第2話 超巨大ロボ スーパーセントリフージ
「見ろ! 怪人が大きくなっていく」
巨大化した怪人キチガイピーアイの足元で、『超遠心!スクロース!』の3人が叫ぶ。
「よし、俺らも、巨大ロボで対抗だ。ホワイト、申請書の準備を急げ!」
レッドスクローが、ホワイトスクローに向かって、叫ぶ。
説明しよう!
『超遠心!スクロース!』が所有する超巨大ロボ『スーパーセントリフージ』は国民の血税で運営されている。そのため、発進には申請書の提出が必要である。もちろん採択されなければ発進はできない。
「教授! 申請書の受け取りをお願いします!」
ホワイトスクローは教授に、メール添付で申請書を送りつけた。
「ヨォぉぉぉぉし! しかと受け取ったァァァ。いくぞ! スーパーセントリフージ発進申請書! さいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁく!」
教授は、送られてきた申請書に、採択のハンコを押した。
バンッ!
神岡町にある山奥から3台の大きな『専用マシン』が射出された。
レッドスクロー用の『レッドセントリフージ』。
ブルースクロー用の『ブルーインキュベーター』。
ホワイトスクロー用の『ホワイトボルテックス』。
この3台だ!
3台の『専用マシン』はすぐに、3人の頭上に到着した。
説明しよう!
『専用マシン』には、巨大な遠心チューブを使って乗り込む。遠心チューブはそのまま、コックピットとなる。その遠心チューブは、いつもは小型化して『超遠心!スクロース!』の変身ベルトのチビタン(卓上小型遠心機)にしまわれている。
「よし! 遠心チューブ。セーーーーット、オン!」
掛け声とともに、3人は、ベルトにはめてあるチビタン(卓上小型遠心機)から遠心チューブを取り出し、天高く、それを掲げた。
すると、3人は透明で巨大な遠心チューブに包まれた。
3本の巨大な遠心チューブは空高く飛び上がる。
「遠心! 合体!」
それぞれが乗った遠心チューブは、『専用マシン』に搭載された。
3人は、無事『専用マシン』への乗り込みに成功したのだ。
「よし、いくぞ!」
3人が叫ぶ。
「いやぁ、僕も、たまには実験しちゃおうかなぁ? どれどれ」
巨大化した怪人キチガイピーアイは、レッドセントリフージに向かって手を伸ばす。怪人キチガイピーアイの必殺技、『遠心機の蓋を閉め忘れる』だ。
レッドセントリフージは怪人キチガイピーアイに捕まり、グイッと、蓋を開けられた。
蓋を開けられたレッドセントリフージは、みるみるうちに氷漬けになっていく。
「くっ、冷却装置がっ」
レッドスクローがコックピット内で慌てる。
「レッド! 落ち着け! 早く、遠心機の設定温度を常温に戻すんだ!」
ブルースクローが叫ぶ。
「そうだ! 冷却装置を切れば、氷漬けの遠心機は、回復する!」
レッドスクローは、右手で、温度設定ダイヤルをグルグルと回転させた。
「よし、これで大丈夫だ」
レッドセントリフージの氷が少しずつ溶けていく。
「レッド! 今、助ける。超振動体当たり!」
ホワイトボルテックスは振動しながら、怪人の背中に体当たりをした。
「ぐうっ」
レッドセントリフージが怪人の手から離れる。
蓋を閉め直し、体勢を整えるレッドセントリフージ。
「このままじゃ、埒が明かない。一気に決めるぞ。みんな! 合体だ!」
「おう!」
「超! 遠心! 合体!」
3人は、それぞれのコックピットにある、赤いボタンを押した。
ポチッとな。
シュイィィィン! シュイィィィン! シュイィィィン!
ジャキン!
ピカーーン!
3台の『専用マシン』は姿を変え、巨大なロボへと合体した。3人の乗った遠心チューブは、ロボの頭部にまとめられた。
「超遠心! スーパーセントリフージ!」
3人は叫んだ。
ドゴゴゴゴーーーン! (効果音)
「アレェ、僕に喧嘩売っているの? いいのそんな態度とって? 僕の研究費、使わせてあげないよぉ〜?」
怪人キチガイピーアイは、超巨大ロボスーパーセントリフージを見下した目で見る。
「あ〜ぁ、ウザイ! もう、やっちまおうぜ、あいつ」
ホワイトスクローが叫ぶ。
「よし、じゃあ、必殺技だ。超遠心ローター射出!」
3人は一斉にボタンを押す。
説明しよう!
『超遠心ローター射出』とは、超遠心機で高速に回転させた遠心機ローターを打ち出す技である。スーパーセントリフージが打ち出す遠心機ローターは直径1メートルである。そのローターは、150000rpm(rotations per minute;1分あたりの回転数)で回転され、打ち出される。計算上25155000Gの力が加わる。
キュイィィィーーーン
ヂューーゴーーーン
遠心機ローターに直撃した怪人キチガイピーアイは、粉々に砕け散った。
「やったぞ」
レッドスクローが叫ぶ。
「よし、清々! 精製! 粛清!」
3人で決めポーズをした。
(ナレーション)
怪人キチガイピーアイが倒れたとしても、ポスドクのピーアイに対する憎悪が尽きることはない。ポスドク戦士は、この憎悪と戦い続けなければならないのだ。ポスドク戦士、いや、『超遠心!スクロース!』の戦いはまだまだ終わらない。次回へ続く!
遠心チューブ、セーーーット、オン!