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第59話「また距離が縮まった?」

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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「おいしいっ! お肉もお魚もお野菜もおいしいですよ、局長!」


「そうか、エステルが気に入ってくれて良かった」


 シモンと秘書のエステルは、シモンのかつてのバイト先、風車亭のランチに舌鼓をうっていた。

 ちなみに、風車亭の旧知であるシモンには、通常のメニューを大幅にアレンジした特別な料理がサービスで供与されていた。


 焼き、揚げ、茹で等、いろいろな調理方法で処理された肉、そして魚の皿。

 数種類の野菜を使った色鮮やかなサラダ。

 そしてきのこを使ったポタージュスープ。

 濃い味付けで野趣あふれる冒険者料理ではあるが、エステルは大いに気に入ったようだ。


 綺麗にそして気持ち良く食べるエステルは、食べ物の好き嫌いがないらしい。

 当然シモンも同じ。

 好き嫌いなどない。


 出された料理を完食したふたり。

 食後の紅茶を飲む。


 一応は仕事中なので……

 ふたりの話題は先ほど行った『視察絡み』となる。


「衣料のプロフェッショナルに関しては、生産、仕入れ等々に長けた優秀な人材が欲しいけど、生産コストの件も含め、商業ギルドに相談した方が良いな」


「はい、ウチは一般の取引先ではなく王国本体ですから、いろいろな面で商業ギルドに優遇して頂けると思います。商業ギルドも冒険者ギルド同様に王国の資本が入った公共企業体ですからね」


「まあ、俺達は所詮素人だし、商業ギルドにプランから納品まで考えて貰う発注方法で良いと思うよ。ただ専任の窓口たる人材は欲しいけどね」


「同意です、局長」


 エステルが頷いた時。

 つかつかと、ひとりの冒険者が近寄って来た。

 30歳を少し過ぎたという感じのひげづらの男だ。

 酒が入っているらしく、真っ赤な顔で、好色な眼差しをエステルへ向けている。


「よぉ、キレイな姉ちゃん、こんな青二才ほっといて、俺達の席に来て、おしゃくしろや。その後、どっかで楽しもうぜ」


 当然、エステルはきっぱりと断る。


「仕事中ですし、お断りいたします」


「はあ、仕事中だあ? メシ食いながらかよ、ふざけんじゃねえ」


 顔をしかめた冒険者はいきなり手を伸ばし、エステルの腕をつかもうとした。


 ここで、シモンが稲妻のように動いた。

 「がしっ!」と、冒険者の腕をつかむ。


「俺の部下に、きたね~手でさわるんじゃない」


「いててててててっ!」


 冒険者の悲鳴とともに、仲間らしき冒険者達がばらばらっと詰め寄った。

 剣を抜いた者も居る。


「てめぇっ!」

「コノヤロ!」

「何、しやがる!」

「仲間を放しやがれっ!」


 しかし!

 クラウディアを救った時同様、シモンの瞳が妖しく光った。

 『威圧のスキル』が発動したのだ。

 それも数倍、強い威力である。


「ぎゃ」

「あう!」

「ぐわ!」

「あう!」


 瞬間!

 シモンに詰め寄った4名の冒険者達は気絶し、ばたばたばたと、地へ伏したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 冒険者の気絶と同時に、店主のアルバンが厨房からすっ飛んで来た。

 当事者のシモンとエステル、そして事件の一部始終を目撃していたエマの説明を受け、事件の内容を全て知った。


 今後の事もある。

 アルバンの通報により、衛兵が5名駆け付けた。


 シモンに腕をつかまれた冒険者は「エステルへ声をかけただけだ」とすっとぼけたが……


 被害者であるエステル、エマを始め風車亭のスタッフ女子の証言により、嘘がすぐにばれてしまった。


 何より、仲間が「剣を抜いた」行為がはっきりとした暴行、殺人未遂と告げられ、気絶した仲間と共に連行されていったのである。


 衛兵が去り……

 アルバンは平謝りである。


「申しわけない! シモン、エステルさん、せっかく来てくれたのに、迷惑をかけた! この通りだ。食事代はサービスだ」


 しかし、シモンは首を横に振る。


「何言ってるんすか、アルバンさん。あいつらが絡んで来ただけで、アルバンさんの責任じゃありませんって。メシのお金はちゃんと払いますよ」


「え? でも」


「良いですって、また来ますよ、俺」


 笑顔のシモンにエステルも追随する。


「あ、私もぜひ来ます。また局長に守って貰いますからっ!」


「そ、そうか! エステルさん、申しわけない!」


「いえいえ、お料理本当においしかったですっ! ごちそうさまでしたっ!」


 エステルはアルバンへ礼を告げると、シモンへ向き直る。


「局長! これでクラウディア様と私は、ほぼ対等ですねっ! 悪漢から救って頂きましたからっ!」


「え? ほぼ対等って?」


「うふふっ、また距離が縮まりましたねっ。私……凄く嬉しいですっ!」


 満面の笑みを浮かべるエステルは、小さくガッツポーズをしたのである。

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