか。ただでさえコミュ障なのに。

 いや、今の俺にはスキル【明鏡止水】がある。心を落ち着かせることによって、あがり症を防げるかもしれん。


「や、やめてくれ。どうか命だけは!」


 と思ったが、どうやら物騒な状況のようだ。透視で見たところ2人が縄で縛られ、7人がその周りを囲っている。


「【心眼】」


────────────────

《ステータス》

【名 前】ー

【種 族】人間

【レベル】237

【魔力量】12680/12680

【存在等級】A


《スキル》

【身体強化lv6】【剛力lv3】【魔法抵抗lv3】【魔法操作lv2】【駿足lv3】【毒物耐性lv1】【耐熱性lv3】

────────────────


 7人の中でこいつが一番強い。他は存在等級CとD程度。持ってる武器は付与魔法も施されてない鈍らばかりだ。

 恐らくこいつらは盗賊。一応話しかけて確認はするが、襲い掛かってきたら迷わず殺そう。


「お取り込み中すみません。道を尋ねたいのですが……」


 盗賊は俺の顔を見ると一瞬キョトンとした顔をし、ゲラゲラと大笑いをする。


「おいおい、こいつ俺らに道を聞こうとしてるぜ。馬鹿だろ」

「しかも、いい装備してんじゃねえか。こりゃ運がいい」


 1人の盗賊が俺の方へゆっくりと近づき、首元めがけて短剣による突きが飛んでくる。


「おらっ! ……は?」


 盗賊の短剣は確かに首に当たった。だが、皮膚すら傷がつかず、短剣は折れる。


 今のは確かに殺意を持った攻撃だった。こいつらは人間のクズだ。生きてる価値のない人種だ。

 今までもこうやって自分の利益のためだけに、無抵抗の人間を何人も殺したんだろう。こいつらは生かしておけん。

 だか、すぐ殺しては駄目だ。スキル【手加減】で7%に力を抑えて、今まで殺された奴らの分まで苦しんでもらう。


 俺が盗賊の顔面に軽くパンチをすると、そいつは大きく後ろに吹っ飛んだ。


「い、いでぇぇ!」

「やりやがったなこいつ!」


 血眼になったもう1人の盗賊が抜剣し、斬りかかろうとする。

 俺は冷静に剣身を持ち、思いっきり盗賊ごとぶん投げた。


「親分、こいつ只者じゃねぇ。ここは一旦逃げましょうぜ」

「何言ってんだ。元王都騎士団団員だった俺が負けると思ってんのか。こんなガリガリの雑魚一振りで沈めてやるぜ」

「さすが親分! やっちまってくだせぇぇ!」


 盗賊の親分は上半身裸になり、身長ほどはある大剣を両手で構えた。

 筋骨隆々な肉体に数々の古傷。これまで潜ってきたであろう修羅場をいとも簡単に想像させる。

 俺の身長は172センチ。それより頭一個分抜けてるこいつは、恐らく190近くはあるだろう。


「ふんっ──!」


 親分が剣を振り下ろすと、ドゴンッと爆発したような爆音が響き、土埃が辺りを舞う。


「や、やったか!?」


 確かに親分は切った感触が手に伝わり、勝ったと確信した。だが、なぜこいつは平然と立っている。

 理解ができない。そして、本能がやばいと訴えかける。


「んじゃ、こっちのターンな」


 【亜空間倉庫】から魔法付与がされた鉄の剣を取り出し、一瞬で間合いを詰めて振り翳す。


「ぐはっ」


 肩から心臓の手前まで袈裟斬りにされたそいつは、傷口から大量の血が流れ、真っ黒い血を吐血する。


「俺が悪かった。ゆゆ、ゆ許してくれぇぇぇ!」

「人を殺すって事は、殺される覚悟がある人がする行為だ。そもそもお前から俺に攻撃してきたんだろ。自業自得だ」


 それから戦鎚で膝の皿を割り、槍で手足を突き刺すなど、死ぬ寸前まで苦しませた。他の盗賊6名も手抜かりなく同じ手順で始末した。

 これでこいつらに殺されたり、酷い目に遭わされた人が報われるといいな。てか、縛られてたあの人達を早く解放しなきゃ。


「大丈夫ですか?」


 俺は2人を拘束していた縄を短剣で切った。



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