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5 照らされないもの

 今回の作戦は。


(レナが攻撃できないような状況下にワープする)である。


 その方法とは、レナがお客溢れるレストランでランチ中に、

ローブで体を覆って近づき、そっとコンタクトを取るということだ。


 あの光の魔法は、俺だけじゃなくて一般人にも影響がある。

あの熱は相当なものだ。さすがにそんな場所ならレナも無茶できない。


もし、レストランであんな魔法を放てば、店の人はやけどでは済まない。

消えるだろう。


 俺はさっそく行動する。

まずは(サポート・マジック)を使い、レストランのレナの様子を見る。


レストランの丸テーブルに一人座っているようだ。

目の前には水だけ、しかも口をつけていない。

 

 レナは1点を見つめながら、何かを考えている様子だ。

思いつめてるのか、その表情は険しく見える。

 

 今しかない、そう思った。

辺りには家族連れや子供たちが大勢いる。

しかも向かいの席が空いている。

 俺の計画は、

ローブを身に纏い、人ごみとともに入店する、

そして自然に着席して、かみきれをテーブルに置く。


って流れだ。

そこには勿論、友好的なメッセージ。


 俺は映像を消して、魔界から町へワープする。

その場所はレナが居るレストランから100メートル程の位置だ。

慎重に越したことはない。


じっくりと距離を詰めて、作戦を行うつもりだ。


 俺がワープしたのは閑静な民家が立ち並ぶ通り、人通りもまばらで、静かな感じだ。

ここから2回曲がって、交差点を渡り、公園を超えると

その通りの向かいが、レストランだ。


 俺はゆっくりと歩き始める。


と、そのとき、なにかを、踏んだようだ。


「ん?」

それは、なにか黒い物、


「なんだ?」

俺は近づいてみる。


なんだろう?かなり大きい。

5㎝程だ。

さっきまで無かったぞ、こんなものは。


よーく見ると。


それは、俺の指だった。


(何!?)


その時、後ろの民家で


(ドーン!!!)

と激しい爆発が起こる。


「なんだ!?」

俺は振り返るとともに、自分の手を見る。

 そこには指

(3本しか指がない)

が1本無かった。


「う、うわあ!」


一体なんだ?

何が起こったんだ?


突然の事にパニックになる。


一瞬だ。理由が解らない。


しかし、やがて来たこの激痛が、

答えを教えてくれた。


 これは、間違いない。

不快感を覚える、この感じ。

間違いない、これは、


レナの魔法だ。


 これほどひどい仕打ちがあるだろうか?

現代世界での俺は、おそらく美少女に縁がない生活をしていただろう。

 しかし、それは(無関心)という事が多かったと思う。

あくまで想像だけど。


しかし今、俺は美少女に恨まれている。


ああ、なぜこんなことに。


 現在、レストランまでは100メートルだ。

 しかも、俺がここに来て、まだ1秒も経っていない。

なのになぜ攻撃された?


 怪我をした理由はわかったものの、まだ疑問が多く残っていた。


(ドーン!!)


再び横で爆発が起こる。


まただ!

 これは、方向がレストランとは限らない?

一体なんだ?あちこちから飛んでくる。

光の魔法。

 全てはレナが放っているのだと思っていたが。

四方八方から飛んでくるこの状況。


どうもおかしい。


 俺の頭は疑問符でいっぱいだった。


しかし心配してる暇などない、


(ザクッ)

と俺の腕が切れる。


「グア!」

と激痛が走る。


 この感覚、光とは少し違う痛み。

一体何が起こっている?


 どうすれば?


このまま進むか?


 しかし光弾は止まらなかった。

その間なく発射される弾に俺は傷付けられていった。


 しかしこの悪魔。

つまり俺が。


ここまで恨まれるとは。


(一体何をした?)


俺は飛び交う光弾を必死に避けながらも、

自分の胸に手を当てて、問いかけていた。


(お前は、あの少女になにをしたんだ?)


ここまで恨まれる動機を、

俺は。勿論というべきか、

当然、というべきか


知りたくてしょうがなかった。

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