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第135話「嬉しい悲鳴」

 王国復興開拓省の新規募集作業が、人事部主導で行われる中……


 小村の支援策の詰め、特産品の絞り込みもほぼ終わり……

 シモン以下、支援開発戦略局のメンバーは、商業ギルドサブマスター、ペリーヌの案内で、特産品ショップ店舗候補の視察に出ている。

 出向が正式に決定した商業ギルドのスタッフも同行していた。


 ターゲットを想定した商圏シミュレーション、交通アクセスも含めた集客数、

 遮蔽物の有無を含めた店舗の視認性、入りやすさ等々

 いろいろな角度から確認検討した上で、シモン達は店舗を見て行く。


 当然、主導するのはペリーヌ達商業ギルドのメンバーである。

 店舗ごとに、丁寧に説明して行く。

 さすがのシモンも、商業的なスキルは持ち合わせてはいない。

 但し、抜群の記憶力で説明は全て丸暗記した。

 多分、後々の役には立つはずだ。


 シモン同様、商業的な判断能力や知識がない局員も、臆さずどんどん質問を投げかけ、意見を述べる。

 あまりにも稚拙な内容はスルーされてしまうので、雑談もそう低レベルなものにはならない。


 なんやかんや半日以上かけ、シモン達は10軒もの店舗を視察した。

 どれもこれも、ペリーヌ肝いりの厳選物件らしく、シモンには甲乙つけがたい。


 基本的な条件だけ改めて確認し、後は直感、もしくは『好み』で選ぶしかない。

 但し、シモンには店舗に付加価値を付けるアイディアだけは、続々と生まれて来た。


 朝早くから開始された視察が終わったのは……

 午後3時過ぎである。


「さすがに昼抜きだと、腹減って(こた)えるな」

「そうよね!」


 という声が飛び交うが、さほど不満の声は聞かれない。

 それは、何故かといえば……


 秘書エステルの言葉で、はっきりする。


「皆さん、視察、お疲れ様でした。局長負担で、職員食堂からケータリングでお昼ご飯が届いているはずです。さあ、庁舎オフィスへ戻りましょう」


「おし!」

「うお~! やった!」

「ごちそうさまで~す!」


 局員達から歓喜の声が響き……

 一行は、王国復興開拓省庁舎へ戻ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 午後3時30分、

 王国復興開拓省庁舎3階、支援開発戦略局オフィス。


 いつもの全員ランチは本日職員食堂が営業時間外の為、場所をオフィスに変更して行われていた。


 例によって、ワイワイガヤガヤ。

 会話は盛り上がっていた。

 話題はいろいろあった。

 まずは今視察したばかりの特産品ショップ店舗の事である。

 

 あれが良い、これが良いというけんけんがくがくの中、最終的な候補は改めて詳細なデータをペリーヌ達商業ギルド側から出して貰う事となった。


 更に各自から提案が為され、シモンは重複していないアイディアを出した。


 ひとつは今、王国復興開拓省で行われている新規職員他、人材募集から生まれたもの。


「特産品ショップに、地方への就職紹介窓口を設置したら良い。王都に住む地方出身者が故郷に戻って働きたいと考えた場合の手助けになると思うんだ」


 シモンは補足する。


「王国労働省と情報を共有し、最終的な窓口は労働省にすれば、地方への人材供給が活性化すると思う」


 シモンの提案に局員も賛同。


 更にシモンは提案する。


「俺達が支援したり開拓した、地方の景勝や遺跡を観光地化し、商業ギルドに協力して貰い、旅行の企画を立てる。冒険者ギルドにも協力して貰い、腕利きのランカーにお客を護衛して貰う企画だ」


 こちらも地方の活性化、様々な分野で雇用の促進になると、局員は全員一致で賛成した。

 他にも出張実演販売、文化イベントなどが提案され、早速、レナへあげる事となった。


 特産品ショップの話が終わると……

 話題は当然、王国復興開拓省新規職員募集の件となる。


 シモンが言う。


「人事部長、副部長から話があった。応募者が殺到しているそうだ」


 対してジュリエッタは、


「局長のおっしゃる通りだ。敢えて個人名は伏せるが、騎士隊からも多くの志願者が出ている。何せ騎士達が心酔するラクルテル公爵閣下が、局長を大のお気に入りだからな」


 またジョゼフも、


「冒険者ギルドも負けちゃいない! 名だたる上位ランカーがこぞって志願した。ランクSの上、オメガランクも狙える局長と一緒に戦ってみたいそうだ」


 いずれもシモン達にとっては嬉しい悲鳴だ。

 未確認ではあるが、完全フリーの戦士や冒険者からも多々、応募が来るに違いない。


 早くクランを、また応援部隊を組み、魔物討伐に向かいたい。

 シモンは久々の戦いに、決意を新たにしていたのである。

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